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2017年3月 5日 (日)

『魚ときのこ以外では』

昨日放送されたブラタモリは奄美大島。番組の大きな軸は蘇鉄で、とても興味深かった。奄美の人々が江戸時代や戦後の食糧難を蘇鉄の実を食べて(実の毒を抜いてデンプン質を摂る)生き抜いたことを知り、驚いた。

雑誌「図書」3月号に掲載された加藤真さんの「森と水田が織りなす自然と食」という文章から。

『・・・日本列島では約3000年にわたって米を主食にしてきたと考えられているが、米が渡来する以前には、シイやクリやトチといった堅果に強く依存する生活があったと考えられる。・・・
われわれが普段食べているものの中で、この列島に自生していたものは、魚ときのこ以外ではほとんどない。主要作物の起源地を考えると、米は中国南部からインドシナ半島、コムギとオオムギはメソポタミア、アワとキビは中央アジア、トウモロコシはメキシコ、ソバは中国の雲南、サトイモは東南アジア、サツマイモは中南米、ジャガイモはアンデス山脈である。日本列島を起源とする栽培植物は、ヤマノイモとワサビ、ヤマモモくらいしかないのである(ヒエは日本が起源の可能性はあるが)。それに対して、シイやクリを含む多様などんぐりや、トチ、カヤ、オニグルミなどは日本列島にもともと自生していたものである。水田農耕よりも、焼畑農耕よりも以前に、照葉樹林とそれに隣接する落葉広葉樹林で、堅果に依存する生活が長く続いていたことは、三内丸山遺跡の出土品とも呼応している。』

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蕎麦やうどんはもちろん、米の飯も、もともと日本列島にあったものではない、ということか。普段口にする農産物の多くは、人間の手で日本列島に持ち込まれたものとは知らなかった。

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