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2014年11月

2014年11月30日 (日)

新幹線ホームで

昨日は岐阜のサラマンカホールでチェロアンサンブルを弾き、今日は名古屋で様々な人たちに会い、話をし、演奏を聴いた。

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無事予定が終わり、夕方、名古屋駅の新幹線ホームで食べたきしめんは、あぁ五臓六腑にしみわたる。
さて、明日からは12月。

2014年11月29日 (土)

11月28日杉並公会堂での演奏会、多くの方々にお越し頂き、本当にありがとうございました。

自分を解き放ち、これまでなかなか行くことのできなかったところに行けたと思う。扉を開けるのに全力を尽くさなくてはならないのか、それともほんの一押しすればいいだけなのか、それは時々によるかもしれない。けれど、どうしても自分で開けなくてはならないことはわかった。

一フレーズ、次の一フレーズと弾くごとに虎の門交響楽団の皆さんから力を頂き、あっという間に終わってしまった。楽しかったなぁ。忘れられない演奏会になった。

さて、今日は早朝の新幹線で岐阜へ。

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2014年11月25日 (火)

ぶら下がるように

僕の持っている中で一番個性的な弓は、古く、太く、材料がざっくり削ってある。バランスが先寄りにあるから、剛弓にみえるかもしれない。実際は毛箱や釦が軽いので弓先が重く感じられるだけ。じゃじゃ馬のようなところがあって、体に力が入りしっかり弓を持ってしまうと、とたんに音が硬くなり、弦に入っていけなくなる。最近ようやく、そのバランスを生かして弓に委ねるように弾けば広い音が出る、とわかってきた。もう一本、このところの本番でよく使った弓は細身で、実に見事に材料が削ってある。音の密度は高く、多少無理な弾き方をしても受け入れてくれる懐の深さがある。
家でさらっている時はじゃじゃ馬がいい、と思うのだけれど、いざ会場に行くと、懐の深い方に頼ってしまう。今日重野さんの前でその2本を弾き、個性的な方を毛替えして頂いた。

以前、ダヴィッド・ゲリンガスさんと一緒に弾かせてもらった時のことをよく思い出している。彼がハイポジションの、速いパッセージをさらっている時、水ももらさぬ精密な作業をしている、というよりは指板の上で指がもそもそ動いている感じがして、意外だった。エンドピンが長く、楽器が寝ていることと関係があるかもしれない。音は開放的で大きかった。
その時は見ていただけだったけれど、今は自分に取り入れたいと思っている。上から押さえつけるように力をかけるのではなく、楽器や弓にぶら下がるような感覚で弾けないだろうか。それができたらきっとよく歌えるし、この個性的な弓も生き生きとしてくるような気がする。

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弓といえば20年近く前、ほぼ完璧な状態のドミニク・ぺカットを借りて、何回か演奏会で弾かせてもらったことがある。音質、音量、バランス、そして外見も、すべてが揃っていて、突出した部分がないから、うっかり普通の弓と勘違いしそうだった。素晴らしかったなぁ。あの時どうにかして手に入れるべきだった、と時々思う。今、もしあんな綺麗なぺカットが市場に出たら大変なことだろうし、というより、ほとんど出てこないものかもしれない。

2014年11月22日 (土)

今日は休み。午前中散髪に。それから写真展を見に銀座へ。
ライカギャラリーのアントワン・ダガタ写真展「Black Rain」、資生堂ギャラリーの荒木経惟写真展「往生写集」の後、ニコンサロンの小林紀晴写真展「ring wandering  悲しき迷走」へ。http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2014/11_ginza.htm#03
木々、空、動物、動物の足跡、写っているそれらのものがどうして心に迫ってくるのだろう。

キャノンギャラリーでは最新のカメラによる写真展が。このところのデジタルカメラの進歩は大変なものだと思う。少し前まで、デジタルカメラで撮った画像の、輪郭の不自然さがどうも気になっていた。(あれをジャコメッティが見たら何と言うだろうか)  でも、もし誰かの写真を作品として買うことがあったら、やっぱりフィルムの方がいいなぁ。

夕方、都響の月刊誌に載る予定の文章をようやく書いた。ふぅ。
昨日の演奏会、メンデルスゾーンの交響曲にはセルパンという楽器が登場した。マウスピースがついていて、音域はファゴットとコントラファゴットの間だそうだ。

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2014年11月18日 (火)

「誰よりも狙われた男」

 

リハーサルの後、東京都現代美術館の「開館20周年記念MOTコレクション特別企画」へ。僕にはなんだかとらえどころのない感じだったなぁ。

それからJCIIフォトサロンの森山大道作品展「遠野物語」に。http://jcii-cameramuseum.jp/photosalon/photo-exhibition/2014/20141028.html
40年前に撮影された写真は、強く思い浮かぶ森山さんの作風よりもおだやかな感じがした。来月からは品川のキャノンギャラリーSで、現在の森山さんが撮った遠野が展示されるそう。こちらも楽しみ。http://cweb.canon.jp/gallery/archive/moriyama-tono/index.html

それから映画「誰よりも狙われた男」へ。http://www.nerawareta-otoko.jp/
お見事、映画の魅力を満喫した。主演のフィリップ・シーモア・ホフマンは言うまでもなく。本作で銀行家を演じたウィレム・デフォー は「プラトーン」ではエリアス軍曹役で最も印象的なシーンを、先日の「グランドブダペストホテル」では殺し屋役を演じていた。見事にその役になり切る俳優の力には驚くばかり。

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2014年11月16日 (日)

少しずつ、けれど確実に

hpacに来て2日目のリハーサル後、6人でずいぶん長い時間飲んだ。(正確に言うと、最近の僕はお酒を飲んでいないのだけれど)  その長い飲み会の終わり際に、実はヴァイオリンが2人、ヴィオラも2人、チェロも2人いることに皆で気付き、それならブラームスの六重奏を弾こう、という話になった。昨日の本番前に1時間ほど、2番の六重奏を初見で弾いた。
今週のhpacのプログラムはルクー、ラヴェル、フランク、フォーレ。ドイツ音楽を弾くのは久しぶり、いつになく新鮮で楽しかった。

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その2回目の本番が終わってから、京都まで足を伸ばした。京都のライカギャラリーで開かれているアダム・マレリ写真展「Traces of a Lost Ceremony」に。http://imaonline.jp/ud/exhibition/543ca69eabee7b41b0000002
町家を改装したギャラリーの入口には、先頃亡くなったルネ・ブリの見事な写真が掲げられていた。1961年に彼が撮った京都は、すっかり国際的な観光都市になってしまった2014年の当地とは別世界のようだった。

今日は3回目の本番。今回の公演は、リハーサルも本番も、普段慣れているものより時間も回数も多く(4日間のリハーサル、続けて3回の本番)、そしてプログラムは楽ではなく、実は少し心配だった。でも始まってみると、その時間は僕にとって必要だったことがわかった。様々な人たちに会い、たくさん話をし、そして何より若者たちと一緒に弾き、もちろん様々な場所に出かけたことも、何かに縛られていた僕の心を毎日少しずつ、けれど確実に解きほぐしてくれた。

hpac、チェロのコアメンバーは隣のフィリップ、2列目にはフランスから来たファニー、アメリカからのアンドレア、3列目には同じくアメリカからのサム、そして日本のサリ。彼ら彼女たちの音の出し方、感じ方、さらい方に間近で接し、やっぱり西洋音楽はあなたたちのものだね、と思った。その中で弾けるのは楽しかった。僕にも、若かった時のいい感覚が戻ってきた。

3回目の演奏会も無事終わり、いろいろな人たちに挨拶をし、帰京する新幹線に乗った。この1週間はきっと忘れられないものになる。

2014年11月14日 (金)

無意識の

昨日はリハーサルの後、ずっと行きたいと思っていた大阪の海遊館へ。青い大水槽の中で悠然と泳ぐジンベイザメやシュモクザメ、エイを見ていると、こちらも水の中を漂っているような不思議な気持ちになった。

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今日はhpacで最初の本番。反省することはいくつもあるけれど、若者たちと一緒に弾いて、僕も昔の良い感覚を思い出すきっかけをもらえたことはとても幸せだった。

オーケストラの仕事は頭を使う。膨大な譜読みもそうだし、様々な楽器との絡みを勉強することも、実際に現場で耳や目から入ってくる音楽を判断して、その先のフレーズがどのように動くか予想することも。そしてそれらの作業はとても意識的なものだ。
でも、良い集中をすること、心の底からの深い音楽をすることは無意識の範疇だと思う。ここに経験を積むことの難しさの一つがある。

本番の後、「やどかり」という店でお好み焼きを食べ (今回の公演に関して、名古屋の中島先生にチェロを習った生徒が僕を含めて3人いて、その3人で)、それから梅田の大きな本屋へ。1週間の滞在に備えて持ってきた小説を読んでしまったので。(最近の外国の大きな賞を受けた作品だけれど、残念ながら僕にはあまり興味深くなかった)
小説を一冊と、文庫本になっている野口晴哉著「整体入門」を。最初の文章にこんなことが書いてあった。

『人間は平素の生活ではとり出せない力を持っております。平素は意識の枠内で生活しておりますので取り出せませんが、何かの理由で体の中に勢いが出てくると発揮されます。・・・・・』

2014年11月11日 (火)

様々な個性の

昨日から兵庫県立芸術センター(hpac)管弦楽団に。僕の隣にはアイオワから来たフィリップという長身の若者が座っている。前回来た時はシカゴからのチャーリーだった。(元気にしているだろうか) 
思いもかけずたくさんの懐かしい人たちに会い、そして様々な個性の若者たちの出す音の中にいて楽しい。

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2014年11月 9日 (日)

素直にそう思える

午前中は教えている大学オーケストラのゲネプロに。彼ら彼女たちの、この数ヶ月の進歩は大変なものだ。若いって素晴らしい、残念ながら素直にそう思える年齢になってしまった。

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午後は虎の門交響楽団とドヴォルザークの練習。

2014年11月 5日 (水)

何かが色濃く

デジタルカメラはとにかく便利で、画像編集も思いのまま、この日記へのアップロードも簡単・・・。でも、だんだん満たされなくなってフィルムカメラに戻る、いつもそんなことを繰り返している。

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先日出かけて素晴らしかったのは富士フィルムスクエアで開かれていた「大判フィルムで魅せる、スティルライフ」展。http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/minigallery/14101703.html
8×10(六切りの大きさ)サイズのフィルムで撮られた静物の数々。会場には密着によるプリントと、ポジフィルムの現物が置かれ、ライトボックス上のオリジナルフィルムをルーペで見ると、はっとするような強さがあった。

先月末出かけたのは六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開かれている「活動のデザイン」展。http://www.2121designsight.jp/m/program/fab_mind/
実は行ったことがなく、ミッドタウンのインフォメーションで「あの、でざいんにじゅういち・・・は?」と尋ねたら「トゥーワントゥーワンデザインサイトですね、・・・」と言われた。なるほどそうやって読むのか。ミッドタウンにこんなところがあるなんて知らなかった。

今日はチューリヒ美術館展へ。http://zurich2014-15.jp/

展示数は決して多くなく、様々な作家を広く見渡すような印象を受けた。久しぶりに見たシャガールの絵は好きだったし、初めて見るエルンスト・バルラハという作家の木彫には強さがあり、クレーの、知らない作風の画も何点もあり、楽しかった。
僕にとって圧巻だったのは、最後のセクションにあったジャコメッティの作品群。「矢内原伊作の肖像」は、パリのアトリエでポーズをとる矢内原を前に苦闘し伸吟するジャコメッティの息づかいが聞こえてくるよう、極端なほどデフォルメされた彫刻からは、彼が求めた、あるいは求めようとした何かが色濃く立ち昇ってくるようだった。彫刻は四方から見ることができ、アングルが変わる度に違うものが見えるようだった。

今晩久しぶりにブラームスの、イ長調のピアノ四重奏を聴いた。秋になったなぁ。

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