乾電池を使うラジオ
8月の旅、石打の宿で小さな携帯ラジオのダイヤルを回していたら不思議なことがあった。夜、NHK第一放送を探したのだけれど、近い放送局の電波をうまくつかまえられず、周期的な雑音の隙間から聞こえてきたのは中国地方のニュースだった。新潟県の山あいで広島放送局の電波を受信した、ということだろうか。NHKの電波より、外国の放送局の方がよく聞こえていた。その一つが中国、北京の日本語放送。日本のある政党の議員団が北京を訪問した、というニュースを伝えていた。夜は遠方の放送を聞くことができる。名古屋にいた小学生の頃、やはり夜にラジオのダイヤルを回していたらモスクワの日本語放送が流れてきたことを思い出した。
9月1日に放送されたNHKスペシャルは停電を扱ったものだった。昨年北海道で起きた大規模な停電は首都圏でも起こり得る、もし起きたら、という内容だった。先日の台風15号が過ぎた後、なかなか復旧しない停電の報道に接して、その放送の内容を思い出さずにいられなかった。
充電環境の必要なスマートフォンや、そのための基地局など、当たり前と思っている情報にあふれた生活は、実はもろい基盤の上に立っていると思った。残念ながら台風は毎年やってくる。乾電池を使う昔ながらのラジオは、長い時間聞くことができ、おそらく全ての放送局が駄目になることはなく、たとえ大規模な停電が起きても情報を手に入れることができる。
もしお持ちでなかったら、家に一台置いてみてはいかがでしょう。
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