5月24日の演奏会
今年も5月にプリモ芸術工房で演奏会をさせて頂くので、そのお知らせです。
今回のプログラムはプーランクのソナタを弾いてみたい、ベートーヴェンの3番を弾きたい、という気持ちから始まっています。
いったいその曲をどう捉えるのが良いのか、どのように音を出し、そのフレーズをどう弾くことが、その音楽に適うのか、試行錯誤する毎日です。
普段オーケストラの仕事をしていて恵まれていると感じることの一つに、同じ人間とは思えないほど高い能力を持つ人たちと日常的に接する、ということがあります。彼ら彼女たちと自分は、いったい何が違うのか、そういうことにいつも興味があります。
ご存じのように自分の体と心は、驚くほど、思うようにならないものです。例えば100mを10秒で走りたいと、どれほど強く念じ、どれほど厳しいトレーニングを積んでも、ほとんどの人には困難な道のりですね。
でもきっとどこかに自分の体と心にアクセスする場所や方法がある、そう思って毎日チェロを手にしています。自分の出す音や、その時の体や心に耳を澄ませていると、自分を司っている何かを、ほんの少し感じられるような気のするときがあります。
残念ながら僕は初めてチェロを手に持った時の記憶がなく、いつ始めたのか定かではありません。でも少なくとも50年たちました。年数のわりには、呆れるほど進歩が遅く、今でもこんなこともわかっていなかった、知らなかった、と感じることは多いです。
目の前にうずたかく積もる、こんがらがった糸の山があって、その絡み合った結び目を一つずつほどいていく。一つほどくと、次にほどくべき結び目が見え、毎日それを繰り返していると、いつの間にか山は少し低くなって、見通しのきくものになっている。楽器を練習するとはそういうことのように感じます。
昨年の演奏会ではコダーイの無伴奏ソナタを弾きました。広い部屋を借り、事前に何度も通し稽古をしました。30分を超えるこの曲を弾く度に、毎回予想もしないことが起き、いつも不思議な感じがしました。(誰もが知るアメリカの有名オーケストラに所属する方が、定期公演の度にその3回の舞台がどのようなものになるか予想するけれど、当たったことがない、と仰っていたことを思い出します)
もしかして、生まれてからこの方一度も離れたことのない自分の中にこそ、本当のフロンティアがあり、冒険するべき所があるのかもしれない、とも思います。
今年は再びピアノの長尾洋史さんにご出演頂きます。どのような演奏会になるのか楽しみです。
プリモ芸術工房は広くはありませんが、響きの良い、素敵なスペースです。予約受付は今晩4/24 21時からです。リンクを下記に。
https://primoart.jp/event/event-167015/
皆様のお越しを心よりお待ちします。












