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2016年12月

2016年12月31日 (土)

先月読み始めて、先頃ようやく上巻を読み終えたのが南方熊楠著「十二支考」。なかなか読み進まなかったのは数ページ読むだけで満腹するから。その度に熊楠さん、あなたはこのページを書くために一体何冊の本を読んだのですか、と聞きたくなる。信じられないくらいの情報量の中で時々絶妙な具合で脱線する。しかも、本文も脱線も実に楽しそうだ。
コンピュータなんてものが気配もなかった時代に、古今東西の話題を自在に行き来し、新しい面を見せ、統合する。大変な人がいたものだと思う。

新しい年が素晴らしい年でありますように。

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2016年12月15日 (木)

一昨日、昨日の都響定期演奏会はヤクブ・フルシャ指揮で、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲とマーラー「巨人」。

ヴァイオリンのソロはチェコのヨゼフ・シュパチェク。アンコールに弾いたイザイも含め切れ味鋭く爽快、見事な演奏だった。経歴を見るとジュリアード、カーティスで学んだとある。なるほどヨーロッパとアメリカのいいところを両方持っている、ということだろうか。
とにかく舞台に現れる時も弾き終わった時もにこにこと楽しそうだった。フルシャもそうだし、チェロのケラスもそうだった、皆ぴりぴりした感じがなく、朗らかにしている。これが彼らの素晴らしさの秘訣かもしれない。(ドヴォルザークが終わった後、都響の何人かで、我々もたとえ中身が伴わなくても、笑うことから始めてみようか、と笑った)

フルシャを見ていて感じるのは誠実さとか気高さだ。今の時代、触れることが難しく、そして最も必要とされていることだと思う。シュパチェクのような笑顔もそうだ。
フルシャの話す英語は明晰。それが一転、シュパチェクと話す時は、僕にはわからないけれどあれがチェコ語だろう、とても親密な感じになる。

これまで「巨人」は何度も弾いてきた。でも昨日の演奏はきっと忘れられないものになる。

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