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2015年10月13日 (火)

「いちばん濃い時間を」

先日、日経新聞夕刊に西岡直樹さんの記事が掲載されてとても興味深かったので、著作を図書館で借りて読んだ。その「インドの樹、ベンガルの大地」から。(残念なことに品切れで書店では手に入りにくいようです)

「それにしても、日本での私たちの暮らしを振り返ると、豊かな暮らしを享受しているはずの私たちが、まだ起こるとも起こらないともわからない漠然とした将来の不幸に対する不安から、「生」が実践される今という時を、ほとんどその保障のためにあてがっていることに気づく。」

「ここではなにをするよりも、ただ雨期の空をながめ、わきたつ雲がニムの梢の上を少しずつ形を変えながら西の方へ動いて行くのを見送ったり、昼下がりに退屈そうに鳴くニワトリの声や、屋根の上で騒いでいるムクドリの声に耳を傾けながら、ぼーっとしているのがいちばんいい。そんな時がいちばん濃い時間を過ごしているように思えるのだ。」

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