「Life Studies」
今回のオペラは今日でおしまい。終演後、銀座ニコンサロンへ。写真展や映画に出かける時間が戻ってきた。
藤岡亜弥写真展「Life Studies」http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2014/02_ginza.htm#02
日常生活が写っていて、どうしてそれがおもしろいのかはわからないのだけれど、おもしろかった。会場には藤岡さん本人の文章も掲示してあり、そちらも興味深かった。その中から。
『2007年秋、文化庁の留学生として1年間の予定で、私はニューヨークを選んだ。予想もしなかったことだが、それから4年間もニューヨークで生活することになった。
これまでにない解放感と高揚感が自分にあったこと、エキサイティングな出会いやこの街の不思議なエネルギーは語るに語り尽くせない。しかし、美しくうそをついてしまいたくなるほど隠しておきたいことも多い。逆風は、まず最初のアパート探しからはじまり、その後も気が遠くなるような失敗や事件や失望があった。
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そんな日常が本編なら、この物語の本編をおもしろがる余裕など私にはなかった。いつもそこから逃げ出し外に向かって歩こうとする自分がいた。私が目をそらした先、物欲しそうに見つめたもの、それがここにある私のニューヨークなのかもしれない。
強烈な都市の魔力にわなないたり救われたりしながら、私は何度小さな自分を見つめたことだろう。
ニューヨークを想うと今でも心が震えるのは、それが私にとって鈍く光りつづける時間だからだ。
それは私に与えられたかけがえのない「Life Studies」だった。』
ニューヨークはどんなところだろう。行ってみたい。
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