今その1ページ目に
演奏会場に向かう途中、ビルの窓ガラスを清掃するためのゴンドラが、風にあおられて大きく揺れているのを見た。中には二人乗っていて、窓を拭いていた。大変な仕事だ、とても僕にはできそうにない。
宇宙服を着た若田光一さんが、半球形をした透明な部分のあるヘルメットを被る姿を見て、うーん、と思ってしまった。あれを被ると、ダースベイダーのように、自分の呼吸する「しゅこー」という音が聞こえそうだ。
僕は高いところも狭いところも苦手。年を重ねる、とは自分の弱さを知っていくことだろうか。
第九の演奏会の後、都響を応援して下さる方々の忘年会に出てから帰宅。コーヒーを飲み、楽器を出した。
僕にとってのチェロ教本があるとしたら、今その1ページ目に立っている。チェロとはこう弾くもの、と初めて教えられた気がする。今すべてが新鮮でわくわくしている。弦を振動させて音を出し、その音で音楽を作っていくことは本当に楽しい。チェロを弾く感覚は、コップの縁を濡らし、その上を指でなぞって音を出す感覚に似ている。
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