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2013年7月 2日 (火)

七重奏版で

次に弾く室内楽はR.シュトラウスのメタモルフォーゼン。それも23人の弦楽器奏者のために書かれた原作ではなく、七重奏に編曲した版で。ブラームスやチャイコフスキーの弦楽六重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ2)の編成にコントラバスを加えた形だ。

今日久しぶりに音を聴いてこんな曲だったか、と驚いた。一つ一つのモチーフはわかりやすいのだけれど、それらが幾層にも重ねられ、ぼんやりとにじんだようになる。それぞれの声部は必ずしもはっきりと聴き取れなくてもよいようだ。
曲の最後にはベートーヴェンのエロイカ(第3交響曲)の葬送のモチーフが現れる。これを初めてのように新鮮に感じる、ということは、エロイカを弾くようになってからはメタモルフォーゼンを弾いていないということだ。(僕が初めてエロイカを弾いたのは30歳を過ぎてから、遅かったと思う。でもその分感動も大きかった。こんなすごい曲があるんだ、と思った。)

メタモルフォーゼンを2回目に弾いたのは紀尾井シンフォニエッタ、ゲルハルト・ボッセさんの指揮だった。この曲が作曲されたのは第2次大戦終了間際、ボッセさんは戦争が終わった時、荒廃した国土を見てもう2度と音楽はできないだろう、と思ったそうだ。
久しぶりにメタモルフォーゼンを聴いて、パウル・クレーの晩年の絵を思い出した。直接の関係はないかもしれない。でも何か感じる。クレーが亡くなったのは1940年、同時代の共通するものがあったのだろうか。

編成が3分の1以下になったらどんな曲になるのだろう、にじんだ油絵のような感じはなくなってしまわないだろうか。演奏するのは7月15日の京都、京都に行くのは久しぶりだ。それに憧れのチェリストの隣で弾かせてもらえることが本当に楽しみ。
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/hotelevent/ongakusai2013/

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