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2013年11月11日 (月)

信頼を

東京は午後、にわか雨が降り大気が入れ替わり、突然冬のようになった。

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昨日の若田光一さんの番組の大部分は、地上に作られた実物大の宇宙ステーション内での、火災や異臭といった緊急事態を想定した訓練についてだった。最先端の宇宙ステーションを操作するのは、結局生身の人間なんだなぁ。若田さんは強いリーダーシップを発揮する、というより、メンバーの意見を聞いた上で一つの方向にまとめていく方法を取っているように見えた。

その様子を見ていて思い出したのは、何年も前、ヴァイオリンの安永徹さんの弾き振りでハルトマンの協奏曲やモーツァルトの交響曲を弾いた時のこと。皆が自発的にそれぞれの音楽をし、それが最終的にまとまればいい、というのが安永さんのやり方だった。
もう一つ、やはり宇宙飛行士の山崎直子さんの言葉も思い出した。リーダーシップという言葉があるように、フォロワーシップという言葉もある、ということを聞いた時、あぁそうなのか、と僕は心を打たれた。

若田さんたちのチームは訓練の後、実際には地上の管制室から支援するスタッフたちとミーティングをする。皆Gパンにポロシャツで、とても率直に意見を述べる。日本語を使う日本の社会では、こういうことは難しいかもしれないと思った。

失敗は必ずする、それを小さい軽微なものにしなくてはならない、という若田さんの言葉も印象的だった。

いろいろなことが音楽の仕事にも通じる気がした。オーケストラは時として100人近い人間が舞台に乗る。もしそれぞれの能力が、1割とまで言わなくても、5パーセント、あるいは3パーセント多く発揮される状況が作れたら、おそらく相乗効果もあり、全体としては大変なことになると思う。スポーツでオールスターのようなチームが作られても、それが必ずしも強い訳ではないことも興味深い。
きっと人間は、将棋の駒のような使われ方をするよりは、他者からの信頼を感じた時の方が、ずっと大きな能力を出すはずだ。

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