新緑
このところの初夏のような陽気に、もうすっかり色が濃くなってしまったけれど、新緑の時期が好きだ。
先日の都響定期演奏会、プログラムの後半はブラームスの2番の交響曲だった。この2番の交響曲は春だと思う。萌え出づる若葉の色だ。弾いていて幸せになる。
3番の交響曲は秋だと思う。曲の終わり、冒頭の主題が回想されて静かに終わるところ、弦楽器にモザイクのような音型が与えられていて、それは秋の夕暮れ、陽の光が木々の葉を通して、輝き、沈んでいくさまのようだ。
同じ日の演奏会の前半はデュティーユの交響曲第2番「ル・ドゥーブル」。(デュティユー、と表記した方が発音に近いのだろうか)
始まってすぐ、バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」にそっくりな部分があるし、しばらくいくと「火の鳥」が聞こえてくる。これは作曲家が意図してのことなのか、図らずもそうなったのかはわからないのだけれど。
その似ている部分の話をある人にしたら、彼はさらにバーンスタインのウェストサイドストーリーとの関連を指摘してくれた。なるほど。
このデュティーユの交響曲の初演は1950年代終わりのボストン交響楽団。当時バーンスタインの音楽はアメリカを席巻していたのかもしれない。