映画・展覧会

2017年4月20日 (木)

昨日は楽しみにしていた原美樹子写真展「Change」へ。http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2017/04_shinjyuku.html#02
素晴らしかった。ただ、それを言葉にすることはとても難しい。特別なことが写っている訳でも決定的瞬間が写っている訳でもない気がするし、もしかして直接写っているものはさほど重要でないような気さえする。でも写真なのだから写っているものが・・・。
あぁこんな世界がある、と思った。アサヒカメラ誌4月号別冊に掲載された原さんのインタビューから

『ピントは目測なので適当にピントを合わせて、ファインダーも曖昧なのであまりのぞかない。目の前を通り過ぎていく風景であったり人であったりを、なるべく静かにすくい上げたいと思っています。目の前のものに対して感情、言葉が湧き上がってくる一歩手前が気になっているのかな。見てくださったそれぞれの方の記憶の断片に触れるような、そんな写真であればいいなと思います。』

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アルキメデスではないけれど、僕も風呂に入っていて思い付いた。楽器にかかる力を考えたエンドピンのストッパー。東急ハンズで材料を加工してもらい、早速組み立てた。さて。

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2017年4月 5日 (水)

「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」

昨日は映画「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」へ。http://yoyomasilkroad.com
スターたちのすごい演奏がたくさん、ではなく、なぜどうして、何のために音楽をするのか、が大きなテーマなのだと感じた。素晴らしかった。
ヨーヨー・マはいつも笑顔のスーパーチェリスト、と思っていたけれど、彼が自分の気持ちを語ると、やはり生身の人間だということがよくわかった。意外だったし、励まされた。いくつも印象的な言葉があり、今も考えさせられている。伝統は創造を伴っていないと縮小する、という意味のことを誰かが言っていた。そして皆生き生きと音楽をしている。そのことこそが音楽なのだと強く思った。
ヨーヨー・マがボビー・マクファーリンと共演したり、ピアソラ、ブラジル音楽、古楽器を用いたバロック音楽、フィドル音楽との融合(アパラチア・ワルツは僕のお気に入りだ)、日本で録音したバッハ、そしてシルクロード・アンサンブルなど、多様なことに挑戦してきた理由が、少しだけわかる気がした。

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銀座の映画館、残念なことに午前の回はがらがらだった。もうすぐ終わってしまう(シネスイッチは4月7日まで、ル・シネマは14日まで)。

2017年4月 2日 (日)

ギャラリー街道で開かれている尾仲浩二写真展「Matatabi・2017 春」へ。https://kaidobooks.jimdo.com/exhibition/2017/koji-onaka-201703/
何気ない光景が写っているようで、でも好きな写真がいくつもあった。カラーネガからのプリントは美しかった。最近新しいデジタルカメラを手に入れて嬉しくて仕方ない僕だけれど(富士フィルムのX100F)、こういう写真を見ると、やっぱりフィルムだなぁ、と思う。

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ところで今日、グーグルマップを見ていたら見慣れないマークがあり、触ったらパックマンのゲームが始まって驚いた。調べると4月4日まで期間限定のエイプリルフールらしい。僕が周囲に疎いからなのか、嘘のようなことが本当に起きてしまうこの頃だからなのか、今年はおもしろいエイプリルフールがない、とがっかりしていたところだった。

2017年3月16日 (木)

最近出かけた写真展、展覧会から。

どちらも終わってしまったけれど、リコーイメージングスクエア新宿で開かれていた中村邦夫写真展「津軽 1984-1988」へ。昭和終わり頃の生き生きとした日本人が写っている写真を見るのは楽しかった。中村さんご本人が在廊していて、昭和の時代までは縄文時代から一続きだったのに、(スマートフォンが登場してから)今断絶があるような気がする、とおっしゃっていた。
そしてアイデムフォトギャラリーシリウスの田中博写真展「東京トンボ日記」へ。東京にそんなに多種のトンボが生息しているなんて知らなかったし、美しかった。

埼玉県立近代美術館のカッサンドル・ポスター展へ。http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=336
もし2017年の新宿に彼のポスターが貼られても斬新できっと力強く感じられるだろうと思う。それにしてもどこかで見たことがある、と思っていたら、ミュージアムショップに並べられていた沢木耕太郎著「深夜特急」を目にして気付いた。「深夜特急」全6巻の表紙には全てカッサンドルのポスターが使われていたなんて!
下の写真は同じくミュージアムショップより、さい たま。

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水戸の茨城県立近代美術館まで足を伸ばして、東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展へ。
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/exhibition/kikaku/index.html
大きな画の前にたつと空気の動く様子まで伝わってくるようだった。製作過程も展示されていて、画家の渾身の仕事だったことが強く伝わってきた。唐招提寺にも出かけたい。
展示を見てからさらに大洗まで足を伸ばした。

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今日は表参道ヒルズで開かれているエルメスの手しごと展に。http://www.maisonhermes.jp/feature/421339/
平日夕方でもけっこうな人出で、でもじかに職人さんの話しが聞けて楽しかった。僕にはあまり縁のないブランドだけれど、とにかく色が綺麗で、仕事もとても丁寧に見えた。

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2017年1月13日 (金)

昨日は写真の日。ギャラリー冬青で開かれている渡部さとるさんの写真展「demain 2017」へ。楽しみにしていた。http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_1701_watanabe.html
渡部さんご本人がギャラリーにいて、アルバムのような写真集を作りたかった、と伺った。様々な場所、時間が混在していて、ものすごく特別なことは写っていないのかもしれないのだけれど、それらの写真に引き込まれる、そんな感じだった。

その後、ブックスアンドモダンへ。ハービー山口さんの写真展「and STILLNESS ─ あの日のプラハ、ワルシャワ、ブダペスト……東ヨーロッパ1985−1996」http://booksandmodern.com/gallery/
1985年の西ベルリンと、壁が崩れた1989年の東ヨーロッパが写っている。僕が東ドイツ(当時)に演奏旅行に行ったのが83年と85年。どうしてもこの頃の東ヨーロッパには強く関心を持って見入ってしまう。画面にはモノであふれる前の国々が写っている。ベルリンの壁が崩れた時、あぁこれで世界は融和に向かう、と本当に嬉しく思ったのに。

二つの写真展を見てから映画「こころに剣士を」(原題The Fencer)に。http://kokoronikenshi.jp/
ソ連占領下のエストニアを舞台とした映画。台詞はエストニア語なのだろうか。淡い光で包まれた画面も音楽も美しかった。

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1月8日の日経新聞にはイギリス秘密情報部(MI6)前長官、ジョン・サワーズさんの大きな記事が掲載された。最後には映画007シリーズにまでウィットたっぷりに言及して興味深かった。その中から。

『世界は再び、大国が主な役割を演じる局面に移ろうとしている。ロシアはウクライナとシリア、中国は南シナ海や東シナ海で軍事力を使い、西側諸国の影響力を排除しようとしている。これが、私たちが適応していかなければならない世界の現実だ。むろん、米中に並び、欧州と日本、インドも経済面では大国だ。この5か国・地域が世界経済を運営し、開かれた貿易システムを維持すべきだ。その上で、世界の安定を保つため、(米中ロという)3つの軍事パワーが均衡を保っていく。今後10年から15年の世界のあるべき姿とは、このような構図になるだろう』


2016年11月16日 (水)

「シーモアさんと、大人のための人生入門」

先日観たのは映画「シーモアさんと、大人のための人生入門」(Seymour an introduction) http://www.uplink.co.jp/seymour/

ピアニスト、シーモア・バーンスタインのドキュメンタリー。映画館を出たら、世界は違って見えた。
シーモアさんのいくつも印象深い言葉があり、それらはこれから様々な折りに思い出し、いったいどんなことを彼は言おうとしたのだろう、と考えることになると思う。音楽をする自分と、普段の生活をする自分と、その二つをどのように調和させるか、これは映画の大きな主題の一つではなかったかと思う。心が開かれるようだった。
さほど音楽に関心がない人が観ても美しい映画だろうと思う。もし演ずることを職業とする人が観たら、きっと深く心に届く言葉があると思う。

2016年11月 1日 (火)

「牛腸茂雄という写真家がいた」

素晴らしい写真展を見た。
富士フィルムスクエアで開かれている「牛腸茂雄という写真家がいた」http://fujifilmsquare.jp/detail/16100104.html
小さなサイズのプリントに写っているのはおそらく市井の人々。ストレートな写真に心の奥底から揺さぶられた。こんな眼差しの人がいたんだ、と思った。何度も写真を見返し会場の外に出てもまだ、心が動いている。こういうことはあまりない。
牛腸さんの言葉から

『ものを見るという行為は、
たいへん醒めた行為のように思われます。
しかし醒めるという状態には
とても熱い熱い過程があると思うのです。』

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2016年10月25日 (火)

「聖なる呼吸」

映画「聖なる呼吸」へ。http://www.uplink.co.jp/seinaru/
「ヨガとは、心の動きを滅すること」という言葉がとても印象的だった。集中するとはどういうことなのか、大きなヒントをもらえた気がする。
サウンドトラックも素晴らしく、はてこの古い録音は、と思った。エンドロールの動くスピードが速くて追いきれなかったのだけれど、往年の名演奏家の名前が次から次へと出てきた。

2016年10月12日 (水)

「グッバイ、サマー」

10月9日、日経新聞に掲載された林家正蔵さんの「言葉を食べて力となす」という文章から。

『お客様から木戸銭を頂戴し、御機嫌を伺うべく高座にあがることを、日々の生業としている。出囃子が鳴りいざ出番になるともう何十年も同じことのくりかえしのはずが、まるで駆け出しの前座のように、ドキドキと胸が高鳴る。
「緊張しない奴は、いい高座は勤まりませんョ」とは古今亭志ん朝師匠が私に言って下さった大切な言葉。無垢な了簡でとり組んでいても、悩み、苦しみ、気弱になる。いや無垢だからこそ、まともにぶつかり考え込むのである。これは性分だから仕方ない。』

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すっかり秋の空になった。

映画「グッバイ、サマー」へ。http://www.transformer.co.jp/m/goodbyesummer/
主人公たちは14歳という設定、実際その年代の子供たちが演じているのだけれど、見事だった。彼ら彼女たちが演じている、なんてこれっぽっちも思わずに画面に見入り、終わってから、あぁこれは映画だったと気付いた。主人公ダニエル役のアンジュ・ダルジャンは映画初出演だそう。そういう若者を主演にして映画を作るのは、見当もつかない道を歩いていくようで、けれどきっとわくわくする時間だっただろう、と想像する。
ダニエルの母親役も素晴らしく、こんな母親だと確かに子供は家出もしたくなるだろう、と思わせる。ぼんやりしている僕は観終わってから、それがオドレイ・トトゥと知って驚いた。「アメリ」の印象が強烈な彼女は、でもココ・シャネルを演じた時はシャネルにしか見えなかったし、今回はそんな華やかな雰囲気は出していなかった。僕が日本人だからか、日本人の俳優が演じると役柄より、どうしてもその俳優の個性に惹き付けられるし、配役もそれを生かしたものになっている気がする。でも外国の映画を観ると、あの映画のあの人がこの映画ではこの人に見事になりきっている、という驚きが多い。
「グッバイ、サマー」(原題「ミクロとガソリン」)はミシェル・ゴンドリー監督。甘くない青春映画、むしろ苦い。

2016年10月 9日 (日)

「井津建郎 インド ─ 光のもとへ」

8月、松本にいる時から行こう行こうと思っていて果たせず、10月になってしまい諦めかけていたのだけれど、でも見ないと絶対に後悔すると思って今日出かけた。清里フォトアートミュージアムで開かれている写真展「井津建郎 インド ─ 光のもとへ」(明日10/10まで) http://www.kmopa.com/---2014wordpress/wp-content/uploads/india_omote.jpg

今朝になってもまだぐずぐず寝坊し、ぎりぎりの時間に切符を買ってあずさに飛び乗った。小淵沢で小海線に乗り換えると車内には暖房が入っていた。清里からはタクシー。話に聞いてはいたけれど、こんなところにあるの、というくらい山の中だった。

展示は素晴らしかった。圧倒的で言葉を失う。僕はいったい何を畏れているのだ。

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出かける時は雨、帰りは晴れ、美術館に傘を忘れてきてしまった。


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