8月24日信濃毎日新聞に掲載されたドナルド・キーンさんの記事から。
「1940年は非常に悪い年でした。・・・・・ 軍隊がどこへ進んだとか、どこの村がドイツのものになったとか、新聞を読むのがつらかった。
そんな年でしたが、ある日、偶然、ニューヨークで安い2冊の源氏物語を買いました。もちろん英訳でした。歌を詠み、着物や花があり、全く違う世界。非常に憂鬱だった時、源氏物語という美しい本に出合いました。
私は日本語を勉強したいと思いました。翌年の日米開戦後、海軍日本語学校に入りました。・・・・・」