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2015年6月

2015年6月28日 (日)

「新鮮で輝かしく」

少し前、駅の近くで烏が針金でできたハンガーをくわえているのを見かけた。それから駅に向かう度に気にするようにしていたら果たして、木の上に何本もハンガーを使った烏の巣を見つけた。あまり居心地寝心地がいいようには思えないけれど、今頃あの巣では雛が育っているのだろうか。
ところで、巣の近所では、物干しから1本、また1本とハンガーが消えていく家があったんだろうなぁ。

ずっと以前、飲み残された缶ジュースを、烏が倒してこぼしてから飲む姿を見て以来、とても賢い生き物だと思っている。ただ、どちらかと言えば雀の方が可愛いと思う。今日、雀の声が意外に美しいことに気付いた。

6月25日の日経新聞夕刊に掲載された舘野泉さんの「鳥たちの季節」という文章から。

「大阪での演奏はバッハ-ブラームスのシャコンヌから。私は自分の裡にどうしてもバッハを受け入れられなくて、生まれて初めて弾いたのが左手のピアニストとして聴衆の前に立った67歳の時である。でもそれからの10年間で500回は演奏しているだろう。そんなに演奏して飽きませんかと聞かれるがとんでもない。一回一回が今生まれたばかりのように新鮮で輝かしく、驚きと喜びに満ち溢れている。私は完全とか完璧といわれるものには興味がないし、花はその瞬間瞬間の光で姿は変えながらも生き生きと輝いているのが素晴らしいと思う。」

2015年6月 5日 (金)

「常に新鮮で」

日経夕刊の連載「あすへの話題」、6月4日に掲載されたピアニスト舘野泉さんの文章から。

「でも、私は毎日ラヴェルが弾けて本当に嬉しかった。楽しかった。大変な重力もかかるが、一方で思いきり楽しんで口笛を吹くような楽想もある。身も心もいっぱいに開きはなち、踊りだしたいような曲想もある。その後で音楽は再び気を引き締めて立ち向かわなければならない強靭そのものという姿を見せ、体操の世界チャンピオン級の物凄い技も見せるが、それは楽しく楽でなければ出来ないこと。歯を食いしばってやるものではないのだ。つまり、それが特別な次元でなく、日常生きて毎日繰り返されることで、しかも毎日新しく生まれることでなければならない。一日一日が常に新鮮で蘇っていなければ、誰が人の演奏に付き合ってくれるだろう。」

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