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2023年12月

2023年12月31日 (日)

2023年の公演を振りかえって (2)

今年の印象深かった演奏会を振りかえってみる。(特に記していないものは都響の公演です)

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9月23日東京芸術劇場、ローレンス・レネスさんの指揮でラフマニノフの2番など。
演奏機会の多いラフマニノフの2番、どうして皆演奏したがるのか、ずっと謎だった。この秋、教えている大学オーケストラが演奏することもあり、時間をかけてスコアを読んだ。冗長と思っていた様々なフレーズが違う姿で現れ、自分の浅はかさを知るばかりだった。

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9月18日サントリーホール、9月23日東京芸術劇場のソリストはタベア・ツィンマーマンさん、10月14日東京芸術劇場のソリストはイザベル・ファウストさん。
お二人に共通するのは素敵な笑顔。リハーサル会場に現れるだけで、こちらも笑顔になってしまう。彼女たちが高い能力を持ち、多くの経験を積んだ結果なのかもしれないけれど、良い演奏をする秘訣と思う。
もう一つ、楽器を押さえつけず、倍音の豊かな表現をすることも共通していた。

アンコールを弾いている時、タベア・ツィンマーマンさんの左手指が自然な重さで指板に乗り、その指に柔らかくヴィブラートがかかっていく様は見事だった。能ある鷹は爪を隠す、という言葉がある。9月23日のアンコールではすさまじいヒンデミットを弾き、あなたは今までずっと爪を隠していましたね、と思った。
イザベル・ファウストさんのアンコールはヴェストホフ。強靱な演奏は、揺るがない見事な音程感覚に支えられている、と感じた。

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10月7日サントリーホール、8日ホクト文化ホール、大野和士さん指揮でドヴォルザークの7番など。
奏者の自由度はほぼない、と思うくらい7番の交響曲は緻密に書かかれ、スラヴ的、宗教的な要素も強く感じられる曲だった。

プログラム前半は藤田真央さんのソロでブラームスの1番のピアノ協奏曲。静かな第2楽章では、彼の澄んだ音にオーケストラの音が寄り、整っていくようだった。そのようにすっと人の心に入っていく音があるのですね、と感じた。

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10月30日東京文化会館、オスモ・ヴァンスカさんの指揮でシベリウスの5、6,7番。
ヴァンスカさんのリハーサルは的確だった。これほどよくオーケストラの音を聴いている人はあまり経験がない。どこかのパートの音程を1箇所指摘した時、それは音楽全体への理解と、その細部が全体の中でどれほどの重要性を持っているのか、多くのことを示しているようだった。気の抜けない時間を過ごした。
こういう表現をしてよいのかわからないけれど、ヴァンスカさんはハードボイルドだった。淡々と、しなくてはならないことを進めていく。奏者が抗っても、感情を表すことなく、ゆずらないところはゆずらない。ゲネプロの進め方まで、見事な手綱さばきだった。
そうしたリハーサルの結果は、温かい血の通う見事な音楽だった。オーケストラで弾いていて、あんなに心動かされたのは初めてだったかもしれない。

舞台から見て、東京文化会館の客席は音楽を愛する人たちで埋めつくされていると感じた。胸のつぶれるような報道が続く10月下旬、音楽に携わっていられることは、信じられないほど恵まれたことなのだと思った。

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11月17,18,19日兵庫芸術文化センター、ポール・メイエさんのクラリネットと指揮で兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)、エスケシュのクラリネット協奏曲(この曲のみ指揮は阿部加奈子さん)など。
初めて弾くエスケシュ、スコアを目で追うだけで大変なクラリネットパートは、超絶技巧と思う。でもポール・メイエさんはいつも穏やか。すごいな、と思った。どんなときも心と体が柔らかで、背中の感じが変わらない。
PACには世界中から若者が集まり、メンバーは毎年変わっていく。様々なことが確立していない場でどうふるまうのか、どんなことができるか、自分に問う毎日だった。

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12月2日ミューザ川崎シンフォニーホール、再びポール・メイエさんの指揮とクラリネットで東京交響楽団のモーツァルトプログラム。
オーケストラが変わってもポール・メイエさんは変わらず、すぐに誰とでも打ち解ける。
リハーサルも優れた音響のミューザで行われ、快適だった。メイエさんの本番衣装は上着の裏地、靴の裏も赤い。そうしたことがさりげなく、お洒落でもありますね、と感心するばかりだった。

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12月初旬は、まず富国生命の主催で沖縄の支援学校、特別支援学校へのアウトリーチ(弦楽四重奏のメンバーは大和加奈さん、竹原奈津さん、千原正裕さん)。帰宅した翌日、今度は都響の小規模公演で青ヶ島へ(やはり弦楽四重奏で大和加奈さん、吉岡麻貴子さん、村田恵子さん)。

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支援学校に通う子供たちの中には、演奏会に行くことが困難な子供たちがいるかもしれない、と思い、何を聴いてもらうのが良いのか、プログラムを工夫した。
それなりに楽しく、こちらの負担の少ないプログラムはある。でも奏者が必死で弾く姿を見せることはきっと必要と思い、ベートーヴェンの初期の弦楽四重奏の一つの楽章を中心に据え、耳馴染みの良い曲からクラシック音楽の中心にあるレパートリーへ、聴く人の気持ちができるだけスムースに移っていくように組んだ。
どちらの学校でも子供たちと一緒に校歌を演奏し、それは素晴らしい時間だった。一つの学校の校歌には手拍子が入っていて、「言葉を発することのできない子供もいますから」という先生の言葉に、はっと胸をつかまれるようだった。

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青ヶ島は八丈島のさらに南に位置する人口200人に満たない島。厳しく、豊かな自然や、島の人々の間に流れる濃密な時間にほんの少しだけ触れ、そのような中で演奏できたことは、得難い経験となった。

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12月13日いわき芸術文化交流館アリオス、梅田俊明さんの指揮で、いわき市の小中学生を対象とした「ボクとわたしとオーケストラ」。
震災復興支援で始まった公演は毎年のものになっている。子供たちがオーケストラと一緒に歌う「ビリーブ」、いつも心洗われるのだけれど、その光景が4年ぶりに復活し、生き生きと歌う姿が嬉しかった。
公演の模様は来年1月28、29日に、FMいわきで放送されるそうです。

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12月19日サントリーホール、アントニ・ヴィトさんの指揮でペンデレツキの交響曲第2番など。曲の重い雰囲気は、作曲者の生きた時代を反映しているように感じる。ペンデレツキと、目の前で指揮をするヴィトさんの存在が重なり、印象深い公演となった。

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12月24日すみだトリフォニーホール、25日東京文化会館、26日サントリーホール、アラン・ギルバートさんの指揮で第九。

20年前、僕の新日フィル試用期間最初の演奏会がやはりアラン・ギルバートさんの指揮で、トリフォニーホールだった。
新日フィルにいた3年に満たない期間、右も左も分からずただ頑張っていた。誰かが頑張ってしまうと、時として演奏はスムースに運ばなくなる。当時そうしたことに考えが及ばなかった。あの振る舞いも、その振る舞いも、周りの人たちは仕事がしづらかっただろう、と思う。身にしみる経験ばかりだった。

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第九は大きな曲で、どう捉えたらよいのか、途方に暮れる年がある。一生懸命強く弾けばよい、というものでもないと思う。
今年の都響3公演、どの公演も気が付くと最後のページを弾いていた。短く感じたのは、緩徐楽章が速めのテンポだったことだけではなかったと思う。こんな僕にも何か少し、つかむものがあったのかもしれない。

新しい年が少しでも平和な年でありますように。

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2023年12月30日 (土)

2023年の公演を振りかえって (1)

今年の印象深かった演奏会を振りかえってみる。(特に記していないものは都響の公演です)


1月8日サントリーホール、小林研一郎さんの指揮でチャイコフスキーの4番など。
これまでのように強く、激しい音が求められるだろう、と思っていたら、小林さんは「そんなに強くお弾きにならないで」と仰り、驚いた。音楽の陰影がいっそう深く感じられる公演だった。

1月20日東京文化会館、ヨーン・ストルゴーズさんの指揮したマデトヤの交響曲。前半にシベリウスのヴァイオリン協奏曲があり、ソロはペッカ・クーシストさん。
シベリウスの協奏曲はヴィルトゥオーソピースで、ヴァイオリニストは鬼気迫った様子で弾く、という僕の印象を覆す演奏だった。リハーサル時のクーシストさんは、ほんの少し低めの音程で、感情的なヴィブラートはなく、一方で右手で弓のヴィブラートをかけているようにも見え、不思議な感じがした。
この日の白眉は彼がアンコールで弾いた二つの「Finnish traditional music」だったのではないかと思う。かすかに足音を響かせながら、音楽がホールに立ち昇っていく。自然な旋律と、体が動いて刻まれる拍、これがまさに音楽ですね、と感じた。
プロムスでの映像を見ると、聴衆まで巻き込む彼はただ者ではないことがわかる。

https://youtu.be/gpN2k5zz81o?si=DUMSqK3WKdpRns-Q

彼はオーケストラの演奏を興味深そうに見ていた。来年4月、再び都響に来る公演が楽しみ。

https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3776&my=2024&mm=4

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2月14日サントリーホール、ヤン・パスカル・トルトゥリエさんの指揮でフローラン・シュミットの協奏交響曲など。(ソロは阪田知樹さん)
ライブラリのIさんに「難しいよ」と言われていたけれど、久しぶりにすごいのが来た、と思った。難曲。音楽自体はロマンティックで美しい。ただ書法がとても込み入り、精密に書かれたスコアは理論的には可能だけれど、複雑な声部の重なりを聴き分けられる人はどのくらいいるだろう。
3日間のリハーサル、当日のゲネプロでも指揮者は頻繁に止め、一度も通すことなく本番を迎えた。あの日、皆が集中して演奏できたことは奇跡のようだった。

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2月23日サントリーホール、ディヴィッド・レイランドさんの指揮したシューマンの3番など。
繊細な指揮をするレイランドさん、ゲネプロではほとんど言葉を発さず、オーケストラを見事にひきつける演奏だった。

3月27、28日サントリーホール、大野和士さん指揮でリゲティ:マカーブルの秘密など。パトリツィア・コパチンスカヤさんが一大旋風を巻き起こした公演。
本番前の舞台袖で、彼女はあるオーケストラ奏者と話をしハグをした。どんな話をしていたのですか、と後で尋ねると、その奏者はヴァイオリン協奏曲で鍵となるパートを担当していたのだけれど、コパチンスカヤさんは、あなたの演奏に乗るから、と伝えたそう。常人離れした能力と舞台上での華やかなパフォーマンスの一方、このように細やかな気遣いがあることに心打たれた。

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4月13日サントリーホール、15日愛知県芸術劇場、16日大阪フェスティバルホール、大野和士さん指揮でマーラー7番。
僕にとって謎の多かった曲。少しでもその音楽に近づけただろうか。

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5月6日プリモ芸術工房、昨年に引き続き自分の演奏会。長尾洋史さんのピアノでブラームスの2番のソナタなど。
オーケストラの仕事をしていると、そこに全ての時間を使われてしまうほど広く、深い世界に入ることができる。一方、素の自分に向き合う時間も大切で、本番の舞台で自分がどうなるのか、どう動けるのか、実際に経験させて頂く機会は本当に有り難かった。
来年も5月、無伴奏のプログラムを考えています。

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5月12日東京文化会館、山田和樹さんの指揮で三善晃作品。
僕が桐朋に在学していた時の学長が三善先生。一度無伴奏の曲をレッスンして頂いたことがあり(デュティーユ:ザッヒャーの名による3つのストロフィ)、厳しい眼差しに圧倒された。卒業式での先生のスピーチもあたたかいものだった。
あの頃すぐ近くに、音楽の深さを体現された方がいたのに、そのことに全く気づいていなかったことを痛切に思う。

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7月14、15日サントリーホール、アラン・ギルバートさんの指揮でニールセンの5番など。
普段親しんでいるものとは異なる語法の音楽に触れることは、大変だけれど、素晴らしい経験だった。

7月19、20日東京文化会館、アラン・ギルバートさんの指揮でアルプス交響曲など。
変ロ短調で始まる、ただならぬ雰囲気の冒頭など、R.シュトラウスの作曲技法に感服するばかりだった。

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8月中旬、一宮市民会館、いつもとは違うオーケストラでモーツァルトのオペラ「魔笛」。
都響の公演は大編成のレパートリーが多く、モーツァルトのオペラを経験したことがなかった。貴重な時間だった。新しくはない一宮市民会館にはオーケストラピットや、見たことのない古い型の譜面灯がある。繊維産業で街が栄えていた時代に作られたのだろうか。
34年前、初めてオーケストラのエキストラの仕事をした公演がこのホールだった。あの頃、先の見通しなどまったくなく、ただ無我夢中だった。

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8月25日サントリーホール、杉山洋一さんの指揮で湯浅讓二さんの作品など。
大編成で演奏したクセナキスのジョンシェ、"non-octave scale"という初めて経験する音階で書かれ、沖縄民謡のようにも聞こえた。音楽の世界の広さを実感する公演だった。

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9月2日キッセイ文化ホール、5日サントリーホール、ジョン・ウィリアムズさん、ステファン・ドゥネーヴさん指揮のサイトウキネンオーケストラ。抜群の乗り心地の、豪華な音のする大きな乗り物に乗っているようだった。
91年か92年だったと思う、サイトウキネンを聴いた僕の父は、これが(齋藤秀雄)一門の音か、と感心していた。2023年夏のSKOは様々な国籍やバックグラウンドを持つメンバーで構成され、以前のような厳しさはないかもしれないけれど、広く、穏やかで、機能的だった。
映画音楽中心のプログラムの中、小澤さんのために書かれた"For Seiji"という曲は趣が異なり、技術的にも、音楽的にも難解だった。ジョン・ウィリアムズさんは、本当はこういう曲を書きたかったのでは、とも思った。
一つの演奏会に二人の指揮者が立つ。ドゥネーヴさんは言葉を尽くして長いリハーサルをし、一方、ジョン・ウィリアムズさんからの指示はあまりない。彼の明晰な表情はこちらによく伝わり、同じオーケストラでも驚くほど違う音がした。
ハリー・ポッターの音楽はチェレスタで始まる。リハーサルで初めてチェレスタの音が聞こえてきたとき、そこには特別な流れがあり、魔法がかかった、と感じた。

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2023年12月29日 (金)

新しいCDプレーヤー

CDプレーヤーを新しくした。

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すでに一度修理をしたリンのCDプレーヤーが、また再生エラーを起こすようになり、そういえば最近音がやせてきたな、と思っていたところ、まったく読み取りをしなくなった。

どうしてもメカの部分が壊れる。16年よく使ったから仕方ないのかもしれない。時間を見つけて試聴に出かけた。
オーディオ店で、そろそろCDプレーヤーというものは世の中からなくなりますか、と尋ねたら、店員さんは「日本人はモノが好きだからね」と言い、まだしばらく作られ続けるだろう、とのことだった。

音楽再生の主流はストリーミングサービス、あるいは目に見えないデータを扱うネットワークプレーヤーに移行していく、と思うのだけれど、ネットワークプレーヤーの完成度はCDプレーヤーに対してまだ、という状況らしい。

仕事の準備で様々な音源を聴く時は、僕もストリーミングサービスを使う。ただ同じ音源でも、ストリーミングをイヤホンで聴く時と、CDを丁寧にセッティングされたスピーカーで聴く時とでは、情報量が大きく違い、別物のように感じられる。

オーディオ店でいくつか試聴した。ハイエンドメーカーのローエンド(!)のCDプレーヤーは良かったのだけれど、今注文しても届くのは来年4月、と言われ、そもそも予算を遙かに越えているし、と諦めた。僕の部屋に置くには、寸法も大き過ぎる。

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音楽や音はどのように聴こうと自由だと思う。
実際に楽器から出る音が僕の基準になる。でももしそういう経験が少ない場合、人はどのような音を再生装置に求めるのだろうか。

CDプレーヤーが違うと、同じディスク、スピーカー、アンプで聴いてもずいぶん音が違う。
高価な機器なのに、再生音がスピーカーの周りにまとわりつき、もごもご言っているようで、こちらに飛んでこないものがあった。頑張って弾いているのに聴く人に音が届いていない、悪いときの自分の演奏が思い浮かび、身につまされるようだった。

結局NmodeのX-CD5が家に来た。それぞれの楽器固有の発音や響きがよくわかる。
12月26日の第九が今年の仕事納め。少しの休みに入り、以前から家にあるジャズのCDをかけてみて、こんなに楽しかった、と驚く。

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