今月の日経新聞連載「私の履歴書」はプロゴルファー、トム・ワトソン。5月14日の記事から
『ブルース(ブルース・エドワーズ)は本当にキャディーになるために生れてきたような男だった。彼は心の底からキャディーであることに集中していた。彼にとって、この仕事はパートタイムなどではなく、人生の全てだった。ポーカー用語で言えば、「全部を賭けている」ようなものである。
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最後に、これが最も重要なのだが、ブルースは心の中のグラスをいつも半分くらい空けて保っていた。こぼれるほどいっぱいにしない、つまり、余裕があった。だから、常に前向きでいられた。決して、ネガティブにはならなかったのである。』
5月15日の記事から
『プロゴルファーというものは、常にスイングをいじり続けている。少しずつ何かを変えてみては感触を確かめ、また別の何かにトライする。そして、自分に合うものがあれば、しばらく試してみる。
プロの世界において、スイングについて何か「しっくりくるもの」を発見できるのはいつも競争の中、つまり試合中である。ゴルフコースの上で突然、調子が悪くなったら、何が悪いのかを見極め、修正した方がいい。なぜなら、試合中であれば残りのホールは限られており、必然的に答えを見いださなければならない状況に自分を追い込むことになるからだ。』