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2015年5月

2015年5月28日 (木)

新緑

このところの初夏のような陽気に、もうすっかり色が濃くなってしまったけれど、新緑の時期が好きだ。

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先日の都響定期演奏会、プログラムの後半はブラームスの2番の交響曲だった。この2番の交響曲は春だと思う。萌え出づる若葉の色だ。弾いていて幸せになる。

3番の交響曲は秋だと思う。曲の終わり、冒頭の主題が回想されて静かに終わるところ、弦楽器にモザイクのような音型が与えられていて、それは秋の夕暮れ、陽の光が木々の葉を通して、輝き、沈んでいくさまのようだ。

同じ日の演奏会の前半はデュティーユの交響曲第2番「ル・ドゥーブル」。(デュティユー、と表記した方が発音に近いのだろうか)
始まってすぐ、バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」にそっくりな部分があるし、しばらくいくと「火の鳥」が聞こえてくる。これは作曲家が意図してのことなのか、図らずもそうなったのかはわからないのだけれど。
その似ている部分の話をある人にしたら、彼はさらにバーンスタインのウェストサイドストーリーとの関連を指摘してくれた。なるほど。
このデュティーユの交響曲の初演は1950年代終わりのボストン交響楽団。当時バーンスタインの音楽はアメリカを席巻していたのかもしれない。

2015年5月21日 (木)

ふわっと

昨日はギターの松尾俊介さんと小さな演奏会。小さかったけれど僕にとっては盛りだくさんで、けっこうがんばった。バッハが自由に弾けたことや、ニャタリのソナタの感じが少しつかめたことがうれしかった。ニャタリの音楽は詰めていくばかりではなく、思わぬところでふわっと緩んでボサノヴァのようになる、そういうところが楽しい。こうした緩み方は西洋のクラシック音楽にあっただろうか。
松尾さんには感謝するばかり。

今日は休み。朝からぼんやりしては本を読み、読んではぼんやりし。今読んでいるのはウラジーミル・アルセーニエフ著「デルスー・ウザーラ」の河出文庫版。知られた本のはずなのに出版元品切れで入手難。父に頼んで実家にあるものを送ってもらった。
話しに違わないおもしろさ、あっという間に読み進んでしまうけれど、そのことが本当にもったいない。

先日読んだ週刊文春連載、平松洋子さんのエッセイは京都のいり番茶についてだった。どうも気になるので、今日求めに出かけた。
一保堂でサンプルの茶葉の匂いをかがせてもらうと、思わず声が出た。大丈夫ですか?と聞かれ、試してみます、と答えたら、匂いが強いからと袋を2重にしてくれた。
はたして、飲んだことのない味だった、というより匂いかもしれない。古寺の仏像に近づいた時の匂いに似ている気がする。不思議とすっきりした後味に、うーん、これは癖になるのだろうか。

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