人間の持つ素晴らしい可能性を
一昨日仙川へ。散髪の前に学生時代から通うとんかつ屋に入り、置いてある読売新聞夕刊を開いたら、荘子の言葉が飛び込んできた。荘子は最近読み返したのに、その言葉はまったく記憶になかった。やれやれ。紹介されていたのは王帝王篇の中から。
『至人の心を用うることは鏡のごとし。将(送)らず迎えず、応じて蔵せず。故に能く物にたえて傷なわず。』
以前読み返した時、強く印象に残ったのは大宗師篇、坐忘の章といわれる部分。
『・・・復た見えて曰く、回は益せりと。曰く、何の謂いぞやと。曰く、回は坐忘せりと。仲尼しゅくぜんとして曰く、何をか坐忘と謂うと。顔回曰く、枝体を堕ち聡明をしりぞけ、形を離れ知を去りて、大通に同ず、此れを坐忘と謂うと。』
高校生の時、背伸びをしていろいろな本を読んだ。結局その時は?、という感じで読んでいたのだと思う。今になってそれらの言葉が生き生きと迫ってくる。昔の人たちは本当にすごいと思う。僕がじたばたすることは何もない。
そして、一昨日のとんかつ屋ではとてもうれしいことがあった。
昨日の都響定期演奏会のソリストは庄司紗矢香さんでデュティーユのヴァイオリン協奏曲「夢の樹」。この曲を書いたデュティーユにも、演奏した庄司さんにも、人間の持つ素晴らしい可能性を感じた。
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