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2016年4月

2016年4月23日 (土)

京都へ。
昨日は午後からのリハーサルだったので、午前中三十三間堂を訪れてから(修学旅行のシーズンだ)、向かいの京都国立博物館「禅」展まで足を伸ばした。ゆっくり見る時間はなかったけれど、素晴らしい展示だった。江戸時代に印刷された臨済録が開かれていて、その中に
「無事是貴人 但莫造作」
の言葉を見つけた。

京都の新緑は本当に美しい。この季節に来たことはなかったのかもしれない。ホールを1歩出るとやわらかに輝く緑にあふれ、幸せだった。
今日、室内楽の本番。思うようにならなかったこと、反省することはある(思ったよりよかったことも、きっと少しはある)、とにかく一息つこう。たくさんの懐かしい方々に会い、終演後新幹線で帰京。

2016年4月19日 (火)

先日読み終えたのはC・マクドゥーガル著「ナチュラル・ボーン・ヒーローズ」。そして今はディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」を読んでいる。(サリンジャー著「キャッチャー イン ザ ライ」(ライ麦畑でつかまえて)、冒頭のパラグラフで出てくるあれだ)

こんなにおもしろいとは。久しぶりに読み耽る、という言葉がぴったりな本に出会った。親切な人も、憎たらしい奴も、それぞれの登場人物が実に魅力的に描かれている。150年以上前の人間は、今よりはるかに不便で情報の少ない生活をしていたはずなのに、僕たちよりずっと生き生きしているように見える。
ノンフィクションを読むのは楽しいし、すぐに役立つこともある。でも人間が作り出したフィクションの世界には、なぜだろう、心が温かくなる何かがある。それは音楽や美術にも通じるものかもしれない。

デイヴィッド・コパフィールドにはKindle版がないので、紙の本を図書館で借りてきて読んでいる。挿絵もいい。もうすぐ第2巻は終わりそう、でも抜かりなく先回りして第4巻まで借りてある。岩波文庫版で全5冊、溢れている本棚をさらに圧迫するけれど、手元に置いておきたくなる本かもしれない。

部屋の外に出ると新緑が美しい。郊外でも、近所の小さな公園でも、境内にある1本の木でも、柔らかな緑に見いってしまう。


Shinryoku


2016年4月13日 (水)

昨日の都響定期演奏会はストラヴィンスキープログラムで、指揮は引き続きロトさんだった。

彼の素晴らしいのはオーケストラに発散を求めるところだと思う。簡単に言うと、後先考えずはじけてしまえ、ということだ。
オーケストラは複雑な集合体で、様々な発音原理を持つ様々な楽器が、かなり広い空間で一緒に何かをしようとする。経験を積むにつれ、全体の中の自分の役割がどれ程のものなのか見えるようになり(それは往々にして小さく、時として大きい)、気ままに振る舞える場はあまりないことがわかってくる。そして緻密なアンテナを張るようになり、自分をコントロールするようになる。

けれど、聴く人にまっすぐ届くのは無垢な心から発せられた音楽だと思う。そこに若者の魅力があり、経験を積むことの難しさがある。
ロトさんはいつの間にか抑制と謙譲の美徳でぐるぐる巻きになっていた僕たちを解放してくれた。また来てほしい。

今日は休み、新宿御苑に出かけた。まだまだ桜がたくさん咲いていて、花吹雪も、多彩な色合いを見せる新緑も美しかった。いい季節になった。

2016年4月 9日 (土)

楽しみにしているラジオ番組はいくつかあって、その放送を待つ気持ちはテレビ番組の比ではないかもしれない。(ブコウスキーの著作でも、トレヴェニアンの「パールストリートのクレイジー女たち」でも、当時彼らがいかにラジオを大切にしていたかが書いてあってうれしかった)

土曜夜は19時から「相談は踊る」http://www.tbsradio.jp/sd/
2時間番組なので録音して、聞けるときに聞くのだけれど、寝る前だと笑い過ぎて目がさえてしまうこともある。もちろん相談内容は様々で、それにパーソナリティのジェーン・スーさんが生放送で応える。それが見事で毎週感心する。
残念ながらこの番組は今日が最終回、彼女は来週から昼間の放送に移り、大沢悠里さんのとても長く続いた放送を受け継ぐ。月曜から金曜まで彼女の放送が聞けると思えばいいのか。

2016年4月 8日 (金)

昨日4月7日都響定期演奏会の前半は、晩年のR.シュトラウスが戦争終結直前に作曲したメタモルフォーゼン。
ずいぶん前、この曲を紀尾井シンフォニエッタで演奏した時、指揮はゲルハルト・ボッセさんだった。その時の彼の、「戦争が終わった時、もう音楽はできないだろうと思いました」、という言葉を思い出す。

都響定期、後半はベートーヴェンの交響曲第3番。弾くことはまるで、壮大な物語を読み進んでいくようだった。和声進行、リズムの強調、創意にあふれた展開の仕方、・・・、挙げればきりがない。こんな音楽を書いた人がいた、というのは本当に驚くべきことと思う。
指揮は初めて来演したフランソワ=グザヴィエ・ロトさん。初日のリハーサルは細かかったけれど、説得力を持ち、熱く、自由な演奏は楽しかった。

2016年4月 2日 (土)

弦を伸ばす 6

弦伸ばし器で3週間ほど伸ばしたオイドクサは果たして、期待通りの状態になっていた。初期伸びは2日で落ち着き、音も初めから明るい。僕の使っているチェロは、G線の第4ポジションのミの音にウルフが出る。オイドクサを張るとその傾向がより顕著に出やすい。そのミやファあたりが凸凹とした感じになる。それが伸ばしておいた弦では、反応が全てのポジションで一定になり、扱いやすい。

ところで、先日ヤーガーの弦を買ったらパッケージが変わっていて驚いた。しかもこれまでなかった「CLASSIC」なんていう記載までされている。specialやsuperiorとの違いをはっきりするためだろうけれど、classicなんて言われてしまうと、確かに僕は古いものが好きで、写真もフィルムで撮るのが楽しいし・・・。
長いこと馴染んだ(もしかして30年くらいになるのかも)古いパッケージが懐かしい。

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