短篇
昨晩、何とはなしに借りてきたレイモンド・カーヴァーの短編集「大聖堂」を読んだ。これまで短編をおもしろいと思ったことはなかったのに、一息に読んでしまった。幸せになるわけでも、冒険があるわけでもなく、どちらかというと辛くなるような話ばかり、でもどうしてひきこまれてしまったのだろう。
今日、車窓を流れていく景色をぼんやり眺めながら、小説も人の心のどこかを動かす、形にできない何か素晴らしいアイデアのようなものなのだろうか、と思った。
夜テレビを見ていたら、ものすごい雷が鳴り始めた。空の暗くなる暇がないほど、常に光って雷鳴が聞こえる。衛星放送は映らなくなり、部屋の電気を消して稲光を見ることにした。時間がたつのを忘れて見入ってしまう。一筋の光が近所の、工事現場のクレーンに落ちて、そのクレーンが倒れたように見えた。
今は雑誌「Monkey」vol.15、アメリカ短編小説の特集を読んでいる。真ん中あたりにブコウスキーの短編が出てくるけれど、まずは冒頭のジョン・チーヴァーから。