4月の日経新聞から
4月をふり返ってみる。
4月8日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの変異型は次々と見つかり、世界ですでに千以上に分岐している。多くは自然に淘汰されるが、一部は感染力が強まったり、重症化しやすくなったりした恐れがある。・・・
ウィルスは人に感染して増える際、遺伝子の複製ミスを起こす。新型コロナでは平均約15日に1カ所の割合で変異ができるという。・・・』
4月20日日経朝刊から、
『世界で新型コロナウィルスの1日当たりの新規感染者数(7日移動平均)は17日に76万6000人超と過去最多となった。感染力が強い変異ウィルスが猛威を振るい、新興・途上国を中心に感染者数が急増している。・・・
米ジョンズ・ホプキンス大が日本時間19日正午までに更新したデータによると、世界の新型コロナの感染者数は1億4000万人を超え、死者数は301万人に上る。1月中旬から減少に転じた世界の新規感染者数は3月から増加に転じ、鈍化する兆しはない。・・・』
4月28日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの新規感染者が世界最多に増えたインドで、医療システムが崩壊する危機に直面している。コロナ患者を受け入れる病床が足りないほか、治療に使う医療用の酸素不足で死者が急増した。重症の患者に酸素を高額で売る「闇取引」も横行し始めた。』
4月10日日経朝刊から、
『国内の新型コロナウィルス感染者は9日、全国で3日連続となる3千人超の感染者が確認され、累計で50万人を超えた。』
4月27日日経朝刊から、
『国内で新型コロナウィルスの感染が確認された死者数が26日、1万人を超えた。初の死者から5千人を超えるまで1年弱だったが、年明けに感染者が急増し、約3カ月で死者数は倍増した。年代別では高齢者が多いが、変異ウィルスは高齢者以外も重症になる恐れがあり、警戒が必要だ。』
4月27日日経朝刊から、
『日本経済新聞と英フィナンシャルタイムズの共同集計でコロナワクチン接種は25日までに世界で10億回を超えた。1回以上接種した人はイスラエルで約6割、英国では約5割に達した。感染拡大しにくくなる「集団免疫」に必要な人口の7割以上の水準に近い。両国では段階的に経済や社会活動が正常化に向かいつつある。・・・
・・・
ワクチン接種が進んでいても感染抑制につながっていない地域もある。米国は1回以上接種を受けた人の割合は4割に及ぶが、1日あたりの新規感染者数(7日移動平均)は6万人前後にのぼり、直近2ヶ月間は横ばいだ。接種が進んで免疫を持つ人が増える前に経済活動の再開が進んだ影響とみられる。・・・
・・・
日本はまだ米ファイザー製のワクチンしか承認していない。一人2回の接種のうち少なくとも1回を終えたのは180万人ほどしかいない。人口比の普及率は1%超で、アジア全体の4%からも取り残されている。・・・』
4月22日日経朝刊から、
『全人口の約3割がワクチン接種を終え、2020年12月に外出規制などを一部緩和したチリは世界的に「優等生」とみられてきた。ところが、足元では新規感染者数が再び拡大し、3月後半からは首都サンティアゴなどで事実上のロックダウンに踏み切った。
緩和後に外出する人であふれた観光地のバルパライソ州の保健当局者はメディアに対し、「感染リスクがなくなったと認識して対策を緩めた。それが最悪の事態を招いた」と語った。再拡大の原因は使用した中国製のワクチンの有効性の低さが影響しているとの見方もある。』
4月28日日経夕刊から、
『米疾病対策センターは27日、新型コロナウィルスワクチンの接種を完了した人は、屋外でマスクを着けなくてもよいとする指針を発表した。スポーツ観戦など混雑した場所を除く。ワクチン接種が進み、感染者が減っているためだ。』
4月23日日経夕刊から、
『フランス政府は22日、新型コロナウィルス対策を5月3日から緩めると発表した。感染「第3波」がピークを越えたとみられるためで、必要不可欠な場合を除き禁止していた国内の長距離移動を認める。感染者数は依然として1日あたり3万人以上と多いが、経済の再開を優先した。』
4月12日日経夕刊から、
『高齢者を対象にした新型コロナウィルスのワクチン接種が12日午前、全国各地の市区町村で始まった。約3600万人が対象だが当初は供給量が追いつかないため、同日は30以上の都道府県にある一部自治体で予定。・・・』
4月21日日経朝刊から、
『・・・
国内の接種は2月17日から4月4日までに計109万6698回。最も心配されるアナフィラキシーという重いアレルギー反応が出たのは79件だった。各会場で事前の備えもあり、ほぼ全員が回復した。・・・
・・・
先行接種した医師や看護師ら2万人の記録によると、37.5度以上の発熱は3.3%。2回目の接種を終えた1万5千人では38.1%に上った。接種箇所の痛みは9割以上に達する。・・・
ワクチンの必要性自体は論をまたない。発症や重症化を防ぐ効果は国内外の臨床試験や医療現場の多くのデータで明らか。「てんびんにかければ、打つリスクより打たないリスクが高い」と厚生労働省は説明する。
課題は丁寧な発信だ。東京都の2~3月の調査ではワクチンを受けない理由に副反応を挙げた人が最も多かった。・・・』
4月21日日経夕刊に掲載された東京大学特任教授、中川恵一さんの記事から、
『3月18日、東京大学病院で新型コロナの初回のワクチン接種を受けました。以前、書いたとおり、翌朝から打った左肩が痛み始め、翌日午後にピーク(非常に痛かった)で、2日目には消えました。
4月8日に2回目の接種を受けました。注射したところの痛みは前回ほどではありませんでしたが、翌朝からだるさがあり、体温を図ってみると38度以上ありました。
風邪とちがって、せきやのどの痛みなどは一切なく、ただ体温だけが上がっている状態でした。幸い、その日の夕方には平熱に戻りました。・・・』
4月13日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスのワクチンを2回接種した人のコロナへの感染例が石川県で確認された。・・・3日に2回目の接種を完了していた。』
4月28日日経朝刊から、
『東京都は27日、都立学校周辺の下水から新型コロナウィルス遺伝子を検出したと発表した。都は感染状況を把握するため4月中旬から都内10カ所で下水を採取しており、うち1カ所で検出した。変異ウィルスではなかった。都は採取地域にある学校の生徒や教職員にPCR検査キットを配り、検査してもらう。』
4月20日日経朝刊から、
『理化学研究所の渡辺力也主任研究員と東京大学の西増弘志教授などのグループは、半導体製造技術を応用して製造したチップを使って、新型コロナウィルスを5分以内に検出できる新技術を開発した。PCR検査のように唾液などの検体からウィルスの遺伝子を精製・増幅する必要がなく、コストも同程度に抑えた。
2021年度内に企業と連携して全自動化した小型装置を作り、22年度から臨床現場での実証を目指す。』
4月28日日経朝刊から、
『川崎重工業はロボットによる新型コロナウィルスのPCR検査サービスを始める。1基あたり1日2500件さばけるシステムを開発、2022年3月までに繁華街や空港などで最大50基程度の稼働を見込む。フル稼働時の処理能力は1日12万件を超え、足元の全国のPCR検査数を上回る。・・・』
4月10日日経朝刊から、
『子どもが生まれる数(出生数)が世界で急減している。新型コロナウィルスで経済状況や将来への不安が広がったとみられ、コロナ禍の影響が測れる昨年12月から今年1月、多くの国で出生数は10~20%落ち込んだ。世界全体でこの流れが定着すれば、持続的な成長への足かせになる。』
4月26日日経夕刊から、
『スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は26日、2020年の世界の軍事支出が1兆9810億ドル(約214兆円)だったと発表した。新型コロナウィルスの感染拡大で世界がマイナス成長に陥る中、実質ベースで前年から2.6%増えた。』
4月23日日経朝刊から、
『アジア各国で大気汚染が再び悪化しつつある。新型コロナウィルス対策による経済活動の停滞で一部では改善したが、感染を抑制した中国などでは悪化の兆しが出ている。汚染は人々の健康を損ない、経済に打撃を与える。・・・
・・・
世界保健機関(WHO)はPM2.5濃度の安全基準を年平均で1立方メートルあたり10マイクログラム以下と定めるが、世界でこれほどきれいな空気を吸っている人々は8%に満たない。・・・』
4月6日日経朝刊から、
『プラスチックゴミなどが壊れてできる5ミリ以下の微少なマイクロプラスチックが世界各地の魚介類に含まれていたとの調査結果を、英ハル大などのチームが4日までにまとめた。
人間は食事を通じて1人当たり年間5万個を超える微少プラを摂取している恐れがある。チームはシーフードを好んで食べる日本の摂取量は最大13万個に及ぶと推定。専門家は「人の健康への影響を評価すべきだ」と指摘している。』
4月22日日経夕刊から、
『国際航空運送協会は21日、2021年の世界の航空需要が新型コロナウィルスが広がる前の19年と比べ57%減になるとの見通しを発表した。20年12月時点の予測(49%減)から下方修正した。ワクチンの接種が遅れており、回復がずれ込んでいる。』
4月27日日経朝刊に掲載された星野リゾート代表、星野佳路さんの記事から、
『・・・ワクチン接種が進んだ米国や英国では行動制限解除を見越して旅行予約が回復している。日本でも接種が進めば上向くだろう。需要は2023年にはコロナ前の水準に戻るとみている。・・・』
4月22日日経朝刊から、
『新型コロナウィルス禍以前より愛犬が甘えるなど、普段の行動に変化があったと答えた飼い主は5割超-。犬の情報サイト「INUNAVI」が飼い主を対象に調査したところ、こんな結果が出た。担当者は「在宅勤務など飼い主の生活変化が何らかのストレスを与えている。ペットの心身の健康に注意を払ってほしい」と呼び掛けた。』
4月16日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染が止まらない関西で15日、大学が授業を対面からオンラインに切り替える動きが広がった。』
4月21日日経朝刊から、
『英国型の変異ウィルスが猛威を振るう大阪府で休校が相次いでいる。英国型は大人だけでなく、これまで感染しにくいとされた子供の感染も目立っており、4月の大阪府内の小中学生の感染者は13日時点で222人と、すでに3月中(146人)の1.5倍に達している。』
4月27日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言を受け、東京都内の大学がオンライン授業を拡充し始めた。対面授業の本格再開から1カ月足らず、若者の感染が目立つなか、方針転換を余儀なくされた。・・・』
4月14日日経夕刊から、
『国際オリンピック委員会は13日、新型コロナウィルスの影響で延期となった東京五輪の開幕まで14日で100日となるのを前に、コーツ調整委員長のインタビュー映像を公開し、準備状況を監督する同氏が「大会は必ず開催され、7月23日に始まる。ちゅうちょなく言える。予定通り行われる」と断言した。・・・』
4月15日日経夕刊から、
『自民党の二階俊博幹事長は15日、TBSのCS番組収録で東京五輪・パラリンピックの中止が選択肢になり得るとの考えを示した。開催に新型コロナウィルスの感染拡大を心配する声があるとの指摘に「これ以上とても無理だということだったら、すぱっとやめないといけない」と語った。
「その時の状況で判断せざるを得ない」と述べた。中止の選択があるかを問われると「当然だ」と答えた。「五輪で(感染を)まん延させたということになったら、何のための五輪か分からない」と話した。・・・』
運用が始まったスーパーコンピュータ「富岳」で、人間の口から飛沫がどのように拡散するのか、見えるようになったことは素晴らしいと思う。
ワクチン接種の進まない1400万人近くが暮らす東京に、世界中から1万人以上の人が集まり、何週間も滞在するイベントが開催されると何が起きるのか。厖大な変数があり、それらをどのように計算したらよいのか想像できないけれど、そうしたことを予測するために「富岳」を使わないのだろうか。
ウィルスは人間の思惑に関係なく感染する。誰かが何かを強く言い張るのではなく、どのようにしたら安全に開催できるのか、あるいはどのくらいのリスクが予測されるのか、国中を巻き込む行事を前にして、どうしてそうした検証をしないのだろう。それとも、そうした検証はされていて、僕が知らないだけだろうか。
4月11日日経朝刊に掲載されたマイケル・サンデルさんの記事から、
『「カギは労働の尊厳の回復だろう。高い給料の仕事だけでなく、全ての仕事への尊厳を高めることが大切だ。人生で最も大きな欲求の一つは、他人に必要とされることだが、市場主導のグローバル化がもたらした不平等によって、社会の多数を占める労働者が自らの仕事に敬意が払われていないと感じている。我々は学位の有無にかかわらず、よい生活が送れる社会をつくるべきなのだ。」』
4月10日日経朝刊に掲載された国際日本文化研究センター教授、磯田道史さんの記事から、
『「ここから先は所得では測れない幸福度を作らないといけない。我々の世代では、間違いなく何でも起こりうる。苦役とされていた稲刈りをお金を払ってやるようになる可能性もある。ひょっとするとお金による繁栄の時代をホモ・サピエンスが離れ始めているのかもしれない。歴史家からすると、その入り口を見ているのかもしれない。」』
4月5日日経夕刊に掲載された臨床心理士、武野顕吾さんの記事から、
『結果は大事です。ただ逆説的ですが、結果を出すためには、結果を出すという意識を一旦脇に置くことが重要です。結果という狭い針の穴に自分という糸をうまく通そうとすると、縮こまってしまいます。気付いたら通っていた、というのが本当に勝負に集中していた時の心理状態です。スポーツ中継でも聞かれる「結果を出す」というフレーズが、かえって我々の心を縛ることもあるのです。
僕は「緊張しないように」というアドバイスより、目の前の勝負に没頭できるかを重要視します。「普段通り」「練習通り」も同じです。世界一を決める舞台と普段の練習とでは、緊張状態が違って当たり前です。』
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