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2017年12月17日 (日)

オットー・ネーベル展

日曜日の渋谷へ、しかも12月に行くなんてあまり気が進まなかったけれど仕方ない、寝坊せず頑張って起きて、今日が最終日のオットー・ネーベル展へ。http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_nebel/
僕のまったく知らなかったオットー・ネーベルという人が、彼の作品からだけでなく、クレーやカンディンスキーとの親交からも浮かび上がってくる展示だった。ネーベルの日記に書かれたクレー、グッゲンハイムにネーベルを推薦するカンディンスキーの文章など、クレーやカンディンスキーもどんな人たちだったのか、浮かび上がってくるようだった。ネーベルの日記には気付かされる文章がいくつもあり、もし出版されているのなら読んでみたいと思った。
ネーベルの作風は時代によって大きく変化し、一人の人の様々な局面を見るようで興味深かった。ネーベルもクレーも同時期にスイスのベルンで暮らしている。昔、まだベルンに新しいクレーの美術館ができる前、僕はベルンの近代美術館にクレーの素晴らしいコレクションを2度ほど見に行った。繊細で綺麗な作品が最晩年の強く深い絵に変わっていくのは、何度見ても心動かされる経験だった。今思えば、あの美術館にはきっとネーベルの作品も展示してあったのだろうと思う。

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94年にミュンヘンのコンクールを受けに行った。ミュンヘンに着いて手続きをしに事務局に行き、自分の順番を探すとなかなかない。なんと初日の一番に名前があり、理由を尋ねると、今年はアルファベットのHから始める、ということだった。ミュンヘンまで来て悪い冗談にしか思えなかったけれど、状況は悲惨であればあるほど昔話としてはおもしろい。とにかく弾いて、当日の午後には午前中の結果が貼り出される。見事に予選落ちし、結局それから毎日1次予選、2次、3次、本選と全ての演奏を聴いた。(予選の期間中に自分の演奏の講評を審査員のウォルフガング・ベッチャーさんに伺ったら、ちょっと待って、とメモを取り出して、君の演奏はここが良くてここが良くなかった、と的確にとても丁寧に話してくださった。)
本選には3人が残り、結果は1位ハンス・ペーター・マインツ、2位タチアナ・ヴァシリエヴァ、3位ターニャ・テツラフ。3人とも活躍しているから、レベルの高いコンクールだったのだな、と思う。実際素晴らしかったもの。本選のオーケストラはバイエルン放送響。ARDのコンクール本選はバカンス明けの仕事だそうで、うーんこれがあの有名な・・・、という感じだった。
初日に予選落ちして、聴く以外は時間があったので、有名なドイツ博物館とノイエ・ピナコテーク、レンバッハハウス美術館に足を運んだ。当時アルテ・ピナコテークは改修工事で閉まっていたと思う。レンバッハハウスにはカンディンスキーをはじめとして「青騎士」のコレクションがあり、それらを見たことを、今日のBunkamuraの展示を見ながら思い出した。クレー、カンディンスキー、ネーベル、彼らがなぜ素晴らしいのか、様々な国や時代に思いをはせる時間だった。

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