‘when September ends’
アマチュアオーケストラの合宿に参加し、帰る日は台風が近づいていた。標高の高いその場所から最寄りの中央本線の駅まで車で送ってもらった。出発してから、運転するT君が、「中央線ではなく、長野新幹線の駅に出ることもできます。昨日調べておきました。どうしますか?」と言ってくれたことに、僕は感心してしまった。強まる風雨の中、「あずさ」はいつまで動くだろうか、あるいは、特急が止まっても各駅停車は動くだろうか、そのくらいのことは考えていたけれど。自分が20代前半の時、こういう考えは到底出てこなかっただろうと思う。遅い時間の特急は運休、幸い予定より1本早い「あずさ」に乗ることができた。
このときの台風や、続いた地震の報道に接して、信頼している生活の基盤が、残念ながらもろいことを感じずにはいられなかった。彼のような発想はきっと大切だ。
その前夜、Oさんが、一日オーケストラを弾いていると、ロックを大音量で聞きたくなる、と言い、確かに、と思った。
帰宅して久しぶりにGreenDayのアルバムを出し、'Wake me up when September ends'を聴いている。冒頭はこんな歌詞だ。
'Summer has come and passed
The innocent can never last
Wake me up when september ends'
東京もいつの間にかセミが鳴かなくなり、秋の虫の声が聞こえるようになった。
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