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2021年12月31日 (金)

『予測不能だとしか予測できない世界』

昨年の暮れ、2021年がどのようになるか予想した。ふり返ってみて、3つ考えたシナリオのうちの一つ、

『シナリオB:変異種が手強く、あるいはワクチンの効果が上がらず、長引く』

が近かったように思う。(2020年12月30日の日記をご覧下さい。http://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-0e0fec.html

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12月27日の日経新聞朝刊に掲載された、米疾病対策センター(CDC)前所長ロバート・レッドフィールドさんの記事が興味深かった。その中から、

『いま開発を急ぐべきなのは信頼性の高い「免疫検査」だ。私と妻は同時に接種を受けたが、抗体の量を調べたら結果が大きく違った。追加接種を時期で判断するのは無意味だ。各個人が免疫の有無を年3~4回調べて、いつ次を打つか判断できるのが望ましい。
 ・・・
 「集団免疫」は当初から新型コロナには通用しないと考えていた。感染したり、ワクチン接種を受けたりしても予防効果が長続きしないからだ。・・・
 このウィルスは人類が地球にいる限り、存在し続けるだろう。消えることはない。うまく共存する方法を学ぶことが大切だ。ワクチン、感染や免疫に対する知識、抗ウィルス薬など、我々は共存する中で対抗策を見つけていくべきだ。
 失望する必要はない。このウィルスは変化している。すでにオミクロン型は発病の方法が大きく変わり、従来の肺ではなく気管上部で複製しているようだ。最終的に喉や鼻で複製するようになれば、普通の風邪と同じようになる可能性がある。
 新型コロナと共存する手段をすべて手に入れるには3~5年かかるだろう。抗ウィルス薬の開発や検査能力が拡大すれば2022年はより平穏な年になる。ただ今後2~3年「新型コロナからどう自分を守るか」を考え続けることになる。
 新型コロナは「大パンデミック(感染症の大流行)」ではない。いまできる最も重要なことは大パンデミックへの準備だ。より深刻な呼吸器系のパンデミックに直面する高いリスクがあり、それは鳥インフルエンザの可能性が高い。』

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12月28日の日経新聞朝刊に掲載された英エコノミスト誌の記事から、

『新型コロナウィルスのパンデミックはほぼ収束に向かうのか。人々はこの1年、安定のようなものを渇望してきた。以前の生活には二度と戻れないと観念した人ですら、ニューノーマル(新常態)の到来を待ち望んだ。
 だが、2022年の幕開けが迫る中、先のことは予測不能だとしか予測できない世界にそろそろ向き合うべきだ。これから20年代が終わるまで、新型コロナの感染拡大前になじんでいた日常が戻ることはない。むしろ、混乱と当惑が続くパンデミックの時代に入る。新常態はすでに到来しているのだ。
 ・・・
 世界は今も予測不能で、その一因はパンデミックにある。マスク着用や検査、ロックダウン(都市封鎖)、渡航禁止、ワクチン接種証明入手の手続きなど、人々は2年近くも様々な制約や規制が移り変わるなかで生活している。
 新型コロナとその変異型の感染が拡大と衰退をし、こうした制約も行きつ戻りつを繰り返すだろう。それは、一定期間で流行を繰り返すエンデミックに移行する前の感染症と共生するために支払わなければならない代償である。
 しかもこうした感染症は新型コロナだけでは終わらない可能性がある。スペイン風邪が猛威を振るってから新型コロナの感染拡大まで1世紀の間隔があったが、地球を揺るがす次の病原体はさらにずっと短いサイクルで発生するかもしれない。
 ・・・ 
 90年代のようにより安定した時代の再来を願う気持ちはあまりに懐古趣味だ。先のことは予測不能だということしか予測できない今日のメリットを数え上げてみるといい。・・・
 それでも、その願望の下には、社会システムがある転換点を過ぎたら、事あるごとにこれまでの均衡状態からは遠ざかっていくという不安が潜む。従来の世界に安定をもたらしていた社会制度や考え方の多くは、新しい世界にはそぐわないようだ。パンデミックはその入り口のようなもので、一度入ったら二度と後戻りはできない。』

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予想もしなかったことが多く起きた1年だった。
オーケストラの公演にも様々なことがあった。いくつもの公演中止、出演者の度重なる変更。予定通りにその公演が終わることが、奇跡のように感じられることもあった。
12月の都響、火の鳥、ショスタコーヴィチの5番、第九、どれ一つとして変更のない公演はなかったけれど、以前のように聴衆でコンサートホールが埋まったことは本当に有り難く、印象深い演奏会となった。変化していく状況に、柔軟に対応することが求められる時になっていると思う。

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