書籍・雑誌

2020年6月30日 (火)

6月の日経新聞から

今月をふり返ってみる。

6月29日日経夕刊から、
『米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の新型コロナウィルスの累計死者数は29日、50万人を超えた。欧米各国に加え、ブラジルやメキシコなど新興国でも増加している。・・・
 新型コロナの世界の累計感染者数も1千万人を突破した。先進国を中心に経済活動を再開する動きが見られ、感染ペースが鈍化した国では渡航制限を一部緩和する動きも出てきた。ただ再開を急ぐあまり感染が再拡大する懸念も広がっている。
 感染の再拡大を防ぐための動きも出ている。・・・』

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6月5日日経夕刊から、
『英製薬大手のアストラゼネカは4日、英オックスフォード大学と開発する新型コロナウィルスのワクチンについて、今年から来年にかけて20億回分の生産が可能になるとの見通しを発表した。』

6月11日日経夕刊から、
『米政府が支援する3つの新型コロナウィルスのワクチン開発計画が今夏にも治験の最終段階になどに入ることが10日、分かった。・・・
 報道によると、7月に米バイオ医薬ベンチャーのモデルナがワクチン開発の最終段階に当たる治験の第3段階に入る。
 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは9月に予定していた初期段階の治験を7月後半に前倒しすると10日、発表した。
 8月には英オックスフォード大学と協力する英製薬大手アストラゼネカも第3段階に入る。米政府の支援を受け、各社は約3万人を対象にワクチンとプラセボ(偽薬)を投与し、新型コロナ発症率の差を確認する。通常、同段階では数千人が治験対象となるが、開発を加速するために規模を拡大する。
 これらとは別に、米政府が100億ドルを投じた「ワープ・スピード作戦」の支援対象となっている米ファイザーのワクチン候補は7月にも第3段階の治験に入る準備を整えている。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、今後、仏サノフィが開発するワクチンも大規模な治験を政府が支援する可能性があるという。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、新型コロナのワクチン開発計画は世界中で135に上る。しかし、第1段階以上に進んでいるものはごく少数に限られる。』

6月13日日経朝刊から、
『第一三共は12日、新型コロナウィルスに対するワクチンを開発すると発表した。2月から東京大学と研究を進めてきたが、効果が確認できたことから開発に乗り出す。今後は動物試験などを実施。2021年3月ごろの臨床試験開始を目指す。』

6月18日日経夕刊から、
『大阪府の吉村洋文知事は17日の記者会見で、大阪大発のバイオ企業「アンジェス」が開発を進めている新型コロナウィルスのワクチンについて、10月に400~500人規模の臨床試験を実施すると説明した。
・・・
 ワクチンは大阪大の森下竜一教授が中心となって開発。吉村氏は治験や国にの認可を経て、2021年春~秋の実用化を目指し、数百万人分の製造が可能としている。』

6月24日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの「第2波」に備え、欧州各国がワクチンの調達を急いでいる。ワクチンはまだ開発段階だが、米国が先駆けて欧州製薬会社と契約を結んだことに対抗する。各国政府が製薬会社と直接交渉し、今秋にも供給されるワクチンを確保しようと躍起だ。』

6月18日日経朝刊、「史上最大のワクチン事業 仙台医療センター・ウィルスセンター長、西村秀一氏に聞く」という記事から、
『ワクチンは流行が来てみないと効くかどうか分からないんです。頻度は低いかもしれないが副作用もあるし、因果関係が不明でも接種後に偶然亡くなる人が出ることだってあります。たとえば心筋梗塞など。多くの人が接種するほどそうした報告が頻発する。すぐに大量のワクチンが用意できないときは、接種の優先順位を決める必要があります。医療従事者か、高齢者か、基礎疾患のある人なのか。小児はどうするのか。
 こういうことを接種事業を実施する前に国民に説明しなければならない。副作用事案に備えてきちんと調査をする期間を整えておく必要もあります。何事もリスクはあります。』

秋以降、欧米でワクチンの接種が始まり、日本では来年になって一部の人に、ということだろうか。そして来年の春にはワクチンの効果や副作用について、検証や報道がされているのだろうか。

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6月5日日経朝刊から、

『新型コロナウィルスに感染した子供で、発熱や発疹、腹痛などを患う『川崎病』に似た症状になったとの報告が欧米で相次いでいる。』

6月6日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染者が重い合併症を患う症例が、世界で相次ぎ報告されている。心臓や脳、足など肺以外でで重篤化するケースが目立つ。世界では300万人近くが新型コロナから回復したが、一部で治療が長期化したり後遺症が残ったりするリスクも指摘され始めた。各国の研究機関は血栓や免疫システムの異変など、合併症のメカニズム解明を急ぐ。』

6月12日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染が拡大していた4月、「特定警戒地域」だった13都道府県のうち11都府県で平年より死亡数が大きく上回る「超過死亡」があったことが11日、日本経済新聞の集計で分かった。・・・
 東京都は11日、緊急事態宣言が発令された4月分の死亡数を公表。死亡数は1万107人で、平年より1056人(11.7%)増加した。都を含め埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡の計7都府県は平年より1割以上増えていた。』

わからないことばかりだ。

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6月17日日経朝刊、「唾液の抗原検査 重要」という専門家会議副座長、尾身茂さんの記事から、
『PCR検査と組み合わせる検査として期待を示したのが唾液による抗原検査だ。この検査は唾液に含まれる新型コロナウィルスの一部の物質を検出する。現状では、遺伝子の量を調べるPCR検査に比べて感度が劣る。企業が精度の検証をしている段階で、まだ実用化していない。
 尾身氏は予備的な調査を元に、精度の問題をクリアして利用できる見込みを示唆した。』

6月22日日経朝刊から、
『専門の技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウィルスを判定する検査法が実用に向けて動き出す。日本大学の桑原正靖教授らが作ったウィルス検査で、月内に塩野義製薬と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶ。インフルエンザのように病院で医師や看護師が検査してすぐ結果を知ることもでき、経済再開に向けた環境整備につながる。
 塩野義は検査キットが診断に使えると判断すれば、厚生労働省に薬事承認を申請し、今秋の実用化を目指す。』

人類の叡智を結集して、リトマス試験紙のように、誰でも手早くできる検査方法を開発できないのだろうか。外出前、5分くらいで陰性か陽性か調べられるようになったら、ずいぶんいいのに。


6月10日日経朝刊から、
『ソフトバンクグループは9日、グループの社員や医療従事者ら4万人を対象に実施した新型コロナウィルスの感染歴を見る抗体検査の結果を公表した。抗体を保有していた陽性率は0.43%だった。』

6月16日日経夕刊から、
『厚生労働省は16日、東京、大阪、宮城の3都府県で実施した新型コロナウィルスの抗体検査の結果を公表した。過去に感染したことを示す抗体保有率は東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%だった。いずれも公表ベースの感染率を上回ったものの、海外と比較して低水準だった。・・・
 一方、米ニューヨーク州が実施した検査の抗体保有率は12.3%、スウェーデンのストックホルムは7.3%に達しており、海外の感染拡大国に比べると低水準だ。
 同省も「大半の人が抗体を保有していない」と結論付けた。現時点では抗体がどれだけの期間持続するかや、抗体保有者に再感染リスクがないかは分からないとしている。』

6月4日日経夕刊から、
『スウェーデン政府で新型コロナウィルス対策を担う疫学者のアンデュ・テグネル氏は3日「我々がやってきたことは明らかに改善の余地がある」と述べた。同国はロックダウンをせず、多くの人が感染して『集団免疫』を獲得することを目指す独自路線を取ったが、死者数が増えて批判が強まっていた。』

6月26日日経朝刊、「集団免疫 終息のカギ」という記事から、
『集団免疫は感染者の割合がどれくらいになれば得られるのか。これは1人の感染者が新たに何人に感染させるかを表す『基本再生産数』という値などから割り出す。欧州の感染例を参考に基本再生産数を2.5として感染の広がりを求めると、全体の6割程度の人が免疫力を持てば感染は収まるとされている。・・・
 スウェーデンのストックホルム大学などは免疫を持つ人が4割程度で集団免疫が獲得できるとの試算をまとめ、英科学誌サイエンスに発表した。外出する機会などが多い13~39歳の若年層が感染した割合が7割に達すれば、高齢者などの感染した割合が3割前後に留まっても再流行しないと分析した。
 英オックスフォード大学などのグループは人口の1~2割が感染するだけで流行が拡大せず終息に向かうとした。感染しやすさや接触頻度がばらつけば、感染は広がりにくいという。
 ・・・・ ただ集団免疫の推定を巡る研究は実際の社会で実証されておらず追加の研究が欠かせない。また感染者でも免疫が長期にわたり保たれず集団免疫は期待しにくいとの指摘もある。』


6月24日日経朝刊から、
『空港検疫のPCR検査で新型コロナウィルスの感染確認が相次いでいる。入国制限により検査対象は全国で1日1千人程度にとどまるが、ほぼ連日新たな感染者が見つかっている。・・・
 政府は2月以降、水際対策を順次強化し、23日時点で入国拒否は111カ国・地域に及ぶ。現在入国できるのは日本人の他、早期に再入国の手続きをした上で日本を離れていた永住者や日本人の配偶者に限られる。症状の有無にかかわらず全員がPCR検査を受ける。
 ・・・
 政府は経済活動の回復に向けてビジネス目的の往来に対する制限を緩和していく方針。』

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6月15日の夕刊に掲載された日本フィル理事長、平井俊邦さんの記事から。

『 ー 危機に瀕する各オーケストラが存続する上での課題は。
「制度上の問題が大きい。多くの楽団が公益財団法人という形態をとっているが、年間の収入と支出をトントンにしなければならない『収支相償の原則』がある。利益を出し、積み立てておくことが難しいため、今回のような危機への備えができない。一方、2年連続で純資産が300万円を下回ると、法人資格を失い解散を迫られる」
「日本では、文化芸術は余裕がある人の道楽や教養ととらえられてきた面がある。だが心がカサカサになったときに、芸術がどれだけそれを潤わせ、和ませることができるか。長い自粛生活で痛感した人も多いのではないか。社会と経済、文化は一体のものだ」』

6月16日日経夕刊に掲載された作家、堀川惠子さんの『「不要不急」は人生の糧』という文章から
『劇場は連日、補助席も足りないほどの大入り満席。俳優は白銀のバックライトに唾を飛ばして熱演し、観客は肩寄せ合う熱気の中で物語に浸った。そんな舞台の「熱」を取り去らねばならぬコロナ対策は、あまりにむごい。
「不要不急」のレッテルを貼られた文化や芸術が先を見通せず、解を求めて苦しんでいる。演劇界でもネット上の試行錯誤は行われているが、劇場の一期一会の緊張感と臨場感は他には代えがたい。その空気感は、どんな精巧なカメラで撮影してもとらえきれぬ無二のものだ。
・・・・・
「文化は良き時代にのみ享受される贅沢品ではない。芸術は生命の維持に必要な存在だ」
ドイツの文科相が国民に語りかけた言葉に、一縷の希望を見出す。が、ここでなぜ遠い海外の大臣の言葉を引用せねばならぬのか、それもまた歯がゆい。』

大編成が必要なマーラーなどの交響曲や、大きな合唱団が入る第九の演奏会は難しそうだ。それだけでなく、演奏が終わった後、客席からの「ブラボー」も、舞台上で演奏者同士が握手をする習慣も、しばらくなくなるかもしれない。
都響は来月、予定を変更し、規模の小さな公演を開く。一方、ニューヨーク・フィルは来年1月5日までの公演中止を発表した。https://nyphil.org/plan-your-visit/how-to-prepare/health-and-safety 日本では様々なことが動き出しているけれど、この報道に接して、有効な治療法もワクチンもまだないことを思う。

2020年6月10日 (水)

「心の中に」

この日記も意外と長くなり、忘れている記事は多い。確かある画家が別の画家のことを書いた文章があったはず、と探したら9年前のことだった。心にふれるものがあって書き留めたのだけれど、その時はそれが何かわからなかった。
2011年2月の日記、日経新聞で安野光雅さんが佐藤忠良さんについて書いた文章から、

『何という光栄だろう。彼が直接に絵を描くところを初心者の目で見たのである。当然だが、ほかの誰もが描く方法と少しも違わない。外見に違いはない。まねのできない心の中にどうすることもできない違いがあると思えた。』

当時僕の日記を読んでくださったOさんが、この文章に言及したことは覚えていた。引用した僕自身はよくわかっていなかったのだけれど、今、本当にそうですね、と思う。人の心の中に入ることはできない。でも、こうして書かれた文章からほんの少しだけ、うかがうことはできる。それはとても貴重な経験だと思う。

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以前の日記を見返していたらピアニスト、舘野泉さんの文章を何度か引用していることに気付いた。こんな文章があった。2010年4月の日記から、

『・・・私の日常も、ピアノを弾くのは別段何かをしているということでもなくて、金太郎飴のように何処で切ってもいいし、どこから始めてもよいのかもしれない。・・・一日何時間弾かなければならないし、しばらく弾かないでいると感覚が鈍くなるというものでもない。いつでも、どんな時でも弾ける。ただ、しかし、楽器に触れた途端になにか実態のあるものに触れ、自分が確かに生きているという自覚を覚え、頭が冴え冴えと澄んでくるのも事実である。・・・
私は、ピアニストというのは手職人だと思っている。若いときからずっとそうだった。音楽を手で触るという感覚は面白い。手で音を撫で、愛しみ、大事にしていくのだ。・・・作曲家の生涯だとか作品の構成とか歴史といったものに興味を持ったり考えたりしたことはない。あるのは作品だけ、その音だけである。・・・
手職人、・・・という言葉が私は好きである。海に網を投げる漁師も好きだ。作品との対峙、対決をし、自分の個性を主張する行き方は好きではない。作品を通して無名性にいたることこそが望みだ。』

この文章を引用した10年前の僕は何を感じていたのだろうか。10年経って、近くが見えにくくなったり、若くはないんだな、と感じることはある。けれど、年を取ることは決して悪くない。
図書館が再開して、舘野さんの本を借りてきた。「舘野泉の生きる力」(六耀社)から、

『僕はステージに出て行く直前、何も考えない。ステージに出たら、そのとき世界が変わるのだ。ポンと音をたたくだけで、即座に新しい世界に飛び込める。
一曲目が終わり、二曲目に移れば、また全然違う世界が開ける。それはあたかも俳優が、まったく異なる登場人物を演じるとき、前のキャラクターを引きずらないのに似ている。違う色、違う心象になって、その前の気持ちはもう全部消えている。次の曲に入る前にひと呼吸置くとか、そういう間合いもあまり考えない。とにかく、一音弾けば、僕はそれで次の世界に入ってしまう。次のステップにパッと飛んで行けるのだ。
 ・・・・・
そして、弾き終わればまたすべてを忘れる。「今のはよかった!今度も同じように弾こう」と過去に固執することもないし、「あの曲を弾いた!」という感動に浸ったり、そうした感動の中で弾いたりすることもない。』

2020年5月31日 (日)

5月の日経新聞から

5月の日経新聞記事をふり返ってみる。

5月19日夕刊から、
『米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは18日、開発中の新型コロナウィルスワクチンの初期の治験の結果が有望だったと発表した。・・・7月には大規模な治験に移行し、早期の量産を目指す。・・・
モデルナは開発と平行し量産に向けた準備も本格化する。
1日にスイスの製薬会社ロンザと同ワクチンの生産で10年契約の協業を発表した。・・・まずロンザが持つ米国とスイスの製造拠点でワクチンの生産体制を整える。7月には最初の出荷を見込んでおり、2021年以降は年間10億本規模の生産能力確保を目指す。・・・
英オックスフォード大は製薬大手と組んで年内に1億回分の生産を目指すほか、米ジョンソン・エンド・ジョンソンは9月までに複数のサンプルの臨床試験を行い、21年初めの供給を目指す。』

5月23日朝刊から、
『・・・日本でワクチンを供給できる企業は、武田薬品工業やKMバイオロジクス、第一三共、阪大微生物病研究会などに限られる。今回のコロナに対応するRNAなど最先端のワクチンを量産する企業はまだない。・・・
大阪大学発のバイオ企業アンジェスが進める新型コロナワクチンの量産は主にタカラバイオが担う。年間20万人分のワクチン開発の準備を進めているが、モデルナやオックスフォードのワクチンの0.02%にとどまる。・・・』

5月20日朝刊から、
『世界保健機関は19日、ワクチンを最初に開発した企業の特許権に制限をかけ、安くワクチンを供給することなどで協調をめざす決議案を採択した。ただ製薬企業にとっては「ドル箱」になるだけに、開発で先行する米国などの慎重姿勢は強い。』

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5月20日夕刊から、
『韓国保健福祉省は18日、新型コロナウィルス感染から回復して陰性と診断された後、再び陽性となった患者について、周囲への感染力が認められなかったとする調査結果を発表した。韓国は感染者の追跡や検査を厳格に実施しており、調査は米国などでも関心を集めている。』

5月2日夕刊から、
『米ミネソタ大学の研究チームが、新型コロナウィルスのパンデミックは1年半から2年間、世界の人口の約3分の2が免疫を獲得するまで続くとの予測を発表した。・・・
・・・新型コロナは潜伏期間が長く、無症状の感染者も多いため、インフルエンザに比べて制御が難しいと指摘。人口の60~70%が免疫を得るまで、パンデミックは終わらないとの見方を示した。足もとで米国の人口の5~15%しか免疫をもっていないことを踏まえ、流行は18~24ヶ月続くとみる。』

5月7日夕刊から、
『米ワシントン大学は6日までに、新型コロナウィルスによる米国の死者数が8月上旬までに13万5千人に上るとの最新予測をまとめた。各州が行動規制を緩めて感染リスクが増えることを反映した。1ヶ月前の予測に比べて2倍超の水準への上方修正となる。・・・
4月上旬時点では、8月上旬までに6万人超が死亡すると予測した。5月末まで厳しい行動規制を続けることを前提にしていた。トランプ政権が経済活動を段階的に再開させる方針を示し、30州以上が飲食店やジムの営業を再開するなど、行動規制の緩和に動いている。』

5月13日夕刊から、
『・・・国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は12日、経済活動の再開を急げば「制御できない感染の急拡大を引き起こすリスクがある」と警告した。多くの州が感染者が多いまま行動規制緩和に動くなか、連邦政府がまとめた経済再開の指針を順守するよう求めた。』

5月29日夕刊から、
『中南米で新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。ブラジルの1日あたりの新規感染者は2万人を超え、米国を抜き世界最多となった。1日で日本の累計感染者数(約1万7000人)を上回るペースだ。ペルーやチリなども過去最多を更新している。低所得者層が多く住む地域から連鎖的に感染が広がり、死者数の増加も深刻だ。』

5月23日夕刊から、
『米疾病対策センターのレッドフィールド所長は英フィナンシャル・タイムズのインタビューで「南半球での感染拡大が落ち着いた後、北半球に戻ってくるのではないかと心配している」と指摘。気温が低下する秋から冬にかけて米国が再び感染の大きな波に襲われ、都市の再封鎖に追い込まれる可能性が高い、と警告を発した。』

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5月13日朝刊から、
『東京都は12日、新型コロナウィルスの都内での感染実態を探るため、下水を活用した調査をする方針を決めた。感染者の便からはウィルスが検出される。下水処理場に流れ着いた水の中のウィルス量を調べて、都内の感染拡大の兆候の察知につなげる。』

5月14日朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染歴を調べる抗体検査を導入する動きが国内でも始まった。沖縄県が近く実施するほか、東京都も6月に始める。抗体検査は感染の実態を把握するのに役立ち、経済活動再開の判断材料に使える可能性がある。抗体が持続するかなど課題も多く、手探りで進む。
抗体検査は少量の血液を採取し、感染した際に免疫の働きで出来た抗体を調べる。簡易検査キットなら数十分で結果がわかり、専門の技師などは不要だ。PCRが現在感染しているかを調べるのに対し、過去に感染したかどうかがわかる。』


5月18日朝刊から、
『・・・世界的に注目されているのが「命か経済か」の二者択一ではなく『命も経済も』の二兎戦略。その代表例が、米ハーバード大倫理センターが4月に公表した「パンデミックに強い社会への道」と題する提言だ。

中身を要約すると、1日500万件以上の大量の検査態勢を確立し、社会基盤を担う職場から順に正常に近づけていく発想だ。・・・

まず第1段階ではエッセンシャル・ワーカーといわれる、医療従事者や食品スーパーの店員、電気・水道などライフラインを担う人、警察消防など全労働者の4割に当たる人に繰り返し各種検査を実施。陽性者は公的な所得補償をした上で隔離し、職場には感染者がほぼおらず、安心して働ける環境を整える。
続くフェーズ2では、日用品の生産や食堂、公共交通など日常生活に必要な機能を提供する約3割の人に検査対象を広げ、その後は美容院など遠隔では難しいサービスに、最後にオフィスワーカーにも検査範囲を拡大する。
この大量検査を軸に、マスク着用など行動変容の持続や接触追跡アプリの活用によって「感染の再爆発を招くことなく、米経済は8月には回復軌道に戻せる」と提言はいう。必要な費用は検査の継続を含め、向こう2年間で500億~3千億ドルと巨額だが「都市封鎖と緩和を何度も繰り返し、経済が徐々に衰弱していくシナリオより遙かに安上がりで、多くの命と経済を救える」と結論する。』

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5月28日朝刊から、
『コウモリ由来のウィルスの著名研究者・・・石正麗氏が3ヶ月ぶりに中国の国営テレビに登場し、自らが所属する中国科学院武漢ウィルス研究所が新型コロナウィルスの発生源とする見方を改めて否定した。・・・
・・石氏は昨年12月30日に感染者の検体が研究所に持ち込まれたと経緯を説明。そのうえで「我々が知っているウィルスの配列と違うことを証明し、新型コロナウィルスと命名した」と指摘し、研究所からのウィルス漏洩を重ねて否定した。』

5月5日朝刊から、
『”スペイン・インフルエンザ”が出現した1918年は光学顕微鏡しかなく、ウィルスは人類にとって正体不明の敵だった。それゆえワクチン、治療薬もない。・・・
様々なワクチン接種も行われたが、ウィルスの正体が解明されていないため有効ではなかった。日本では神社での神頼み、米国では怪しげな民間療法、詐欺的な治療が横行した。同国では第1次大戦の敵国ドイツが菌を散布したという陰謀説が流布した。』


すっかり有名になった米ジョンズ・ホプキンス大学による新型コロナウィルス感染者数(死者数)は日経新聞にも毎日掲載されている。1週間の数字の変化から、様々なことが読み取れる気がする。(下の画像は左側が5月23日、右側が30日のデータ)
1週間で感染者が5割増えた国も、ほとんど変化のない国もある。データの信頼性は別にして、感染者に対する死者数の比率も国によって大きく異なる。何が違うのだろう。5月初めまでは日本もこの表に出ていたけれど、他の国の感染者数が増えたため、欄外になった。

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2020年5月 7日 (木)

デビュー作

先日の日記に書いたミケランジェリの「謝肉祭」か、ルービンシュタインの弾くブラームスの3番のソナタをよく聴いている。
少し前に買ったCD9枚組のルービンシュタイン、ブラームス全集に入っていたもので、ピアノ協奏曲やピアノ四重奏を聴きたくて買い、僕にとってはほとんどおまけのようについて来たソナタ(ごめんなさい)を、ふと聴いたら素晴らしかった。

3番、ヘ短調のソナタは作品5。特に美しい第2楽章は、そう知らされなければブラームスとわからないかもしれない。こういう言い方が良いのかわからないけれど、作曲家特有の重さとは無縁で、まるで今の季節の新緑のようなさわやかな息吹がある。
きっとルービンシュタインの演奏も素晴らしいのだと思う。どこにも思い込みのようなものがなく、常に自然な息づかいで音楽が進んでいく。以前、彼の自伝を読んだとき、本当に人生を愛した人と思った。演奏を聴いてもそのことがよくわかる。

僕は昔から作曲家晩年の作品に気を取られる癖があった。でもこの9枚組のCDの中には、1番のピアノ協奏曲(作品15)、3番のピアノソナタ(作品5)、ピアノ五重奏(作品34、ソナタと同じヘ短調だ)、2番のピアノ四重奏(作品26)などがあるし、他に好きなブラームスの作品を思い起こすと、例えば2曲の弦楽六重奏(作品18と36)だって若い作品番号だった。

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昨年出版された「開高健短篇選」は、彼のデビュー作「パニック」で始まる。昔から開高さんの本を読んできたけれど、「パニック」は読んでいなかった。この選集が出版されたことでようやく、気にとめていなかった「パニック」を読み、20代半ばの作家がこう世界を見ていたことに驚いた。

後に開高さんが「夏の闇」の中で、

『「最初の一匹はいつもこうなんだ。大小かまわずふるえがでるんだよ。釣りは最初の一匹さ。それにすべてがある。小説家とおなじでね。処女作ですよ。・・・」』

と主人公に語らせていたのは、このことだったのか、と思う。「夏の闇」を初めて読んだ時は何もわからなかった。

20代後半の僕は釣りに夢中で、開高さんの「フィッシュオン」に始まり、「オーパ」や「もっと広く」、「もっと遠く」など釣りにまつわる本ばかり読んでいた。あの頃もし「パニック」を読んでいたら、何か少し違っていたかもしれない、と思う。

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2020年4月28日 (火)

4月の日経新聞から

最近報道されたことをまとめてみる。

悪いニュース、と思った。いったいどういうことで、何が起きているのだろう。4月14日、日経新聞夕刊の記事から。

『WHOは13日、新型コロナウィルスの感染者で回復後に再び陽性になる患者が出ていることについて、回復者に免疫がついているかは不明だとの見解を示した。次に同じウィルスが侵入した際に、病原体を攻撃する抗体が体内で十分に作られていない可能性があるという。・・・』

4月25日の日経朝刊から。
『抗体検査は感染済みかを簡単に調べられる手法として注目を集めている。ニューヨーク州は23日、無作為抽出した3000人を対象とした調査で、13.9%が抗体を持っていたと発表した。州人口をもとに単純計算すると270万人が抗体をもっており、公表されている感染者数の10倍強に達する。
 他の国々の抗体検査でも同様に公表数値を大きく上回る感染を示す結果が出ている。・・・』

4月22日、日経朝刊に掲載されたWHOシニアアドバイザー、進藤奈邦子さんの記事から。
『「欧州は厳しい外出制限などの効果が出て安定してきた。WHOは日常生活に戻すための判断基準を作成した。世界全体ではいったんは感染が落ち着く時期がくる。大事なのは次の波をどう抑えるかで、そのためには国際協調が欠かせない。・・・」

 「抗体検査の信頼性はまだ確立していない。抗体をもっていることがどれだけ免疫防御になるのか、有効期間はどの程度なのかなど分からない点が多い。抗体検査の結果で外出制限を緩和するのは時期尚早だ」』

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4月1日、日経朝刊には「コロナワクチン、開発加速」という記事が掲載された。
『・・・米ジョンソン・エンド・ジョンソンは30日、ウィルスの遺伝子情報を使った短期製造が可能なワクチンを開発したと発表した。臨床試験(治験)を9月までに始める。米モデルナや日本のアンジェスも類似の技術で短期の開発を急ぐ。・・・』

これは教えて頂いたBBCのウェブサイトで、ワクチン製造に関するインタヴュー。免疫について、わかりやすい説明と感じた。
https://www.youtube.com/watch?v=Gb5rEY3LIVc

やはりBBCのニュースでオックスフォード大学のワクチン開発のことが伝えられた。23日に欧州初の臨床試験が始まったそう。
https://www.bbc.com/japanese/52407075

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4月15日、日経朝刊からドイツの対応について。
『「感染スピードを鈍らせるには学校閉鎖や大規模集会の禁止しかない。電気やガスは供給できるが、航空・鉄道は滞り、医療はパンク。消毒液やマスクの調達も難しくなる。感染終息には3年かかるだろう」
 まるで現状分析のようだが、実は7年前の2013年1月に連邦議会(下院)がまとめた報告書だ。世界規模のウィルス感染が起こったらドイツにどう影響し、政府はどう動くべきか。A4判30ページあまりの詳細なシナリオ分析は新型コロナを予言しているようだ。』

4月19日、日経朝刊から。
『台湾の新型コロナウィルスとの闘いは2019年暮れから始まっていた。・・・医師や感染症の専門家らは・・武漢市で発生した原因不明の肺炎に着目し、警戒の必要性に気づいた。病院の最前線で働く医師らの元には年明け早々、警告メッセージが届いた。
・・・・・
 新型コロナの感染拡大の可能性をいち早く察知し、緊急事態と捉えた台湾当局の初動は素早かった。武漢市当局が原因不明の感染症発生を認めた12月31日、武漢からの直行便に対してすぐに検疫を開始。・・・』

4月16日、日経朝刊に掲載された100年前のインフルエンザの流行について。
『欧米での大流行から4ヶ月ほどたった18年10月ごろから日本でも本格的な流行が始まった。国内では2度の感染爆発を迎えることになるが、「前流行」と呼ばれる時期だ。・・・前流行は翌19年の夏前には収束した。内務省の記録では患者は約2117万人、死者は25万7000人。当時の国民の4割が感染し、死亡率は1.22%だった。
 そして同年秋から「後流行」がやってくる。・・・後流行は20年夏に収束。患者は約241万人、死者は12万8000人だった。感染が前流行の1割に激減したのは多くの人が免疫を獲得したためといわれている。一方、死亡率は5.29%と4倍以上に跳ね上がった。・・・』

4月25日、日経朝刊から。
『新型コロナウィルスは何者かがエイズワクチンを開発する過程でつくり出した。・・・フランスのリュック・モンタニエ博士らがこんな主張を展開している。支持する研究者は皆無に近いが、ウィルスの正体はなお謎が多い。・・・新型コロナウィルスのゲノムの1%未満の短い領域に、HIVに由来する情報の断片が6つあった。その入り方に自然にはあり得ない特徴がみられ、人為的に挿入したと考えられるという。
・・・科学界の反応は冷たい。仏パスツール研究所や国立科学研究センターの研究者はこの説を相次ぎ否定した。他のウィルスの遺伝情報が入るのは自然界でよくあるという。長崎大の安田二朗教授もゲノムを見て「不定期に変異が起きており、人為的な改変とは考えにくい」と指摘する。・・・』

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4月9日の日経朝刊に掲載されたフランスの経済学者、ジャック・アタリ氏の記事から。
『誰も第1の優先事項とは考えていないようだが、ワクチンと治療薬にきわめて多額の資金を充てることだ。いくつか支援策は発表されているがばかげていると言わざるを得ないほど少額だ。この問題はワクチンや治療薬があれば解決し、なければ解決しない。それにより危機は3ヶ月で終わるかもしれないし、3年続くかもしれない。』

4月12日、日経朝刊、ビル・ゲイツ氏の記事から。
『新型コロナウィルスにとって国境は意味をなさない。私がこの点を指摘するのは、各国政府が自国の対応に専ら集中しているからだ。
 多くの低・中所得国をいま支援しなければ、感染者数と死亡者数が現在の水準を超える可能性は高い。このままでは数百万人が命を落とす危険性がある。
 先進諸国が今後数ヶ月で抑え込みに成功しても、このパンデミックがどこかで猛威を振るう限り、新型コロナウィルスが再び襲ってくることはある。この点こそ、この感染症との闘いにグローバルに取り組むべき理由である。』

4月14日、日経朝刊、生物地理学者ジャレド・ダイアモンド氏の記事から。
『新型コロナウィルスの封じ込めは世界各国が足並みをそろえないと困難だ。戦いに勝つには国際的な協力体制が要る。世界的な問題を解決するモデルになり、核や気候変動、水産資源の保護といった課題に国際社会が協調して取り組む契機になるのが最良のシナリオだ。』

4月15日、朝日新聞に掲載されたユヴァル・ノア・ハラリ氏の記事から。
『感染症は全世界が共有するリスクだと考える必要があります。たとえば日本からウィルスが消え、しかし、南米のブラジルや、ペルー、エクアドルで流行が続いているとしましょう。ウィルスが人類の体内にいる限り、突然変異する可能性がある。より致死的になったり、感染力が強まったりして、あなたの国に戻ってくる。そして、さらに深刻な流行を引き起こすのです』
『中国の湖北省武漢市では封鎖を解除し、人々が仕事に戻ろうとしています。今後数ヶ月のうちに各国が挑戦する課題です。中国人にはぜひ、湖北省であったことについて、信頼できる情報を提供して欲しい。その経験から、他の国々は学ぶことができます』

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4月27日、日経夕刊の記事から。
『英紙フィナンシャル・タイムズは27日、新型コロナウィルスによる死者数が、各国の報告数より約6割多い可能性があるとの独自の調査結果を報じた。死因に関係なく各国の3~4月の死者数を調べたところ、例年と比べた増加幅が新型コロナ死者数の公表値を大幅に上回った。新型コロナと確認されないまま死去した人が多数いる可能性を示唆した。』
NY州の抗体検査の結果を見ても、このフィナンシャル・タイムズの調査を見ても、発表されたデータがどれくらい実体を反映しているのか、わからない感じがする。

4月22日、日経朝刊から。
『新型コロナウィルスの感染拡大の防止に追われる日本とは対照的に、ドイツや米国は経済活動の一部再開へ進み出した。欧州連合は再開に踏み出す条件として①感染拡大の鈍化②大規模な検査能力③十分な医療体制 ー の3つを挙げる。・・・
 収束に向けて決定打となるワクチンや特効薬が開発されるまでは、感染をコントロールできる水準に抑えつつ、経済活動を再開していかなければ、深刻な雇用喪失や長期的な経済停滞に陥りかねないとの見方が欧米で広がる。検査充実などを条件に感染抑制と両立しながら経済を回していく狙いだ。』

4月27日の日経朝刊の記事から。
『・・・ドイツは20日から中小の商店を順次再開した。1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す「再生産数」が1未満になったことが決定打となった。
 トランプ米政権も16日、感染者が少ない地域から段階的に経済活動を再開していく方針を示した。全米の新規感染者の増加が4月中旬に頭打ちとなったためだ。
・・・
 一方、新興国では収束の見通しが立たないうちに貧困層の生活困窮などを理由に制限を緩和する動きが出ている。南アフリカのラマポーザ大統領は23日、3月中旬から実施している全土封鎖を5月1日から段階的に緩和すると発表した。暴動が発生するなど制限解除への圧力が高まっていた。
・・・「見切り発車」の緩和はさらなる感染の拡大につながりかねない。』

2ヶ月くらい先の世界がどのようになっているのか、予測がつかない。推移を注意深く見ていきたいと思う。

2020年4月 2日 (木)

3月31日の日経新聞から

3月31日の日経新聞夕刊1面に「製薬大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソンは30日、新型コロナウィルスの予防ワクチンの提供を2021年初めにも始めると発表した」という記事が掲載された。
幸運なシナリオは、日本で大きく感染の広がることなく、どうにか今年を過ごし、もしかして来年のどこかでワクチンの恩恵にあずかれるかもしれない、というものだろうか。

30日、東京都の会見で専門家が、2,3日で感染者が倍増することがないよう、固唾をのんで見守っている、と述べていた。(2,3日間で倍増すると、外国のような状況になる。)おそらく彼の言う通りで、このところの感染者数の推移を見ると、今の日本は確かにぎりぎりのところにいると思う。

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同じ3月31日の夕刊1面には「富士山大噴火で首都圏交通まひ」という記事もあった。1707年の宝永噴火と同規模のものが起こると、最悪の場合、3時間後にに都心で停電や鉄道の運休が発生、とある。以前読んだ鎌田浩毅著「富士山噴火と南海トラフ」にも、その規模の噴火で、電気と飲料水の供給が止まる、ということが書かれていた。3.11も経験したことのないものだったけれど、火山の噴火は遙かに大きな影響をもたらすらしい。
電気や水の供給停止は生活に直結するから、トイレットペーパーどころではない買い占め、パニックが発生すると思う。今、多くの人の行動を左右しているスマートフォンに加え、クレジットカード、ICカード、ATMなどの決済システムは、停電が長く続いても、変わらず使えるだろうか。
現在、日本での感染がぎりぎりのところに留まっているとして、もし火山の噴火や大きな地震、台風などの災害が起きたら、かなりまずい状況になると思う。

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3月31日の日経朝刊には「サピエンス全史」の著者、ユヴァル・ハラリ氏の寄稿文が載った。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57374690Y0A320C2000000/ 全文読むにはログインが必要です)
その冒頭から、

『人類はいま、世界的な危機に直面している。おそらく私たちの世代で最大の危機だ。私たちや各国政府が今後数週間でどんな判断を下すかが、今後数年間世界を形作ることになる。その判断が、医療体制だけでなく、政治や経済、文化をもかえていくことになるということだ。
・・・・・
新型コロナの嵐はやがて去り、人類は存続し、私たちの大部分もなお生きているだろう。だが、私たちはこれまでとは違う世界に暮らすことになる。・・・
・・・・・
今回の危機で、私たちは特に重要な2つの選択に直面している。1つは「全体主義的な監視」と「市民の権限強化」のどちらを選ぶのか。もう1つは「国家主義的な孤立」と「世界の結束」のいずれかを選ぶのか、だ。
・・・・・』

今回のウィルス感染で人とモノの動きが止まり、経済への大きな影響が連日報道されている。
どこかに書かれているわけではないけれど、日本経済新聞の前提は、経済成長は是である、ということだと思う。経済が伸び続ければ、記事は楽観的だし、今回のように大きなブレーキがかかると悲観的な論調になる。でも経済は、あるいは限定して、モノの生産と消費は、無限に成長し続けられるのだろうか。
モノが売れない、と言われて久しい。日本の多くの人はモノであふれた家に住んでいるから、売れないのだと思う。例えばクルマの生産は日本が世界に誇る技術だ。日本自動車工業会のHP(http://www.jama.or.jp/world/index.html)によると、2018年世界の四輪車生産台数は9570万7千台、2017年世界の四輪車保有台数は13億7341万台、とある。毎年1億台(!)近い四輪車が生産され、それに伴って莫大な雇用と消費が生み出され、お金が回っていく。でもこの小さな宇宙船地球号で、それはこの先10年、50年、100年と続けていけることなのだろうか。

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欲求が次から次へと押し寄せてくるのが人間というものなのかもしれない。ハラリさんが述べたように、いつか感染が収まった時(あるいはすでに)、世界は変わっていると思う。どのように人間がふるまっていくことが、決して大きくはない地球での生活に適うのか、そろそろ考える時に来ているのでは、と思う。
京都、龍安寺の蹲踞(つくばい)には「吾唯足知」(吾唯足ることを知る、ワレタダタルコトヲシル)とあるそうだ。(http://www.ryoanji.jp/smph/guide/grounds.html#g_lis02
龍安寺を再訪できる時が来ることを願うばかりです。

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2020年3月11日 (水)

3.11

9年前の今日、函館の市民会館にいて長く続く揺れを経験した。
幸い数日後に帰宅でき、東京のスーパーでトイレットペーパーを抱えて右往左往する人たちを見たとき、1970年代のオイルショック時に人々がトイレットペーパーを求めて狂奔する映像がよみがえり、目の前の現実と重なって信じられない思いがした。

先週、トイレットペーパーが棚から消えた、と報道され、震災当時を思い出した。(2011年3月14日の日記をご覧下さいhttp://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-550a.html

9年しかたっていないのに、身の周りで起きたことを書き留めておくのは意味がある、と思う。

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ウィルス感染に対する様々な対応を見て、4年前の日経新聞に掲載された記事のことを思い出した。2016年3月11日の日経新聞で組まれた「大震災から5年」という特集の中の、自衛隊統合幕僚長だった河野克俊さん(震災当時は統幕副長)の文章から、

『福島原発が危ないと最初に我々に知らせてくれたのは実は米軍だ。米軍は原子力空母を持ち、原子力に対する知識が豊富だ。当時、米原子力空母『ロナルド・レーガン』が三陸沖で活動していたが、原発周辺の情報収集にあたっていた艦載ヘリコプターが「原発事故があった」と母艦に知らせたようだ。
 私は当時のフィールド在日米軍司令官からの電話で、初めて原発から放射性物質が漏れていると聞いた。その時点では全く知らなかった。日本に多くの自国民を抱える米国は日本の原発対応にいら立っていた。日本の問題は米国の問題でもあった。』

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休みの度に海に行く。僕がどんなにあたふた行動しても、心をどんなに乱しても、海はいつも海で、水平線は水平線のままだ。
9年前のあの日、海が近い函館駅前のホテルに戻ると、夜の7時頃、停電で暗くなった建物の1階に、黒い水が音もなく上がってきた。函館にはずいぶん遅れて津波がやって来て、東北ほどは大きくなかった。海がいつもの海ではなく、そこから巨大な嵩の水が押し寄せてくるのは、どんなに恐ろしかっただろう、と思う。

2019年12月30日 (月)

今年読んだ本から

今年も様々な本を読んだ中で、幾度も思い返すことがあったのは7月20日の日記(http://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-31daf2.html)でも触れた釈宗演著「禅海一瀾講話」の中の、この部分だった。

『・・・飛騨の国あたりで、檜の版木板を造る所の人が、或る日、例に依って山の中に入って、そうしてそれを拵えようと思う中に、向こうを見ると古い年を経た杉が一本ある。その後ろに何者か居るかと思うて、眼を注いで見ると、山伏の姿をした者が一人立って居る。これが即ち世に謂う天狗というものであろう、この怪しい人間が即ち天狗であろうと、心にそう思って眺めたらば、その山伏らしい人間が声を荒らげて、「おぬしはおれを捉えて、怪しい天狗じゃと思うて居るな」、とこう云うた。それからまたその木挽が、こいつはどうも怪しい、是れはぐずぐずして居ってはいけぬ、早くこの仕事を片附けて家に帰ろうと、こう心で思うたらば、またその山伏が直ぐに、「おぬしはおれが怪しいとこう見て、早々此処を片附けて家に帰ろうと思うて居るな」とこういうて、天狗らしい奴が、こっちの心で思う通り、向こうで答えた。それから早々日も暮れるし、こんな所にぐずぐずして居ってはいけぬと思って、その版木板を片附けようとして、何か縄で括ろうとする拍子に、縄が切れて、一枚の版木板が山伏の鼻面に当たったと思うて見ると、その怪し気な人間がまたこういうことを言うた。「貴様は一向気の知れぬ奴じゃわい」、こう言うたかと思うと、その山伏の姿は掻き消すが如くに無くなった。これは或いは拵えた話であるかも知れぬが、なかなか面白い。』

人は何か意図をもって行動することが多いと思う。それはいったいどういうことなのか、とても興味深い。

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今年の後半も素晴らしい本に出会った。
養老猛司さんの著作をいくつか読んだ後で出かけた「虫展」は衝撃的だった。(2019年9月18日の日記htmlhttp://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2019/09/post-c697a1.html をご覧ください)
間もなく2020年になろうとする2019年に生きる我々は、素晴らしい科学技術と共に時代の最先端にいる、と思うかもしれないけれど、それは小さな一匹の虫にも及ばない、未だ人間は大腸菌すら作ることができない、と教えてもらえたことは幸せだった。
養老さんの「唯脳論」は1998年の出版、その冒頭に「現代人はいわば脳の中に住む。」という文章がある。街や電車の中で、とりつかれたようにスマートフォンの小さな画面を見続ける人がいる。養老さんはそのことを20年以上前、見事に予言していたのだと思う。交差点でも歩きながらでも、小さな画面を見続ける人たちは、家に帰ってもやはり見続けているのだろうか?確かに今、現実は見るに堪えないものになっているかもしれない。それでも携帯電話が普及する前、人々は移動する時ぼんやり外を眺めたり、誰かと話しをしていたのではなかったか。このような劇的な行動や脳の使い方の変化は、人間の感じ方や行動に、すでに変化をもたらしているのではないか、と思う。指先と視線を少し動かすだけ、それで毎日何時間も刺激を受ける。この状態が1年、5年、10年と続いた時、脳はどのように変化していくのだろう。

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猫を見ていると、常に周りの気配を感じていることに気付く。都会で暮らす人間はそうした能力をかなり失っていると思う。太陽の高さや向き、気温、湿度、風向き、風の強さ、草木の形、匂い、飛ぶ鳥たち、・・・。今月初めに三宅島を訪れた際、島の人たちが風向きのことを話していることに気付いた。残念なことに忘れてしまったけれど、二つの方向の風には名前がついていた。島の生活で風は、人や物資を運ぶ船や飛行機の運行に密接に結びついている。

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少し古い本になるけれどハロルド・ギャティ著「自然は導く」は特別な道具を用いず、周囲の自然環境から自分の位置などを知るナチュラル・ナヴィゲーションの本。もう少し自分を取り巻く様々なことに心を開こうと思った。そしてロバート・ムーア著「トレイルズ「道」と歩くことの哲学」は自然科学から文学、人生観に至る様々な分野をまたぐ本だった。何か新しい考え方のようなものがある。
分野は異なるけれど、森田真生著「数学する身体」にも何か新しいものを感じた。こうした考え方に触れると希望を感じる。数学は苦手だった、でも素直に数学って素晴らしい、と感じたし、彼のような人が中学や高校で教えたらずいぶん違うだろう、と思う。

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2018年4月13日の日記「最近の日経新聞から」(
http://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-91fb.html )で触れた作曲家、望月京さんの作品を先月、演奏する機会があった。本番前、ご本人にあの新聞連載が楽しかった旨申し上げると、それらが一冊の本にまとめられたばかりと教えてくださり、さらに・・・。連載は望月さんがパリで借りた部屋の大家さんとのやりとりから始まった。この新しい本「作曲家が語る音楽と日常」もやはり、その話から始まっていて、何度読んでも楽しい。どの文章にも人間に対する共感が底にあり、そのことに僕はとても勇気づけられる。

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様々な本を読む中で、物語の魅力とは何だろう、と思う。子供の頃、話を読み聞かせてもらうことが好きだった。それは年を取っても変わらない、人間の何か深いところに根ざすものなのだろうか。
この秋の新聞書評でカナダの作家、マイケル・オンダーチェのことを知った。まず「ライオンの皮をまとって」を図書館で借りてきて読み、それから新刊の「戦火の淡き光」を読み、年越し用に「イギリス人の患者」と「名もなき人たちのテーブル」を借りてきた。読み始めた「イギリス人の患者」は「ライオンの皮をまとって」の続編であり、96年公開の映画「イングリッシュ・ペイシェント」の原作でもある。
オンダーチェの訳書は少なく、出版社も様々で、触れる機会は多くないかもしれない。知らなかった作家を知るのは素晴らしい出来事だ。本の中には経験したことのない世界が広がる。

2019年11月15日 (金)

最近の日経新聞から

新聞を読んでいると時々、素晴らしいことが書いてある記事に出会う。そうした宝物のような文章が毎日読み終えられ、おそらくは忘れられてしまうしまうことをいつもとても残念に思う。

ラグビーW杯決勝戦を控え、10月31日の日経新聞に載った『重量級対決 輝く小兵』という記事から。
『・・・H・ヤンチースも167センチながら、今年の世界最優秀若手選手候補3人に選ばれた。体格について聞かれた時の答えが振るっていた。「ラグビーはケガを恐れればケガをするし、相手が自分に突進してくると思えば本当にそうなる」・・・』

11月1日、「日本化しないドイツの幸運」というマーティン・ウルフさんの記事の冒頭から。
『「どんなに切望しても2+2は4であり、3になったり5になったりはしない。人間は現実を突きつけられて苦しむ運命にある」 ー 。
経済について考えるとき、英詩人アルフレッド・ハウスマンのこの詩を思い出すべきだ。つまり勘定尻というのは合わなければならない。問題はどうやって合わせるかだ。・・・』

連載「私の履歴書」、今月はファンケルの池森賢二さん。めっぽうおもしろく毎朝新聞の届くのが楽しみ。先月の鈴木幸一さん(IIJ)も楽しかった。10月31日の記事から
『「わたしのようなただの音楽好きの素人が音楽祭(東京・春・音楽祭)など続けられるのだろうか」とムーティさんに相談すると、「むしろそのほうがいい」という。「音楽ビジネスのプロよりも、鈴木さんのように音楽を尊敬し、愛し続けられる人が、音楽祭を発展させられる。私も応援しますよ」と。この励ましは本当に心強かった。
 ・・・・・
本業のインターネットと音楽への思いが、人生の2つの支柱である。ネットも音楽祭も頼るべき海図や先例がなく、白紙の未来を自分の力で切り開く楽しさと苦しさがともにあった。』

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11月4日に掲載された為末大さんの記事は大変興味深かった。(「スポーツが開くことばの世界」シンポジウム 基調講演)
『スポーツ選手はいろいろな経験をします。その体験を言葉にするのが、好きな選手とそうでない選手がいます。・・・
私は言葉が本当に好きです。インターネットで活字や言葉が膨大に流れるなか、一番難しくなっているのは、良い言葉やストーリーに出合うことだと思います。
 ・・・・・
言葉は世界を整理します。私は競技力を高める上で言葉はすごく影響したと思います。私は専属コーチをつけませんでした。現役の18~34歳まで自分の学習を自分で試すしかなかった。そのとき支えてくれたのが言葉でした。
ただ、スポーツでどこかに意識を置くとそこに引きずられてしまう。一番いいパフォーマンスのときは、どこにも意識が置かれていない。イメージでいうと、矢印がどこかに向いていない状態になります。その感覚は非言語的です。
プレーの最中は非言語的な世界だと思ってください。コーチングでオノマトペで表現するのはよくないと言われていましたが、最近は重要ではないかと見直されています。・・・・・
選手はトレーニングの後に反省をします。いかに正確にどんな言葉を使うかで反省の精度が変わります。・・・事実と自分の意見を分けて整理する。これができないと分析も対応策も全部ゆがんでしまいます。
 ・・・・・
良い言葉というのは、たった一言で連鎖を生んでくれる。反対に、たくさん言葉を使っても選手の動きはよくならない。・・・
・・・無意識でできたことを言語化した瞬間、下手になることがあります。言語化しないほうがいい動きもあると思いますが、言語化しないとうまくならない。このあたりは私も答えは出ていません。
自分自身を言葉で定義することも重要です。過去の出来事や失敗を言葉にできるかどうかで、選手は学んだ感触になるだけか、実質的な学びになるか、その差が分かれます。言葉にできない選手は失敗を失敗としてとらえるだけになってしまいます。』

2019年9月26日 (木)

ラグビーワールドカップ

20年前のこの時期、コンクールを受けにフランス、トゥールーズに行き、ホームステイさせてもらっていた。素敵なホストファミリーのご主人Fさんはエンジニア(トゥールーズはエアバス社など航空宇宙産業がさかん)で、アマチュアのヴァイオリニスト。
1日遠出をしよう、というのでアルビまで出かけた。アルビはトゥールーズ・ロートレックの出身地であり、もう一つ、異端とされるアルビジョワ派の討伐後に建設された大聖堂がある。その中には細かな装飾がたくさんある一方、茶色のレンガでできた外側はのっぺりとしてマッシヴ、圧倒的な大きさからは異様な感じすら受けた。
Fさん夫妻と街にいると、あの建物のあの部分は何世紀のいつ頃の様式、ここはいつ頃の様式・・・、と僕には同じように見える建物の見方を教えてくれた。トゥールーズの大きな見本市会場での骨董家具の展示にも連れて行ってくれた。3つのブースに分かれていて、一つは誰が見ても文句のない一級品のブース、もう一つには(おそらく)頑張れば手の届きそうな家具、最後の一つには何だかよくわからないもの、例えば、傷みが激しく、ほとんどすだれのようになった絨毯とか、蛇口あるいはドアの取っ手だけが集めて置かれ、そんな中にフレンチブルドッグが寝そべっていたりした。
Fさんは、自宅にあるあの家具は何世紀のいつ頃のものだから、それに合う別の家具を探しているんだ、と言っていた。日本にいては到底知ることのできない、ヨーロッパの人たちの世界の見え方を教えてくれていたのだ、と思う。ご主人の仕事のことももっと聞いておけばよかった。
そう、トゥールーズと言えば、サン=テグジュペリが定期航路のパイロットとして飛んでいたところだ。彼の書いた「人間の大地」の、定期路線にデビューする箇所は好きな文章の一つ。

『・・・僕は雨に光る歩道で小さなトランクに腰を下ろし、空港行きの路面電車を待っていた。とうとう僕の出番だった。ぼくより先に、どれだけ多くの僚友がこの神聖な一日を迎えたことだろう。いったいどれだけ多くの僚友が、いくらか胸を締め付けられる思いで、こんなふうにして路面電車を待ったことだろう。・・・
・・・トゥールーズのでこぼこの敷石の上を走るこの電車は、何だか哀れな荷馬車みたいだった。定期路線のパイロットもここでは乗客の中に埋もれてしまって、隣席の役人とほとんど見分けがつかない。少なくとも、最初のうちはそうだ。だが、立ち並ぶ街灯が後方に流れ去り、空港が近づくと、がたがた揺れる路面電車が灰色のさなぎの繭に化けるのだ。そこから、じきに蝶に変わった男が飛び出してくるだろう。
 僕の僚友の誰もが皆、一度はこんな朝を迎えたのだ。そのとき、彼らはまだ横柄な監督の指揮下にある無力な下っ端に過ぎなかったはずだが、それでも彼らは、スペインとアフリカの定期路線を背負って立つ男が自分の内部に生まれつつあるのを感じたのだ。・・・』

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ある日、一人でトゥールーズの街を歩いていたら、スポーツバーのような店からすさまじい歓声が聞こえてきて驚いたことがあった。Fさんに尋ねると、ラグビーワールドカップでフランス代表がニュージーランドに勝った、しかもフランス代表にはトゥールーズのチームから何人も入っているんだ、と教えてくれた。その時はただ、ふーんと聞いたのだけれど、今月日本でワールドカップが始まり、その熱狂が少しわかるような気がする。ルールをよく知らない僕でさえ、大きな人たちが俊敏に動き回る迫力にすっかり魅せられるもの。
調べてみた。1999年の第4回大会、準決勝でフランスはニュージーランドを破り決勝に進出。10月31日のことだ。

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