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2013年12月26日 (木)

まだまだ、いよいよ

先月末に新しくしたテールピース(11月26日の日記をご覧くださいhttp://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-7857.html)、調子よかったのだけれど、なかなか楽器が落ち着かず、いつもよりテールガットのなじみが遅くて変だな、と思っていたら、弦を支える黒檀の細い部品が裂けてはがれかかっていた。幸い今月の厳しい仕事にも持ちこたえ、今朝、重野さんに修理していただいた。限られた時間で的確な対応をしてくださるのは本当に心強い。元々のあまり褒められない細工を丁寧に補修し、張力を上げるためにテールガットを少し短くした。

夜は東京芸術劇場で第九の本番。第九の前のエグモント序曲を弾きながら、セリオーソという名前の弦楽四重奏曲に似ている、と思った。両方ともヘ短調という理由ではなく。(率直なところ、第九の前に別の曲を演奏する必要はあるのか、とはいつもひっかかる何かではある。)
今日の第九で今年の都響の演奏会はおしまい。終演後チェロの全員と握手をした。

テールピースを直し、調整し、楽器はこれまでで一番いい状態になった。このチェロとはもう20年の付き合いになる。苦労してきた。無理だ、と思ったこともある。でも随分いろんなことを教えられた。今では、わたくしが浅はかでございました、あなたのことを何も存じあげておりませんでした、と平身低頭するしかない。今月とうとうようやくこのチェロは(弓もそうだ)、僕の心や体と隙間なくつながった。まだまだ、いよいよこれからだ。
僕のチェロはゴフリラ、モンタニアーナ、ストラディヴァリウス、ガダニーニ、・・・、といった最高のチェロではない。僕があれもこれも足りないいびつな人間であるように(まぁ少しくらいは良い所があってほしい、と思うけれど)、この楽器にも長所短所があり、そこをわからなくてはならない、ということだ。

チェロの調子はかつてない程いい。一方僕は、風邪気味。うむむ。

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