「ミラクル チェロ アンサンブル」
JTチェロアンサンブルのCDを聴いた。このところ毎日あわただしかったのでちょっとしんなりしていたのが、聴いたら元気になった。18年続いたJTアートホールの室内楽シリーズは今年で幕を閉じ、チェロアンサンブルも先日2月6日の公演が最後となった。その模様を収めたCDだ。
毎年2月くらいに同じメンバーが集まり(途中日程の都合がつかなくて変わったことはあったけれど、でも基本的に同じ顔ぶれで続いた。驚異的なことだと思う)、大騒ぎしながらリハーサルをしていた。時々、これは客席にいるより舞台で弾いている方がきっと楽しいに違いない、と思う演奏会がある。JTチェロアンサンブルもそうだった。長く続いたからいつまでも続くような気がしていたシリーズだった。それが一区切りとなり、立派なパッケージのCDに収まってしまったことはさみしい。
アルバムの中にアンダーソンの曲がいくつかある。企画の意図はチェロを弾く人間が途中で楽器を持ちかえ、打楽器担当になることのおもしろさだ。(編曲は川島素晴君)耳で聴くだけより、実際の演奏を見るという視覚的な要素があった方がずっといい。演奏を厳密に聴く、というよりは楽しさ優先で。ライナーノーツに誰がどの楽器を受け持ったか書いてないのはちょっと残念、僕の記憶では、
「タイプライター」は裕康さん、ギロとベルは千尋さん、「ワルツィング・キャット」のウッドブロックは雅弘さん、スライドホイッスルは山内君、犬の鳴き声はもちろん祐ノ介さん、「サンドペーパー・バレエ」のサンドペーパーは銅銀さんと桑田さん、曲の終わりのすかしかけたスライドホイッスルは僕、「シンコペーテッド・クロック」のウッドブロックは菊地さん(素晴らしい!)、ベルは藤森さんと古川君と僕、メトロノームは桑田さん、サイレンは山内君、「そりすべり」のすずは向山さん、間抜けなテンプルブロックは僕、鞭と馬の鳴き声はやはり祐ノ介さん。祐ノ介さんの動物の声はただものではありません。
鳥の歌の素晴らしいソロは向山さん。鳥の歌を聴くといつもしんみりしてしまう。またこのチェロアンサンブルで弾くことがありますように。
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