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2014年12月27日 (土)

声のように

東京は冬晴れが続き、とても乾燥した空気になっている。楽器が乾き過ぎてしまわないよう気にする季節がやってきた。

0111

先日空き時間にふと、ブラームスのホ短調のソナタを弾いてみた。ずっとしまわれていた記憶をたどって弾いた。そしてシャフランの録音があることを思い出した。帰宅してそのCDを聴くと、どう弾いているのか手にとるように、目に見えるようにわかる気がした。この演奏は名古屋の実家にLPレコードがあり、子供の頃から聴いてきた。でもそういうことを感じるのは初めてだった。
弓の毛が弦に接して音が出る瞬間の、滑らかに音が出る時の、強く出る時の、アタックがかかっている時の、様々なことが見えるようだった。それは今年ものすごく苦労してきた、苦労したからこそわかることなのかもしれない。

たくさん持っているシャフランの録音の中でもこのブラームスは、演奏も録音の質もバランスがとれていて、素晴らしいものの一つだと思う。(時々、シャフランさん、それはいくらなんでもやり過ぎではありませんか?というものもある。もちろん、そういうことも含めて彼の演奏にひき付けられるのだけれど。)
本当に男の人の声のようにチェロが鳴っている。弦の振動がこう楽器を鳴らす、という感覚がとうとう、ようやく、ついに僕の手の届くところに来たのかもしれない。

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