CDのライナーノーツはあまり読まないのだけれど、シフの弾くシューベルト作品集9枚組や、ルービンシュタインのピアノ三重奏のものを読んだら興味深いことがたくさん書いてあった。
シューベルトは華やかな経歴や評判とは無関係に生きたこと、自作曲の演奏会は生涯で1度開いたこと、9曲ある交響曲が職業音楽家によって演奏されるのを彼が聴いたことはなかったこと、最後の2つの交響曲は演奏すら聴いていないこと、20を超えるピアノソナタのうち生前出版されたのは3曲だけであったこと。
『シューベルトは死というものとまっすぐ向き合うことができた唯一の作曲家だろう・・・・』
『人生は時によって、われわれの愛や成功や自由や健康や幸運を奪い取ってゆく。しかしながら人生はわれわれの思考、想像力、あらゆる芸術や本や花への愛、そしてあらゆるものへの興味を奪うことはできない』(ルービンシュタイン)
『シューベルトのトリオ(Op.99)を一瞥するだけで、われわれの人間的な経験における困難は消えうせ、世界は再び新鮮で輝かしいものとなる』(シューマン)
今日もピアノ・ソナタを何曲か聴いていた。仕事の勉強ではなく、BGMとしてでもなく、その音楽を聴くためだけにスピーカーの前に座るのはずいぶんと久しぶりだった。どの楽章も終わってしまうのを残念に思いながら聴いていた。
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