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2013年9月 1日 (日)

今日のリハーサルで傑作だったのは、リゲティの協奏曲の第2楽章を細かく見た後、その楽章の冒頭から返していた時、30小節近く進んでから大野さんが
「大きな誤解があるようです」
と止めたことだった。なんだか景色が違う、とは思っていたのだけれど。第1楽章を演奏していたパートがあったのだ。それはそれでけっこういい感じだったので皆で大笑いした。

リゲティのフルート、オーボエのための二重協奏曲はおもしろい編成で書かれている。ヴァイオリン以外の弦楽器と木管金管打楽器。チェロの右横にはクリーヴランドから来たトロンボーン、マッシモ・ラローザがいる。この騒ぎの時、どっちの楽章を演奏してもいいね、と冗談を言い合った。端から見ると陽気な兄ちゃん、という感じだけれど、驚くような美しいピアニシモで吹ける。

大野さん曰く、この協奏曲はリゲティの転換点で、それまでのきついトーン・クラスターが玉虫色のような(英語の説明に苦労していた、「玉虫色」は日本語だけの表現だろうか)トーン・クラスターに変化している、ということだった。確かに第1楽章の冒頭の響きは美しく感じられるようになってきた。
ソロのフルートとオーボエは超絶技巧、木管や金管も大変そうなところがあるし、時々弦楽器にも9連符や10連符が重なったりする音のにじみはある。でも僕たちはどちらかというと背景の役割で、トーンクラスターのどこかの成分を小さい音で伸ばしている。そしてその音の渦の中にいることがとても心地いい。もしかしてこの曲はオーケストラの中にいるのが一番心地よく聴けるかもしれない。

リゲティはこの響きを想像できた、ということだなぁ。

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