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2014年7月17日 (木)

心あたたかく

映画「グランド・ブダペスト・ホテル」へ。映画の魅力を満喫した。
http://www.foxmovies.jp/gbh/

実はその前に観た「名作」とされる映画は僕としては大はずしで、途中で出ることも考えてしまった。一方、さらにその前に観た「テルマエ・ロマエⅡ」には笑い転げた。同じ日本人キャストでも、典型的日本人顔の俳優を「平たい顔族」に、彫の深い顔の俳優をローマ人役に配したり、「へいへいほー」の歌が流れる時(その時映るニホンザルが誰かに似ている)盛大にヴィヴラスラップの音が入ったり(時々この楽器が欲しくなる。http://www.youtube.com/watch?v=RJpT2Kn-jfc)、わかってはいるけれど絶妙なタイミングでイタリアオペラの名曲が流れたり。その名曲の数々があまりに壮大流麗な演奏なので、はて、テルマエのために都内のスタジオででも録ったのかな、と思ったら。エンドロールに、ジェイムズ・レヴァイン指揮フィルハーモニア管とかジョージ・セル指揮クリーヴランド管などと出て、納得した。

さて「グランド・ブダペスト・ホテル」。憧れ、共感、郷愁、義侠、などの人間味を、ユーモアというオブラートに上手にくるんで、見事な世界を現出させた。主人公「ゼロ」役の目がくりっとしたトニー・レヴォロリは映画を生き生きとしたものにしていたし、冷酷な用心棒「ジョプリング」役のウィレム・デフォーは映画「プラトーン」の悲劇的な「エリアス」役だった人だ。美しい画面の構成も、テンポの良い話の進みも、音楽の使い方も、エンドロールの最後に至るまでぬかりなく見事だった。ホテルのセットなどはCGではなく、ミニチュアを撮影して合成しているそうだ。それがコミカルな表現に一役買っている。
確かに映画でしか表現できない世界がある。劇場を出て、心あたたかく家に向かった。

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