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2015年7月23日 (木)

「道は」

本棚には読まずに忘れていた本が何冊もあった。その一つがダーウィンの「ビーグル号航海記」上巻。

これは多分20年前の夏ヨーロッパに1ヶ月半滞在した際、途中で読むものがなくなって、父に何でもいいから送ってほしい、と頼んだ時の1冊だと思う。
(あの頃、読み古されてぼろぼろになった少し前の週刊文春が、日本人旅行者の手から手へと渡っていたりした。今そんなことはあるだろうか。)

その「ビーグル号航海記」がおもしろいので同じ岩波文庫で中、下巻を、と思ったらなんと絶版だった。
大手インターネット通販サイトで調べたら、送料の方が高いくらいの値段で何冊も出品されている。でもこんな時こそ古本屋だろう、と都心の古書店街に出かけた。

まず岩波書店の出版物を多く扱う店に入ると、確かにあった。いずれも3冊組で、きれいなものには¥2,500、古いものには¥1,500の値札が付いている。聞くと分売はしないという。上巻は持っているこちらの事情を話すと、それなら別の店を探してみては、とやはり岩波文庫を多く扱う店を親切に紹介してくれた。

そちらの店の書棚に目当てはなく、尋ねると無言で店主が奥から3冊組の「ビーグル号航海記」を出してきて、本当は¥4,500と言いたいところだけど¥3,000で、と言われ、店を出た。

僕は個人が経営する個性的な店が好きだし、そういう店が繁盛してほしいと思う。でもインターネットで簡単に情報を得られる今は難しい時代だなぁ。
その日複雑な気持ちだった。結局大手サイトに出品している関西の古書店に中、下巻を注文し、果たしてかなりきれいな本が届いた。

今読んでいるのは宮本常一著「家郷の訓」(かきょうのおしえ)。その中から

『・・・ 道を歩くのさえうかうかと歩いてはならなかった。いつも母から「道はアングリアングリあるくものではない」と言われた。道のシャンと歩けぬようなものは、人の上に立てぬ。道を歩いている姿が一番人の眼につくものである。これは今考えてみてもむずかしいことである。そうして道のシャンと歩けるようなものは仕事をきちんとする人である。』

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