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2023年10月

2023年10月22日 (日)

5月の日経新聞から

5月を振りかえってみる。
5月3日日経朝刊に掲載されたフィナンシャルタイムズ紙の記事から、
『人口動態の節目が歴史上、これほど重大な意味を持つことはめったにない。インドは現在、ほぼ間違いなく、隣国で地政学的なライバルである中国を追い抜き、人口が世界最多の国になった。
 国連人口基金は4月19日、長年予想されてきたアジアの二大大国の人口逆転が今年半ばに起きることを確認し、インドの人口が14億2800万人を超え、中国を約300万人上回ると予想した。』

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5月27日日経朝刊から、
『国立社会保障・人口問題研究所が4月に公表した将来推計人口で、23年の日本人の出生数は最も実現性が高いとした中位推計で76万2000人。専門家からは23年に同推計をも下回るとの声が聞かれ始めた。』

5月23日日経朝刊から、
『総務省によると、2022年10月1日の総人口は1億2494万7000人で、前年に比べ55万6000人減少した。これは鳥取県の1県分の人数がまるごと減った計算となる。』

5月18日日経朝刊から、
『「生涯未婚率」が年々上昇している。50歳の男女のうち一度も結婚したことのない人の割合を指し、2020年は男性は28.3%、女性は17.8%だった。・・・
 1990年は男性は5.6%、女性は4.3%だった。』

5月2日日経朝刊から、
『2022年に日本で生まれた子どもの数は79万9728人。そのうち東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で生まれたのは23万1990人で全体の29.0%を占めた。
 およそ3人に1人が東京圏で生まれたことになる。1960年ごろは5人に1人程度、90年頃は4人に1人程度だった。』

5月29日日経朝刊に掲載された日本大学教授、中川雅之さんの記事から、
『日本は急速で大規模な人口減少を、高齢化を伴いながら経験しなければなりません。そのような中で豊かな生活を享受するためには、高い生産性を保持し、イノベーションによる創造を続ける必要があります。経済学は集積の経済を発揮できる都市という環境が、生産性の確保には必須だと考えています。』

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5月3日日経朝刊から、
『人工知能(AI)の研究をけん引し、この分野で「ゴッドファーザー」と呼ばれたジェフリー・ヒントン氏が米グーグルを退職したことが1日、明らかになった。・・・
 ヒントン氏はインタビューで「悪者がAIを悪用するのを食い止める方法がなかなか見つからない」と述べ、生成AIなどの急速な普及に警鐘を鳴らした。具体的には偽情報の拡散や人間の仕事を奪う可能性に言及し、さらに兵器に転用することにより人類への脅威になる事態などを懸念した。』

5月1日日経夕刊から、
『日本を含む29カ国のジェンダー(社会的格差)などを指数化し、各国の男女約8千人の脳データを分析すると、性差が大きい国ほど女性の大脳皮質の厚みが男性より薄い傾向にあることが分かった。京都大などの国際チームが11日までに米科学誌に発表した。性差が小さい国にはこうした傾向はなかった。』

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5月6日日経朝刊から、
『脳を持たないクラゲも満腹になるにつれて食欲にブレーキがかかる ー 。東北大の研究チームは、クラゲが満腹状態になると特定のホルモンが体内で分泌され、餌を口に運ぶ触手の動きを抑えることを発見した。「必要な分を必要なだけ食べる」という食欲調節のメカニズムは人間にも備わっており「生物が脳を獲得する以前の原始的な段階から、このメカニズムが存在した可能性がある」としている。』
『衝動や欲求を制御できずに窃盗を繰り返す「窃盗症」患者は、客がいないスーパー店内の風景など視覚情報が引き金となり、窃盗したい衝動を引き起こしている可能性があると、京都大の後藤幸織准教授(神経学)らのチームが国際学術誌に5日までに発表した。』

5月7日日経朝刊から、
『ドイツのミュンヘン大学などのチームは冬眠中のヒグマが長期間動かずに寝ていても、血管が詰まる血栓症になりにくい仕組みを解明した。冬眠中のクマの血液では血小板の特定のたんぱく質が約50分の1に減少し、血栓ができにくくなっていた。人でも体を動かせない脊髄損傷の患者は同じたんぱく質が少なかった。たんぱく質の働きを抑えることで、血栓症の予防法を開発できる可能性があるという。』

5月30日日経夕刊から、
『人の動きやリズムが意図せず他者と同調するのと同様に、ニホンザルも相手と自然にシンクロさせる傾向があることが分かったと、生理学研究所のチームが29日付の米科学アカデミー紀要に発表した。同調に関わる神経のメカニズム解明につながる成果としている。・・・
 また、サルの群れの中の序列と同調のしやすさを調べると、序列の高い個体が相手に合わせる割合が高かった。』

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5月16日日経朝刊から、
『「セミはこんなリズムで鳴くんだね」。ヘアピン型の「Ontenna(オンテナ)」は聴覚に障害がある人でも「音」を体感できるデバイスだ。髪の毛や耳たぶに装着すれば、音を256段階の振動に変換して感じ取れる。富士通の本多達也氏の熱意から生まれたこの製品は、全国8割以上のろう学校に導入されている。』

5月12日日経朝刊から、
『シイタケを育てる過程で細かい振動を与え続けると成長が促進される ー 。そんな研究結果を、森林総合研究所東北支所などのチームがまとめたことが、11日分かった。農家は慣習的に原木などをたたいて振動させていたが、効果的な条件を科学的に実証したのは初めて。収穫までの期間短縮が期待される。』

5月19日日経朝刊から、
『住友林業や京都大学は、宇宙空間で木材が劣化しにくいことを確認した。2024年にも打ち上げる人工衛星に使って有用性を確かめる。単純な構造で故障しにくい人工衛星の実現につながる可能性がある。』

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5月23日日経夕刊から、
『「日本雁を保護する会」などは22日、絶滅危惧種のシジュウカラガンに発信器を装着して追跡する調査をした結果、越冬地の宮城県北部と、繁殖地の千島列島との間約2千キロを行き来する経路を初めて解明したと発表した。』

5月27日日経夕刊から、
『北海道で新種の鉱物が見つかり、「北海道石」と命名したと、相模中央化学研究所と東海大、大阪大の研究チームが26日、発表した。紫外線を当てると鮮やかな黄緑の蛍光を発するのが特徴だ。
 ・・・2022年に成分を調べ、紫外線により蛍光する炭化水素と突き止めた。地層中の植物の化石が地下の熱を受けてできたとみられ、同じく化石が由来とされる石油の生成の仕組みを解明する手掛かりになる可能性がある。』

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5月8日日経朝刊掲載の「春秋」から、
『政治家から庶民に至るまで、終戦時の日記集を監修した永六輔さんはその筆の多くが冷静であることに驚き、こうつづった。「戦争だろうが平和だろうが、毎日の暮らしそのものは二十四時間ずつの繰り返しで本質的には変わらないのだろうか」
 ・・・・
『「病むことにより、今までよく知らなかった自己がわかる」。100歳を超えてなお診療を続けた医師、日野原重明さんの言葉である。だから「病もまた益なのだ」と説いた。』

5月15日日経夕刊に掲載された広陵高校硬式野球部監督、中井哲之さんの記事から、
『子どもは多分、監督の背中を見て育つんです。僕の口(言葉)で育つわけじゃない。口のうまい人は世の中に多いが子どもはゴマすりみたいになっちゃいけんし。負けたときの慰めの言葉?ないです。』

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5月25日日経夕刊に掲載された星野リゾート代表、星野佳路さんの記事から、
『「組織図的なフラットさではなく、偉い人のいない会社をつくろうと目指してきました。私や総支配人ら意思決定をしている人間が偉いわけではないと言うことを、ルールではなく文化にしてきました。文化にするためには、実は形から入ることが大切です。新入社員も『さん』付けで呼び合います。私を『よしはるさん』と呼ぶスタッフも少なくありません。私も総支配人も、専用の部屋を持っていませんし、机が特別大きいわけでもありません。『偉い人信号』を出していると、フラットな人間関係からかけ離れていきます。」
「経営にはリーダー個人の資質に基づくアートの部分と、理論に基づくサイエンスの部分があります。アートの部分を極力なくし、サイエンスの部分をできるだけ大きくしていくのがリーダーの役割だと考えています」』

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5月29日日経朝刊に掲載された、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した坂本裕二さんの記事から、
『「赤信号で前のトラックが止まった。青になったのに動こうとしない。私は軽くクラクションを鳴らした。やがて動き出すと、横断歩道に車椅子の人がいた。私にはトラックで車椅子の人が見えなかったが、クラクションを鳴らしてしまった。そのことをずっと後悔していた。私たちが生きている上で見えていないものがある。それを理解していくにはどうすればよいか。そんなことを物語にしたいと思っていた」』

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