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2015年2月

2015年2月17日 (火)

長くゆっくりな弓

昨年出版されたマリオ・ブルネロのエチュード「24 study days for cello」を、幸運なことに、ある方から分けて頂いた。
www.antiruggine.eu

本の構成は24日分の課題から成っていて、必ず弓の練習から始まる。メトロノームを40にして、弓の配分を気にしながら、まず一弓で4拍から始め、6、8、9拍と増やしていき、24拍(!)まで行ったら戻ってくる。

以前シエナでブルネロに習っていた時、この練習のことを言われたのだった。そして、もし演奏会場に開演時間ぎりぎりに着いて数分しか音が出せないような時、この練習をする、とも言っていたのを思い出した。その時はただ、ふーん、と聞いていただけだったのだけれど。(本当にぼんやりしている)

さて、それから何年もたち、僕もやってみよう、と始めた。(テンポは少し速くして)   
楽器の調子が良くなった。どういう訳かはわからないのだけれど、張りが強くなってくる。ちょっと強すぎるくらいになった。

僕が理想とする楽器とその状態は、1600年代や1700年代の古くて充分な強さのあるチェロに、オイドクサという古典的なガット弦を張ること。
強い弦を張って強い感じにすることはできる。でもそれは弦の音がして好きではない。最近の弦はテンションの高いものが多い。それは一つにはわかりやすいからだと思う。一方オイドクサはとても緩く、音が出ていないような感じだし、おまけにガットだから狂いやすい。人にはすすめない。

でも自分の楽器(さほど古くはない)のテンションがあがってきて、これにオイドクサを張れば、と思いついた。
何年も前に使っていた時のストックがあり、それを張ってみると、こんなに強かったかな?という感じだった。張って1週間ほどたち、もちろん扱いに気を付けなくてはならないのは以前と同じ、でも何か新しい世界が見える。冒険をしているようだ。

2015年2月 8日 (日)

『推移の中に』

村上春樹さんの、期間限定のウェブサイト「村上さんのところ」が今開かれている。メールで寄せられた様々な問いに村上さんがふわりと、時に正面から答えていて、おもしろい。(質問は締め切ったそうです)

その中の、村上さんの小説はどう読んだらよいか?という問いにご本人がこう答えていた。

『大事なことは固定の中にではなく、推移の中にあります。』
http://www.welluneednt.com/entry/2015/02/04/113400

この言葉はそのまま音楽にも通じるような気がする。

この一年ほど、よくシューベルトのピアノソナタを聴いていた。そうしてピアノソナタを聴くようになって初めて、今日「未完成」の本番があった。長い間、幾度も弾いてきた「未完成」はこれまでと全く違う姿を見せ、舞台の上で心が震えた。素晴らしいものは目の前にあり、ただ気付かないだけなのかもしれない。

2015年2月 6日 (金)

3月7日に

昨日、来月7日に第一生命ホールで行われる公演の最初の練習があった。ハープの吉野直子さんの企画で、「うきわねこ」という絵本の朗読にハープ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの5つの楽器で音楽をつける。モーツァルト、フランセ、ルーセル、ピエルネ、ヴィラロボスなど、初めての曲ばかりでちょっと緊張したけれど、実際に音を出してみるとなんだか豪華で楽しかった。
公演の前半は、ホールの舞台は吉野さんだけ、客席は大人だけ。一方、僕たち4人の演奏者はそれぞれの部屋に分かれ、子供たちの目の前で演奏する。つまり、普段子育てで忙しくなかなか演奏会に来られない人たちのことを考えた公演だ。http://www.triton-arts.net/ja/concert/2015/03/07/1400/
ところで、前半僕が担当するのは4歳児。うぅむ、演奏者としての価値を真剣に問われるのは間違いない。

今日はあざみ野まで足を伸ばした。横浜市民ギャラリーあざみ野での石川直樹写真展「NEW MAP - 世界を見に行く」http://artazamino.jp/event/photo-2014/
そう、先日はワタリウム美術館での展示、石川直樹さん奈良美智さんの「ここより北へ」に出かけた。http://www.watarium.co.jp/exhibition/1501ishikawa_nara/index.html

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夜は久しぶりにベートーヴェンの最後の3つのピアノソナタを聴いた。

2015年2月 3日 (火)

明日も

 

昨日は久しぶりに江ノ島へ。思いの外あたたかく、寒さで真ん丸になった猫はいなかったけれど、海風をたくさん吸い込み、猫たちにも遊んでもらえて楽しかった。
このところの江ノ島のにぎわいは大変なものだ。でも僕には以前のひなびて、人懐こい猫のたくさんいた江ノ島が懐かしい。

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今日は少しさらってから銀座へ。まずキャノンギャラリーの三澤 武彦写真展「もうひとつの結婚式」http://cweb.canon.jp/gallery/archive/misawa-wedding/index.html
花嫁花婿と、それを囲む様々な人々の姿に共感を覚えた。良かったなぁ。(明日まで)
そして、シャネルネクサスホールのマルクリブー写真展「Alaska」http://www.chanel-ginza.com/nexushall/2015/marc/
を見てから、銀座メゾンエルメスへ。「ゲート」 モニカ・ソスノフスカ展 http://www.maisonhermes.jp/ginza/gallery/#1
、うーん、これを「アート」と言うのだろうか・・・。
さらにライカギャラリーで開かれているハービー山口写真展「Wetzlar」へ。http://www.herbie-yamaguchi.com/
いきなり見えるクーデルカのポートレートが好きだった。

帰り道、ラボテイクに寄って、江ノ島で撮ったフィルムの現像を受け取った。長く使っていなかった古いカメラで撮ったフィルムは、はたしてとても良く写っていた。僕が撮るような趣味の写真は、最新のデジタル一眼レフよりも、フィルムを惜しんで1枚1枚丁寧に、単体の露出計で光を計りながら(つまり、おそろしく時代遅れな作法で)撮る方が、腑に落ちるのかもしれない、と思った。実は昨年からずっと大口径の50ミリレンズが欲しいと思っていたのだけれど、昨日使った古い50ミリも、濃く柔らかい描写が実に心地良かった。大事に使おう。

帰宅してまた少しさらってから、以前聴いたのがいつか覚えていないくらい久しぶりに、ヨハンナ・マルツィの弾くシューベルトやバッハを聴いた。弦楽器のぬくもりは素晴らしいと感じたし、やっぱりこの人のヴァイオリンは好きだと思った。自然な楽器の鳴り方、それを実現する弾き方が目に見えるようだった。
明日もいい練習をしよう。

2015年2月 1日 (日)

今日2月1日イギリス館での公演、多くの方々にお越し頂き、本当にありがとうございました。

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よく日の入る明るい会場で、特に15時半からの回は、刻々と変化する日差しも印象的だった。

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