11月28日の日経新聞に掲載された元サッカー日本代表、北澤豪さんの記事から、
『日本ではスポーツのステータスが低いといわれることがある。なくなっても困らないもの、と考えている人もいるような気がする。
いや、なくてはダメですよ。世の中でテクノロジー化が進み、何でもオートマチックに行われるような味気ない時代を迎えたら、人の感情を動かすもの、心を揺さぶるものがますます必要になる。
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サッカー界(スポーツ界)はその構造をピラミッド型にして描く。優れた選手にピラミッドの頂点を目指して縦に動かしていく。しかし、違う捉え方もあると感じている。サッカー界をいわば平面で捉え、網の目の構造で考えてもいいのではないか。
それぞれの網の目(地域)の中にプロサッカーも子どものサッカーもシニアサッカーも障がい者サッカーもある。その小さな網の目の中でそれぞれが交流し、選手や指導者が行き来し、つながっている感覚をつくる。そういう横の関係を築いていくと、互いに心を動かされ、相手を称賛する文化が育まれる。
子どものサッカーでもシニアサッカーでも障がい者サッカーでも、すごいと思う瞬間がある。底辺にいる選手であろうが、そのすごさをしっかり評価し、称賛してあげたい。そういう価値観を確立していくことでスポーツ界は変わっていくだろう。』