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2018年9月23日 (日)

「顔たち、ところどころ」

先日、公開されて間もない映画「顔たち、ところどころ」へ。www.uplink.co.jp/kaotachi
87歳の映画監督アニエス・ヴァルダと写真家JR(33歳)のドキュメンタリー。JRの運転する車の後部は、駅にある証明写真撮影のスペースのようになっていて、車体側面からは大きく伸ばされた写真が出てくる。二人がこの車でフランス各地を回り、人々を撮影し、建物や壁などに貼っていく。
突飛な行動のようだけれど、自分が写った写真が建物に貼られていく、ということが人々の心を揺さぶっていることが、よくわかる。実物以上に大きな写真が貼られた建物はそれ自体何かを語るようだし、見たときの人々の変化、感情がこみ上げて泣いたり、恥ずかしがったり、好感を持ったり、そうしたことに心打たれる。もう一つの大きなテーマは、二人がゴダールに会いに行く、というもの。映画は軽妙、抜群のテンポ感だった。編集も見事。楽しく、苦い。
それにしても、大きく伸ばした写真を建物に貼っていく、ということをフランスの人たちはごく自然におもしろがっていたけれど、他の国ではどうだろうか。

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毎年夏に行われる大きな自転車レース、ツール・ド・フランス。平坦なコースでのスプリント競争は強烈、でもなんといっても山岳ステージが魅力だ。選手たちのスピードが落ちるきつい登りでは、熱狂する多くのギャラリーが、ほとんど走路妨害というくらいにコース上に出て待ち受け、おそらく選手たちに触っているし、峠を越えた後の下りは、つづら折りの、ガードレールなんてどこにも存在しないコースを、90キロ近いスピードで飛ぶように降りて行く。
ステンドグラスでも有名なパリの老舗百貨店の屋上は、都心で眺望が良いのに空いていて、穴場だと思う。街がよく見える理由の一つは、屋上の縁に視界を遮るものがないこと。短い棒が何本か立っていて、ここから先に行くとどうなるかはわかっているよね、という感じだった。東京都心の百貨店の屋上には、まるで動物園のオリの内側にいるかのように、高く堅牢な柵が立っている。
東京五輪の自転車ロードレースのコースが発表になった後(大変なコースらしい)、自転車好きのKさんと、そのコースは彼の自宅近くも通るのだけれど、登りの頂点に近いところで待っていて、はたして選手を間近でみることはできるのだろうか、という話になった。

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