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2014年2月 5日 (水)

別人になれるような

今日は広い部屋で、僕としては長い時間さらった。
ずいぶん前、ピアノのシューラ・チェルカスキーが来日時のインタビューで(彼はその時90歳近かったと思う)、練習は一日3時間、それ以上は必要ない、と言ったことをよく覚えている。その時はこんなに上手な人が3時間しか・・・、と驚いた。
今、彼の言おうとしたことは少しわかるような気がする。同じことを繰り返し練習することはもうほとんど意味がなく、より広い所へ、より高い所へ行くためのきっかけとなる何か、つまずきとなる技術的な何か、あるいは音楽を司る心の何かを変えることが必要なのだと思う。その練習の前と後とでは別人になれるような。

いつも誰か他者が聴いている室内楽とは異なり、一人で弾く時は、自分のことを完璧に把握できる人は別として、録音して聴きながらさらうことが必要だと思う。それは僕には楽なことではないけれど、自分の録音を聴いても、以前ほどひどく落ち込むことはなくなった。

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