10月14、15日の演奏会は小曽根真さんのソロでバーンスタインの交響曲第2番。
1ヵ所だけ、小曽根さんのピアノとピーター・アースキンのドラムスで短いアドリブがある。見事なもので、二人で実に楽しそうに会話をしているのが手に取るようによくわかった。それは言葉以前の、もっと心の動きに近い何か、あるいは気持ちそのものをやりとりしているようだった。
端で見ていて、一旦話が始まってしまえば、あぁ始まった、とわかるし、なるほどそうやりとりするんですね(どこにも隙間のないスリリングなものだ)ということもわかるのだけれど、そのきっかけがどう生まれているのか、いつも不思議だった。いつの間にかごく自然に始まっている。
演奏だけでなく、仕事の場にいる小曽根さんの振舞いも素晴らしいと思う。彼がそういう雰囲気でいることで周囲の人も仕事がしやすくなるし、結局それが全体の良さにつながるのだと思う。
この交響曲第2番は1949年、バーンスタイン30代初めの作曲。ウェストサイドを書く前のバーンスタインだけれど、本当に素晴らしい。音楽とは一体何だろう、そんなことを考えた数日だった。
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