新聞

2020年8月31日 (月)

8月の日経新聞から

8月をふり返ってみる。

8月12日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染拡大に歯止めがかからない。世界の感染者数は10日、累計で2千万人を超えた。北米や中南米で感染拡大がやや一服する一方、アジアでの感染が勢いを増す。初期に厳しい措置で感染制御の成果を上げていた国でも経済活動の再開で流行が再燃しており、コロナ禍克服の難しさを浮き彫りにしている。
 感染拡大は加速している。6月28日に累計感染者数が1千万人を突破してから43日間で倍増した。1日あたりの新規感染者数(7日移動平均)は6月下旬に16万人程度だったが、最近は25万人前後に増えている。』

8月29日日経夕刊から、
『ドイツのメルケル首相は28日に記者会見を開き、新型コロナウィルスの流行について「今後数ヶ月で夏よりもさらに厳しい状況になる」と警告した。屋内での活動の増加などが原因で「事態は深刻で、あなた方も引き続き深刻に受け止めなければならない」と呼びかけた。』

8月30日日経朝刊から、
『世界で新型コロナウィルスの新規感染者の増加に歯止めがかかってきた。世界188カ国・地域のうち過半の107カ国で新規感染が抑制傾向にある。人口10万人あたりの新規感染者数は米国やブラジルで減少している。専門家はマスク着用や3密回避など予防策の普及が要因と指摘する。ただインドでは感染拡大が収まらず、欧州も主要国を中心に再拡大が続き、収束にはほど遠い。』

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8月6日日経朝刊から、
『厚生労働省は英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発を進める新型コロナウィルス感染症のワクチンについて、1億回分以上の供給を受ける方向で最終調整に入った。近く合意するとみられる。』

8月11日日経朝刊から、
『新型コロナウィルス感染症のワクチンを巡り、日本政府と英国などが共同で買い付ける枠組みが今年秋にも動き出す。2021年までに20億回分を確保する計画で各国の開発企業との交渉を本格化する。米中両国が独自にワクチン確保に動いており、日英などが共同チームで調達競争に臨む。』

8月6日日経夕刊から、
『米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは5日、開発中の新型コロナウィルスのワクチンについて、1本の販売価格を32~37ドルに設定したことを明らかにした。大量購入の契約の場合はさらに安くするという。 ワクチンは2本の接種で1セットとなる見込み。1本あたり30ドル台の価格設定は米ファイザーが米政権と契約した20ドル弱を上回る。』

8月25日日経夕刊から、
『世界保健機関のテドロス事務局長は24日の記者会見で、新型コロナウィルスのワクチンに共同出資する枠組みに172カ国が参加表明したことを明らかにした。ワクチンの争奪戦が激しくなるなか、各国へ公平に行き渡るよう参加をさらに呼びかける。』

8月12日日経朝刊から、
『ロシアのプーチン大統領は11日、同国の国立研究所が開発した新型コロナウィルスのワクチンを承認したと発表した。新型コロナウィルスワクチンの承認は世界で初めて。ただ国際的に承認に必要とされる大規模な臨床試験を完全に終了しておらず、安全性を懸念する声も強い。』

8月4日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスのワクチンが完成しても3人に1人が接種を望まない ー 。ワクチンの開発は急ピッチで進むが、最近発表された世論調査では米国人の根強い「反ワクチン」感情が浮き彫りになった。感染拡大が続く米国にとって、コロナ収束を阻む壁の1つになりそうだ。・・・
 米ジョンズ・ホプキンス大のアメシュ・アダルジャ上級研究員は「新型コロナをある程度制御するには、少なくとも人口の75%がワクチンを接種する必要があるだろう」と指摘する。たとえワクチンができても拒否する人が続出するすれば、米国は集団免疫を獲得できず、感染拡大が止まらない可能性がある。』

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8月2日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスに感染したが入院せずに済んだ若者でも、回復に時間がかかることが分かった。米疾病対策センター(CDC)によると、持病のない若者の約2割が数週間後も元の健康状態に戻らず、せきや倦怠感が続いた。CDCは「比較的軽症でも症状が長引く可能性がある」と指摘する。』

8月16日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの変異に関する研究が注目されている。英メディアで「ウィルスは弱毒化している」とみる専門家の意見が紹介されたことなどがきっかけだ。現時点でウィルスの危険性の低下を示す科学的な裏付けはない。ウィルスの変異は一定の確率で起こる。病原性や感染力がどう変化するか、世界規模の継続的な分析が重要だ。』

8月10日日経朝刊から、
『新型コロナウィルス感染症は、感染拡大から半年がたつのに謎だらけだ。最たるものが「回復した患者は免疫を獲得するのか」という疑問だ。・・・
 4月、「症状が改善した患者の3割で抗体が退院時にほぼなかった」とする復旦大学の発表が注目を集めた。欧米でも数ヶ月で消える人がいるという報告がでている。・・・
 国立感染症研究所の鈴木忠樹感染病理部長は「新型コロナが招く現象は、多くの人に共通する場合とまれな場合がある。きちんと分けて議論しないといけない」と話す。免疫の反応が通常の感染症と違う可能性もある。解明は困難を極める。』

8月21日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスに感染しても重症化しにくい患者がいる理由として、新型コロナが登場する以前から流行する従来型のコロナウィルスに感染した「免疫の記憶」が働いたとする研究が注目されている。新型コロナに感染経験がない人の体から、新型コロナをたたく免疫細胞が相次いで見つかった。こうした免疫を持つ人は全体の2~5割いるとされる。』

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8月24日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスに感染し重症になる人がいる一方で、症状が出ない人もいる。新型コロナウィルスの体内への侵入に対し、ヒトの防御機構である免疫システムがどう反応するのか、依然として謎が多い。新型コロナへの免疫応答の研究で最前線にたつ米エール大学の岩崎明子教授は「炎症を引き起こすサイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質の総称)が重症化を見極める上で重要だ」と話す。
 ー 新型コロナに対する免疫応答でこれまでに何がわかり、何がわかっていないのか。
「私の研究室では免疫応答がどう感染防御に働いているのか、あるいは病原性を引き起こしているかについて研究している。エール大学の病院の100人以上の患者さんの免疫応答の長期的な解析を行った結果、炎症性のサイトカインを多く産生する患者さんでは病態が悪化することがわかった」
 ・・・・・
「抗体が長く維持されないことは特に珍しいことではない。抗体が減ったからといって免疫がつかないわけではない。ワクチンで得られる免疫は自然の感染で生ずる免疫に比べ効果が高い。濃度の高い中和抗体(細胞への感染を阻止する物質)を生み出せるからだ。抗体が長続きしないことはワクチンへの期待を損なう理由にはならない。」
 ・・・・・
「感染してから長期間にわたって深刻な体調の不良を訴える人がかなりいる。倦怠感や頭痛などの症状でベッドから起き上がれないほどの重症の方もいる。発症前は健康な若者にこうした『コロナ後遺症』に苦しむ人が多く、男性より女性が多いようだ」
「自己免疫疾患ではないかと仮説を立てて解明に取り組んでいるところだ。免疫機構の暴走の末に、体内にできた抗体が自分自身の組織を攻撃してしまうようになったのではないか。自己免疫疾患だとわかれば治療法も編み出せるはずだ」』

8月25日日経夕刊から、
『香港大学の研究チームは24日、新型コロナウィルスに感染して回復した人が再び感染したことを初めて確認したと発表した。ウィルスを詳しく調べたところ、最初に感染したときとは別のものと判明したという。世界的な流行が長引く懸念がある。
 ・・・・・
 米紙ニューヨークタイムズによると、再感染が確認された男性には新型コロナの症状が出ていない。同紙は専門家の見方として「1回目の感染が免疫をつくり出し、発症を防いだ」(米エール大の岩崎明子教授)と伝えた。』

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8月30日日経朝刊から、
『中国で冷凍食品から新型コロナウィルスを検出したという報告が相次ぎ、その感染リスクが改めて注目されている。ウィルスは低温に強く、解凍後も感染力が残るという。ただ感染例はまだなく、専門家は手洗いや消毒など一般的な対策の徹底を呼びかけている。』

8月31日日経朝刊から、
『新潟大学の赤林伸一教授は新型コロナウィルスの感染防止のため国が決めた基準量で換気しても、ウィルスの飛散を防ぐ効果が不十分だとのシミュレーション結果をまとめた。教室に感染した生徒がいた場合、生徒が退席してから10分後も、ウィルスを含む飛沫の6割は室内全体に広がり残っていた。
 ・・・国は窓を開けにくい商業施設などで空調設備などを使って換気する場合、一人あたり1時間に30立方メートルの換気を推奨する。・・・』

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8月16日日経朝刊に掲載されたフィナンシャルタイムズの記事から、
『新型コロナウィルスの起源はコウモリとみられる。21世紀に入ってから相次ぐ、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの感染症もコウモリからヒトにうつったとされる。
 コウモリが、主要な人獣共通感染症の発生源になったのは比較的最近のことだろう。科学者らは、動物からの感染拡大が増えた原因として、無分別な自然との関わり方と急速なグローバル化があるとみる。こうした傾向に歯止めをかけるか事態を反転させない限り、病気の発生と大流行が繰り返されるとして、警鐘を鳴らす。』

8月25日日経朝刊に掲載された松尾博文さんの記事から、
『新型コロナが猛威を振るう今年、バッタの大発生が重なった。元は18年にアラビア半島南部で発生したサバクトビバッタが海を渡り、世代交代を繰り返しながら20カ国以上に広がり続けている。
 1平方キロメートルの群れは1日で3万5000人分の食料を食べ尽くす。農作物を食い荒らしながら1日で100キロメートル以上、移動する。ケニアは過去70年で最悪の事態になった。パキスタンは非常事態を宣言した。群れはインドにも侵入し、6月末にはニューデリー郊外に迫った。中央アジアや南米でも別の群れが発生した。
 国連食糧農業機関は東アフリカだけで2000万人が食糧危機にさらされると警告する。その間も内戦下のシリアやイエメンなどでは戦闘が続き、混乱に巣くうイスラム過激派が国を越えてつながる。』

8月22日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染拡大が各国で出生数の減少をもたらす恐れが出てきた。若者が雇用や収入への不安から結婚と出産に慎重になるためで、日米ではそれぞれ2021年の出生数が1割減るとの予測がある。・・・・・
 米ワシントン大は世界の人口が2060年代の97億人をピークとし、今世紀末に88億人程度まで減ると予測する。コロナ禍はこのペースを速める可能性がある。人口減は資源の利用や環境負荷を抑える反面、需要減や労働供給の制約につながる。潜在成長率を高めるため、不断の技術革新に取り組むことがこれまで以上に重要になる。』

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昨年パリを訪れたとき、かなり強引に観光客に接近してくる子供たちがいて驚いた。(2019年6月の日記をご覧下さい http://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-89c598.html)彼の地のスリの話はよく聞く。「表」ではない方法で生計を得ていた人たちは相当数いると想像する。世界中で観光客が激減した今、どのようにしているのだろう。深刻な何かにつながらなければいいけれど。

オーケストラの公演が行われる際、ホールには膨大な量の紙が台車に乗せて運び込まれ(積み込んだエレベータの床が沈むくらいの重さがある)、消費される。主催者が聴衆に配布するプログラムやチラシ、ホール入り口で袋に入れて配られる大量のチラシには、紙、印刷、撮影、デザイン、配布など様々な業種が絡んでいる。3月以降、一旦それらの需要はなくなってしまったのだろうか。

今月、都響はヨーロッパ公演を予定していた。指揮者やソリストはともかく、オーケストラの演奏旅行はしばらく難しいかもしれない。
世界には素晴らしいコンサートホールが数多くある。公演数が減って、そうしたホールの経営に影響しないことを願うばかりだ。そして時代がいつもより速く大きく動いても、生身の人間が音を出す演奏というものが変わらず必要とされることを願う。

2020年7月31日 (金)

7月の日経新聞から

7月をふり返ってみる。


7月8日日経夕刊から、
『世界保健機関は7日、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した新型コロナウィルスの感染について、新たな証拠があることを認識しているとの見解を示した。・・・
 WHOの感染予防の技術責任者ベネッタ・アレグランジ氏は7日の記者会見で、エアロゾルを介した感染の可能性を示唆したうえで、「換気の悪い場所などでの感染の可能性は否定できない」と話した。今後の検証作業を急ぐ考えを示した。』


7月21日日経朝刊から、
『英製薬大手のアストラゼネカは20日、英オックスフォード大学と開発している新型コロナウィルスのワクチンの初期の臨床試験で、強い免疫反応を確認したと発表した。ワクチンは9月にも供給を始める予定で、新型コロナ対策としての期待が高まっている。
・・・・・
 世界保健機関によると世界で開発中の新型コロナワクチンは163候補に及び、そのうち23候補が治験に入っている。最速での実用化を目指すのは英製薬大手のアストラゼネカと米バイオ企業のモデルナだ。
 アストラゼネカは・・・、ブラジルや英国、米国で治験を実施している。9月にも世界での実用化を目指す。今秋の実用化予定のモデルナは初期の治験で参加者全員にウィルスの働きを中和する抗体の生成が確認できたと発表した。・・・・・
 日本でも大阪大発バイオ企業のアンジェスが6月末から治験に入っている。塩野義は11月にも治験に入る。第一三共や田辺三菱製薬も子会社を通じて開発に取り組む。
 日本政府は国内外の有望なワクチン候補を持つメーカーと安定調達に向けた連携を進めている。』

7月28日日経夕刊から、
『米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは27日、開発中の新型コロナウィルス向けワクチンが臨床試験の最終段階に入ったと発表した。実際に新型コロナが流行する米国内90カ所で、3万人を対象とする大規模な治験を行う。米ファイザーも27日から世界各地で計3万人規模の大規模治験に入ると発表しており、ワクチン開発が大詰めを迎える。』

7月23日日経朝刊から、
『厚生労働省は新型コロナウィルスのワクチンの副作用で健康被害が生じた場合に被害者の医療費などを補償する制度をつくる。海外メーカーが訴訟で賠償金を支払う場合も国から補償を受けられるようにする方向だ。』

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7月22日のBBCニュースから、(https://www.bbc.com/japanese/53497638)
『英政府の新型ウィルス対策を策定している非常時科学諮問委員会メンバーのファーラー教授は、世界はCOVID-19(新型ウィルスによる感染症)と「この先何年も、何年にもわたって」共存していくことになると述べた。
「クリスマスまでに事態は収束しない。この感染症は消えてなくなったりしない。今では人間に特有の感染症だ」
「実際に、ワクチンや非常に優れた治療法があったとしても、人類はこの先も、何年も、何年にもわたって新型ウィルスと共存していくことになる。・・・」』

7月31日日経朝刊の「アジア便り」から、
『「現実的に考えるとワクチンが国内で行き渡るのはおそらく来年末頃になるだろう」。シンガポール保健省幹部は先日の記者会見でこう語った。・・・
 米グーグルは27日、在宅勤務を21年6月まで延長すると明かした。・・・』

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7月15日の日経朝刊から、
『厚生労働省は14日、6月に宮城、東京、大阪の3都府県で実施した新型コロナウィルスの疫学調査で、参加者から検出された抗体に、感染を防ぐ能力があることを確認したと明らかにした。
 国立感染症研究所の分析で、アボットとロシュという2つのメーカーの検査手法でいずれも「抗体がある」と判定された場合に感染を防ぐ能力があることが分かった。』

同じ7月15日日経朝刊から、
『韓国政府が3055人を対象に新型コロナウィルスの抗体検査を実施したところ、抗体が確認できたのはたった1人だったことが14日までに分かった。
 韓国のパク・ヌンフ保険福祉相は「抗体を持つ人がほとんどいないということは、韓国社会が集団免疫を形成するのは事実上不可能なことを示している」と指摘。「新型コロナの流行は有効なワクチンが登場するまで1~2年以上の長期化は避けられない」と警鐘を鳴らした。』

7月19日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスに一度感染して増強された免疫の能力が、数ヶ月で落ちるという研究報告が相次ぐ。免疫を持つ人に証明書を発行するという考え方もあるが、実現は難しい。・・・・・
 新型コロナの抗体については、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も「回復患者で十分な抗体を持たない人がいることを確認している」と言う。・・・・・』

7月26日日経朝刊から、
『新型コロナウィルス感染後に回復したものの、息切れや倦怠感などに悩む患者の報告が増えている。「後遺症」との見方もあるが、経過や続く期間などは不明だ。・・・
 退院患者の肺機能の低下は世界中で相次ぐ。フランスや中国の病院でも、多くの患者で、肺でのガス交換の異常や肺活量の低下がみられた。・・・
 感染で特にできやすいとされる血栓が原因との見方もある。・・・
 後遺症を防ぐ模索も始まっている。東京医科歯科大病院では、入院時からリハビリ治療を積極的に取り入れている。・・・』

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7月21日日経夕刊から、
『加藤勝信厚生労働相は21日の閣議後の記者会見で、海外との段階的な往来再開に向けて空港検疫の新型コロナウィルスの検査能力を現在の1日2300件から9月中にも同1万件に引き上げると表明した。現在のPCR検査に加え、検査結果がその場でわかる抗原検査も活用して効率化する。
 同省によると、8月1日までに同4300人に引き上げ、9月中に同1万件を目指す。』

7月14日日経夕刊から、
『新型コロナウィルスの世界の累計感染者数が1300万人を超えた。・・・
 世界保健機関のテドロス事務局長は13日の記者会見で「あまりにも多くの国が誤った方向に進んでいる」と強調した。「オールドノーマル(旧常態)に戻ることは当面ない」と懸念を示した。』

7月31日日経朝刊から、
『世界保健機関が新型コロナウィルスを巡って緊急事態を宣言してから30日で半年がたった。世界の累計感染者は1700万人を超え、新興国を中心に勢いが止まらない。・・・
 米ジョンズ・ホプキンス大によると、直近約1ヶ月半で感染者は倍増した。米国、ブラジル、インドの三ヵ国で全体の半分を占める。中国やスペインなどいったんは抑制した国で再び拡大するケースも目立つ。世界で死者は約67万人に上る。
 WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した1月30日時点では、感染者は約8000人にとどまっていた。・・・
 ・・・・・
 WHOは現在、ウィルスの起源を突き止めるため中国に専門家を派遣し、8月以降に現地で本格的な調査に乗り出す。発生源や人に移った経路が分かれば、将来の感染予防に大きな前進となる。・・・』


様々な国や人が、感染が広がる前の社会の姿になんとか戻そうとしているように見える。残念ながら、世界は新しい局面に入っているのではないだろうか。日常が突然断ち切られたことは理不尽で、たとえそれを受け入れられなくても、ウィルスはそうした人の思いとは関係なく動く。今の状況に適応する生活や経済の形を見つけることが、と思う。
各国の感染対策はうまくいっているのだろうか。政治家は人間の思惑や感情の海を泳ぐことに長けていても、ウィルスには手を焼いているようにみえる。人間のコントロールが及ばない物事を深く学んだ人を、政治の中枢に入れることが必要と思う。

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7月21日日経夕刊に掲載された安田秀一さんの記事から、
『プロ野球が約3ヶ月遅れて開幕し、Jリーグも再開しました。新型コロナウィルスの影響で無観客での開催でした。・・・・・
 みなさんは観客不在のプロ野球をどう感じましたか。僕は具の入っていない塩おにぎりを食べているような印象を受けました。観客の熱狂というのはスポーツエンターテインメント、興行としての根本要素だと改めて認識しました。
 スポーツビジネスとは熱狂をマネタイズすることです。チームや選手を応援する気持ち、素晴らしいパフォーマンスによって生まれる興奮や高揚感をお金に変えていく。無観客試合はその対極にあります。 熱狂を生み出すことができなくなったこの危機に、スポーツはどう対処すべきでしょうか。正直言って、僕にも明確な答えは分かりません。・・・・・』

7月21日日経朝刊、「霧中の五輪」という記事から、
『「最悪のシナリオは五輪中止。考えただけでも恐ろしい」。五輪競技の国際団体の理事は声のトーンを落として続けた。「それでも我々は生き残らなければならない」
 「秋までにコロナが収束して国際大会を再開」「収束は遅れるが五輪は開催」「収束にいたらず五輪中止」。団体の経営計画は3つのシナリオを想定し、事務所の一部閉鎖や人員削減も選択肢に含めているという。』

7月14日日経夕刊、「演劇再始動」という記事から、
『いずれ演劇公演が完全に正常化しても「配信は避けて通れない」との声が過半だ。「ウィズコロナ」の時代は「ウィズ配信」の時代を招いた。政府や自治体の補助金も、配信事業を対象にした者が目立つ。
 しかし、観客数を減らしたまま収支を合わせるのは容易でない。動員力のある三谷幸喜「大地」でさえ、配信を「10万人が見てくれないとペイしない」という。配信のチケット代は劇場用の4分の1。それで観客の減少分を埋めねばならず、配信のコストもかかる。』

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都響も7月12、19日に公演を行った。久しぶりの演奏会は素晴らしい時間だったけれど、再び感染が広がっていく中、聴衆に演奏会場まで来て頂くことを、僕は心苦しく感じた。状況が日々変化する今、演奏会など先々の計画を立てることはリスクを伴い、なかなか難しい。
終演後、奏者が舞台上で握手をする習慣は、肘を合わせることに変わり、客席からの「ブラヴォー」は叫ばれるのではなく、横断幕に書かれていた。
演奏会の模様は7月29日からチャリティーとして有料配信されている。(https://www.tmso.or.jp/j/news/9136/) 演奏会が常に配信されるようになったら、仮に感染が広がって聴衆を迎えられなくなっても、公演自体はキャンセルしなくてもすむかもしれない。一方、奏者の負担は大きくなるかもしれない。
動画サイトには無数の魅力的な動画があふれ、有料配信ではまずベルリンフィルの素晴らしいクォリティのものが頭に浮かぶ。その中で僕たちの演奏は果たして。

数年たって2020年7月をふり返った時、あの時あぁすることが、とわかるかもしれない。でも今は皆手探りで進んでいる。

2020年6月30日 (火)

6月の日経新聞から

今月をふり返ってみる。

6月29日日経夕刊から、
『米ジョンズ・ホプキンス大学によると、世界の新型コロナウィルスの累計死者数は29日、50万人を超えた。欧米各国に加え、ブラジルやメキシコなど新興国でも増加している。・・・
 新型コロナの世界の累計感染者数も1千万人を突破した。先進国を中心に経済活動を再開する動きが見られ、感染ペースが鈍化した国では渡航制限を一部緩和する動きも出てきた。ただ再開を急ぐあまり感染が再拡大する懸念も広がっている。
 感染の再拡大を防ぐための動きも出ている。・・・』

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6月5日日経夕刊から、
『英製薬大手のアストラゼネカは4日、英オックスフォード大学と開発する新型コロナウィルスのワクチンについて、今年から来年にかけて20億回分の生産が可能になるとの見通しを発表した。』

6月11日日経夕刊から、
『米政府が支援する3つの新型コロナウィルスのワクチン開発計画が今夏にも治験の最終段階になどに入ることが10日、分かった。・・・
 報道によると、7月に米バイオ医薬ベンチャーのモデルナがワクチン開発の最終段階に当たる治験の第3段階に入る。
 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは9月に予定していた初期段階の治験を7月後半に前倒しすると10日、発表した。
 8月には英オックスフォード大学と協力する英製薬大手アストラゼネカも第3段階に入る。米政府の支援を受け、各社は約3万人を対象にワクチンとプラセボ(偽薬)を投与し、新型コロナ発症率の差を確認する。通常、同段階では数千人が治験対象となるが、開発を加速するために規模を拡大する。
 これらとは別に、米政府が100億ドルを投じた「ワープ・スピード作戦」の支援対象となっている米ファイザーのワクチン候補は7月にも第3段階の治験に入る準備を整えている。
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、今後、仏サノフィが開発するワクチンも大規模な治験を政府が支援する可能性があるという。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、新型コロナのワクチン開発計画は世界中で135に上る。しかし、第1段階以上に進んでいるものはごく少数に限られる。』

6月13日日経朝刊から、
『第一三共は12日、新型コロナウィルスに対するワクチンを開発すると発表した。2月から東京大学と研究を進めてきたが、効果が確認できたことから開発に乗り出す。今後は動物試験などを実施。2021年3月ごろの臨床試験開始を目指す。』

6月18日日経夕刊から、
『大阪府の吉村洋文知事は17日の記者会見で、大阪大発のバイオ企業「アンジェス」が開発を進めている新型コロナウィルスのワクチンについて、10月に400~500人規模の臨床試験を実施すると説明した。
・・・
 ワクチンは大阪大の森下竜一教授が中心となって開発。吉村氏は治験や国にの認可を経て、2021年春~秋の実用化を目指し、数百万人分の製造が可能としている。』

6月24日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの「第2波」に備え、欧州各国がワクチンの調達を急いでいる。ワクチンはまだ開発段階だが、米国が先駆けて欧州製薬会社と契約を結んだことに対抗する。各国政府が製薬会社と直接交渉し、今秋にも供給されるワクチンを確保しようと躍起だ。』

6月18日日経朝刊、「史上最大のワクチン事業 仙台医療センター・ウィルスセンター長、西村秀一氏に聞く」という記事から、
『ワクチンは流行が来てみないと効くかどうか分からないんです。頻度は低いかもしれないが副作用もあるし、因果関係が不明でも接種後に偶然亡くなる人が出ることだってあります。たとえば心筋梗塞など。多くの人が接種するほどそうした報告が頻発する。すぐに大量のワクチンが用意できないときは、接種の優先順位を決める必要があります。医療従事者か、高齢者か、基礎疾患のある人なのか。小児はどうするのか。
 こういうことを接種事業を実施する前に国民に説明しなければならない。副作用事案に備えてきちんと調査をする期間を整えておく必要もあります。何事もリスクはあります。』

秋以降、欧米でワクチンの接種が始まり、日本では来年になって一部の人に、ということだろうか。そして来年の春にはワクチンの効果や副作用について、検証や報道がされているのだろうか。

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6月5日日経朝刊から、

『新型コロナウィルスに感染した子供で、発熱や発疹、腹痛などを患う『川崎病』に似た症状になったとの報告が欧米で相次いでいる。』

6月6日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染者が重い合併症を患う症例が、世界で相次ぎ報告されている。心臓や脳、足など肺以外でで重篤化するケースが目立つ。世界では300万人近くが新型コロナから回復したが、一部で治療が長期化したり後遺症が残ったりするリスクも指摘され始めた。各国の研究機関は血栓や免疫システムの異変など、合併症のメカニズム解明を急ぐ。』

6月12日日経朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染が拡大していた4月、「特定警戒地域」だった13都道府県のうち11都府県で平年より死亡数が大きく上回る「超過死亡」があったことが11日、日本経済新聞の集計で分かった。・・・
 東京都は11日、緊急事態宣言が発令された4月分の死亡数を公表。死亡数は1万107人で、平年より1056人(11.7%)増加した。都を含め埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡の計7都府県は平年より1割以上増えていた。』

わからないことばかりだ。

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6月17日日経朝刊、「唾液の抗原検査 重要」という専門家会議副座長、尾身茂さんの記事から、
『PCR検査と組み合わせる検査として期待を示したのが唾液による抗原検査だ。この検査は唾液に含まれる新型コロナウィルスの一部の物質を検出する。現状では、遺伝子の量を調べるPCR検査に比べて感度が劣る。企業が精度の検証をしている段階で、まだ実用化していない。
 尾身氏は予備的な調査を元に、精度の問題をクリアして利用できる見込みを示唆した。』

6月22日日経朝刊から、
『専門の技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウィルスを判定する検査法が実用に向けて動き出す。日本大学の桑原正靖教授らが作ったウィルス検査で、月内に塩野義製薬と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶ。インフルエンザのように病院で医師や看護師が検査してすぐ結果を知ることもでき、経済再開に向けた環境整備につながる。
 塩野義は検査キットが診断に使えると判断すれば、厚生労働省に薬事承認を申請し、今秋の実用化を目指す。』

人類の叡智を結集して、リトマス試験紙のように、誰でも手早くできる検査方法を開発できないのだろうか。外出前、5分くらいで陰性か陽性か調べられるようになったら、ずいぶんいいのに。


6月10日日経朝刊から、
『ソフトバンクグループは9日、グループの社員や医療従事者ら4万人を対象に実施した新型コロナウィルスの感染歴を見る抗体検査の結果を公表した。抗体を保有していた陽性率は0.43%だった。』

6月16日日経夕刊から、
『厚生労働省は16日、東京、大阪、宮城の3都府県で実施した新型コロナウィルスの抗体検査の結果を公表した。過去に感染したことを示す抗体保有率は東京0.1%、大阪0.17%、宮城0.03%だった。いずれも公表ベースの感染率を上回ったものの、海外と比較して低水準だった。・・・
 一方、米ニューヨーク州が実施した検査の抗体保有率は12.3%、スウェーデンのストックホルムは7.3%に達しており、海外の感染拡大国に比べると低水準だ。
 同省も「大半の人が抗体を保有していない」と結論付けた。現時点では抗体がどれだけの期間持続するかや、抗体保有者に再感染リスクがないかは分からないとしている。』

6月4日日経夕刊から、
『スウェーデン政府で新型コロナウィルス対策を担う疫学者のアンデュ・テグネル氏は3日「我々がやってきたことは明らかに改善の余地がある」と述べた。同国はロックダウンをせず、多くの人が感染して『集団免疫』を獲得することを目指す独自路線を取ったが、死者数が増えて批判が強まっていた。』

6月26日日経朝刊、「集団免疫 終息のカギ」という記事から、
『集団免疫は感染者の割合がどれくらいになれば得られるのか。これは1人の感染者が新たに何人に感染させるかを表す『基本再生産数』という値などから割り出す。欧州の感染例を参考に基本再生産数を2.5として感染の広がりを求めると、全体の6割程度の人が免疫力を持てば感染は収まるとされている。・・・
 スウェーデンのストックホルム大学などは免疫を持つ人が4割程度で集団免疫が獲得できるとの試算をまとめ、英科学誌サイエンスに発表した。外出する機会などが多い13~39歳の若年層が感染した割合が7割に達すれば、高齢者などの感染した割合が3割前後に留まっても再流行しないと分析した。
 英オックスフォード大学などのグループは人口の1~2割が感染するだけで流行が拡大せず終息に向かうとした。感染しやすさや接触頻度がばらつけば、感染は広がりにくいという。
 ・・・・ ただ集団免疫の推定を巡る研究は実際の社会で実証されておらず追加の研究が欠かせない。また感染者でも免疫が長期にわたり保たれず集団免疫は期待しにくいとの指摘もある。』


6月24日日経朝刊から、
『空港検疫のPCR検査で新型コロナウィルスの感染確認が相次いでいる。入国制限により検査対象は全国で1日1千人程度にとどまるが、ほぼ連日新たな感染者が見つかっている。・・・
 政府は2月以降、水際対策を順次強化し、23日時点で入国拒否は111カ国・地域に及ぶ。現在入国できるのは日本人の他、早期に再入国の手続きをした上で日本を離れていた永住者や日本人の配偶者に限られる。症状の有無にかかわらず全員がPCR検査を受ける。
 ・・・
 政府は経済活動の回復に向けてビジネス目的の往来に対する制限を緩和していく方針。』

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6月15日の夕刊に掲載された日本フィル理事長、平井俊邦さんの記事から。

『 ー 危機に瀕する各オーケストラが存続する上での課題は。
「制度上の問題が大きい。多くの楽団が公益財団法人という形態をとっているが、年間の収入と支出をトントンにしなければならない『収支相償の原則』がある。利益を出し、積み立てておくことが難しいため、今回のような危機への備えができない。一方、2年連続で純資産が300万円を下回ると、法人資格を失い解散を迫られる」
「日本では、文化芸術は余裕がある人の道楽や教養ととらえられてきた面がある。だが心がカサカサになったときに、芸術がどれだけそれを潤わせ、和ませることができるか。長い自粛生活で痛感した人も多いのではないか。社会と経済、文化は一体のものだ」』

6月16日日経夕刊に掲載された作家、堀川惠子さんの『「不要不急」は人生の糧』という文章から
『劇場は連日、補助席も足りないほどの大入り満席。俳優は白銀のバックライトに唾を飛ばして熱演し、観客は肩寄せ合う熱気の中で物語に浸った。そんな舞台の「熱」を取り去らねばならぬコロナ対策は、あまりにむごい。
「不要不急」のレッテルを貼られた文化や芸術が先を見通せず、解を求めて苦しんでいる。演劇界でもネット上の試行錯誤は行われているが、劇場の一期一会の緊張感と臨場感は他には代えがたい。その空気感は、どんな精巧なカメラで撮影してもとらえきれぬ無二のものだ。
・・・・・
「文化は良き時代にのみ享受される贅沢品ではない。芸術は生命の維持に必要な存在だ」
ドイツの文科相が国民に語りかけた言葉に、一縷の希望を見出す。が、ここでなぜ遠い海外の大臣の言葉を引用せねばならぬのか、それもまた歯がゆい。』

大編成が必要なマーラーなどの交響曲や、大きな合唱団が入る第九の演奏会は難しそうだ。それだけでなく、演奏が終わった後、客席からの「ブラボー」も、舞台上で演奏者同士が握手をする習慣も、しばらくなくなるかもしれない。
都響は来月、予定を変更し、規模の小さな公演を開く。一方、ニューヨーク・フィルは来年1月5日までの公演中止を発表した。https://nyphil.org/plan-your-visit/how-to-prepare/health-and-safety 日本では様々なことが動き出しているけれど、この報道に接して、有効な治療法もワクチンもまだないことを思う。

2020年6月10日 (水)

「心の中に」

この日記も意外と長くなり、忘れている記事は多い。確かある画家が別の画家のことを書いた文章があったはず、と探したら9年前のことだった。心にふれるものがあって書き留めたのだけれど、その時はそれが何かわからなかった。
2011年2月の日記、日経新聞で安野光雅さんが佐藤忠良さんについて書いた文章から、

『何という光栄だろう。彼が直接に絵を描くところを初心者の目で見たのである。当然だが、ほかの誰もが描く方法と少しも違わない。外見に違いはない。まねのできない心の中にどうすることもできない違いがあると思えた。』

当時僕の日記を読んでくださったOさんが、この文章に言及したことは覚えていた。引用した僕自身はよくわかっていなかったのだけれど、今、本当にそうですね、と思う。人の心の中に入ることはできない。でも、こうして書かれた文章からほんの少しだけ、うかがうことはできる。それはとても貴重な経験だと思う。

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以前の日記を見返していたらピアニスト、舘野泉さんの文章を何度か引用していることに気付いた。こんな文章があった。2010年4月の日記から、

『・・・私の日常も、ピアノを弾くのは別段何かをしているということでもなくて、金太郎飴のように何処で切ってもいいし、どこから始めてもよいのかもしれない。・・・一日何時間弾かなければならないし、しばらく弾かないでいると感覚が鈍くなるというものでもない。いつでも、どんな時でも弾ける。ただ、しかし、楽器に触れた途端になにか実態のあるものに触れ、自分が確かに生きているという自覚を覚え、頭が冴え冴えと澄んでくるのも事実である。・・・
私は、ピアニストというのは手職人だと思っている。若いときからずっとそうだった。音楽を手で触るという感覚は面白い。手で音を撫で、愛しみ、大事にしていくのだ。・・・作曲家の生涯だとか作品の構成とか歴史といったものに興味を持ったり考えたりしたことはない。あるのは作品だけ、その音だけである。・・・
手職人、・・・という言葉が私は好きである。海に網を投げる漁師も好きだ。作品との対峙、対決をし、自分の個性を主張する行き方は好きではない。作品を通して無名性にいたることこそが望みだ。』

この文章を引用した10年前の僕は何を感じていたのだろうか。10年経って、近くが見えにくくなったり、若くはないんだな、と感じることはある。けれど、年を取ることは決して悪くない。
図書館が再開して、舘野さんの本を借りてきた。「舘野泉の生きる力」(六耀社)から、

『僕はステージに出て行く直前、何も考えない。ステージに出たら、そのとき世界が変わるのだ。ポンと音をたたくだけで、即座に新しい世界に飛び込める。
一曲目が終わり、二曲目に移れば、また全然違う世界が開ける。それはあたかも俳優が、まったく異なる登場人物を演じるとき、前のキャラクターを引きずらないのに似ている。違う色、違う心象になって、その前の気持ちはもう全部消えている。次の曲に入る前にひと呼吸置くとか、そういう間合いもあまり考えない。とにかく、一音弾けば、僕はそれで次の世界に入ってしまう。次のステップにパッと飛んで行けるのだ。
 ・・・・・
そして、弾き終わればまたすべてを忘れる。「今のはよかった!今度も同じように弾こう」と過去に固執することもないし、「あの曲を弾いた!」という感動に浸ったり、そうした感動の中で弾いたりすることもない。』

2020年5月31日 (日)

5月の日経新聞から

5月の日経新聞記事をふり返ってみる。

5月19日夕刊から、
『米バイオ医薬ベンチャーのモデルナは18日、開発中の新型コロナウィルスワクチンの初期の治験の結果が有望だったと発表した。・・・7月には大規模な治験に移行し、早期の量産を目指す。・・・
モデルナは開発と平行し量産に向けた準備も本格化する。
1日にスイスの製薬会社ロンザと同ワクチンの生産で10年契約の協業を発表した。・・・まずロンザが持つ米国とスイスの製造拠点でワクチンの生産体制を整える。7月には最初の出荷を見込んでおり、2021年以降は年間10億本規模の生産能力確保を目指す。・・・
英オックスフォード大は製薬大手と組んで年内に1億回分の生産を目指すほか、米ジョンソン・エンド・ジョンソンは9月までに複数のサンプルの臨床試験を行い、21年初めの供給を目指す。』

5月23日朝刊から、
『・・・日本でワクチンを供給できる企業は、武田薬品工業やKMバイオロジクス、第一三共、阪大微生物病研究会などに限られる。今回のコロナに対応するRNAなど最先端のワクチンを量産する企業はまだない。・・・
大阪大学発のバイオ企業アンジェスが進める新型コロナワクチンの量産は主にタカラバイオが担う。年間20万人分のワクチン開発の準備を進めているが、モデルナやオックスフォードのワクチンの0.02%にとどまる。・・・』

5月20日朝刊から、
『世界保健機関は19日、ワクチンを最初に開発した企業の特許権に制限をかけ、安くワクチンを供給することなどで協調をめざす決議案を採択した。ただ製薬企業にとっては「ドル箱」になるだけに、開発で先行する米国などの慎重姿勢は強い。』

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5月20日夕刊から、
『韓国保健福祉省は18日、新型コロナウィルス感染から回復して陰性と診断された後、再び陽性となった患者について、周囲への感染力が認められなかったとする調査結果を発表した。韓国は感染者の追跡や検査を厳格に実施しており、調査は米国などでも関心を集めている。』

5月2日夕刊から、
『米ミネソタ大学の研究チームが、新型コロナウィルスのパンデミックは1年半から2年間、世界の人口の約3分の2が免疫を獲得するまで続くとの予測を発表した。・・・
・・・新型コロナは潜伏期間が長く、無症状の感染者も多いため、インフルエンザに比べて制御が難しいと指摘。人口の60~70%が免疫を得るまで、パンデミックは終わらないとの見方を示した。足もとで米国の人口の5~15%しか免疫をもっていないことを踏まえ、流行は18~24ヶ月続くとみる。』

5月7日夕刊から、
『米ワシントン大学は6日までに、新型コロナウィルスによる米国の死者数が8月上旬までに13万5千人に上るとの最新予測をまとめた。各州が行動規制を緩めて感染リスクが増えることを反映した。1ヶ月前の予測に比べて2倍超の水準への上方修正となる。・・・
4月上旬時点では、8月上旬までに6万人超が死亡すると予測した。5月末まで厳しい行動規制を続けることを前提にしていた。トランプ政権が経済活動を段階的に再開させる方針を示し、30州以上が飲食店やジムの営業を再開するなど、行動規制の緩和に動いている。』

5月13日夕刊から、
『・・・国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は12日、経済活動の再開を急げば「制御できない感染の急拡大を引き起こすリスクがある」と警告した。多くの州が感染者が多いまま行動規制緩和に動くなか、連邦政府がまとめた経済再開の指針を順守するよう求めた。』

5月29日夕刊から、
『中南米で新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。ブラジルの1日あたりの新規感染者は2万人を超え、米国を抜き世界最多となった。1日で日本の累計感染者数(約1万7000人)を上回るペースだ。ペルーやチリなども過去最多を更新している。低所得者層が多く住む地域から連鎖的に感染が広がり、死者数の増加も深刻だ。』

5月23日夕刊から、
『米疾病対策センターのレッドフィールド所長は英フィナンシャル・タイムズのインタビューで「南半球での感染拡大が落ち着いた後、北半球に戻ってくるのではないかと心配している」と指摘。気温が低下する秋から冬にかけて米国が再び感染の大きな波に襲われ、都市の再封鎖に追い込まれる可能性が高い、と警告を発した。』

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5月13日朝刊から、
『東京都は12日、新型コロナウィルスの都内での感染実態を探るため、下水を活用した調査をする方針を決めた。感染者の便からはウィルスが検出される。下水処理場に流れ着いた水の中のウィルス量を調べて、都内の感染拡大の兆候の察知につなげる。』

5月14日朝刊から、
『新型コロナウィルスの感染歴を調べる抗体検査を導入する動きが国内でも始まった。沖縄県が近く実施するほか、東京都も6月に始める。抗体検査は感染の実態を把握するのに役立ち、経済活動再開の判断材料に使える可能性がある。抗体が持続するかなど課題も多く、手探りで進む。
抗体検査は少量の血液を採取し、感染した際に免疫の働きで出来た抗体を調べる。簡易検査キットなら数十分で結果がわかり、専門の技師などは不要だ。PCRが現在感染しているかを調べるのに対し、過去に感染したかどうかがわかる。』


5月18日朝刊から、
『・・・世界的に注目されているのが「命か経済か」の二者択一ではなく『命も経済も』の二兎戦略。その代表例が、米ハーバード大倫理センターが4月に公表した「パンデミックに強い社会への道」と題する提言だ。

中身を要約すると、1日500万件以上の大量の検査態勢を確立し、社会基盤を担う職場から順に正常に近づけていく発想だ。・・・

まず第1段階ではエッセンシャル・ワーカーといわれる、医療従事者や食品スーパーの店員、電気・水道などライフラインを担う人、警察消防など全労働者の4割に当たる人に繰り返し各種検査を実施。陽性者は公的な所得補償をした上で隔離し、職場には感染者がほぼおらず、安心して働ける環境を整える。
続くフェーズ2では、日用品の生産や食堂、公共交通など日常生活に必要な機能を提供する約3割の人に検査対象を広げ、その後は美容院など遠隔では難しいサービスに、最後にオフィスワーカーにも検査範囲を拡大する。
この大量検査を軸に、マスク着用など行動変容の持続や接触追跡アプリの活用によって「感染の再爆発を招くことなく、米経済は8月には回復軌道に戻せる」と提言はいう。必要な費用は検査の継続を含め、向こう2年間で500億~3千億ドルと巨額だが「都市封鎖と緩和を何度も繰り返し、経済が徐々に衰弱していくシナリオより遙かに安上がりで、多くの命と経済を救える」と結論する。』

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5月28日朝刊から、
『コウモリ由来のウィルスの著名研究者・・・石正麗氏が3ヶ月ぶりに中国の国営テレビに登場し、自らが所属する中国科学院武漢ウィルス研究所が新型コロナウィルスの発生源とする見方を改めて否定した。・・・
・・石氏は昨年12月30日に感染者の検体が研究所に持ち込まれたと経緯を説明。そのうえで「我々が知っているウィルスの配列と違うことを証明し、新型コロナウィルスと命名した」と指摘し、研究所からのウィルス漏洩を重ねて否定した。』

5月5日朝刊から、
『”スペイン・インフルエンザ”が出現した1918年は光学顕微鏡しかなく、ウィルスは人類にとって正体不明の敵だった。それゆえワクチン、治療薬もない。・・・
様々なワクチン接種も行われたが、ウィルスの正体が解明されていないため有効ではなかった。日本では神社での神頼み、米国では怪しげな民間療法、詐欺的な治療が横行した。同国では第1次大戦の敵国ドイツが菌を散布したという陰謀説が流布した。』


すっかり有名になった米ジョンズ・ホプキンス大学による新型コロナウィルス感染者数(死者数)は日経新聞にも毎日掲載されている。1週間の数字の変化から、様々なことが読み取れる気がする。(下の画像は左側が5月23日、右側が30日のデータ)
1週間で感染者が5割増えた国も、ほとんど変化のない国もある。データの信頼性は別にして、感染者に対する死者数の比率も国によって大きく異なる。何が違うのだろう。5月初めまでは日本もこの表に出ていたけれど、他の国の感染者数が増えたため、欄外になった。

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2020年4月28日 (火)

4月の日経新聞から

最近報道されたことをまとめてみる。

悪いニュース、と思った。いったいどういうことで、何が起きているのだろう。4月14日、日経新聞夕刊の記事から。

『WHOは13日、新型コロナウィルスの感染者で回復後に再び陽性になる患者が出ていることについて、回復者に免疫がついているかは不明だとの見解を示した。次に同じウィルスが侵入した際に、病原体を攻撃する抗体が体内で十分に作られていない可能性があるという。・・・』

4月25日の日経朝刊から。
『抗体検査は感染済みかを簡単に調べられる手法として注目を集めている。ニューヨーク州は23日、無作為抽出した3000人を対象とした調査で、13.9%が抗体を持っていたと発表した。州人口をもとに単純計算すると270万人が抗体をもっており、公表されている感染者数の10倍強に達する。
 他の国々の抗体検査でも同様に公表数値を大きく上回る感染を示す結果が出ている。・・・』

4月22日、日経朝刊に掲載されたWHOシニアアドバイザー、進藤奈邦子さんの記事から。
『「欧州は厳しい外出制限などの効果が出て安定してきた。WHOは日常生活に戻すための判断基準を作成した。世界全体ではいったんは感染が落ち着く時期がくる。大事なのは次の波をどう抑えるかで、そのためには国際協調が欠かせない。・・・」

 「抗体検査の信頼性はまだ確立していない。抗体をもっていることがどれだけ免疫防御になるのか、有効期間はどの程度なのかなど分からない点が多い。抗体検査の結果で外出制限を緩和するのは時期尚早だ」』

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4月1日、日経朝刊には「コロナワクチン、開発加速」という記事が掲載された。
『・・・米ジョンソン・エンド・ジョンソンは30日、ウィルスの遺伝子情報を使った短期製造が可能なワクチンを開発したと発表した。臨床試験(治験)を9月までに始める。米モデルナや日本のアンジェスも類似の技術で短期の開発を急ぐ。・・・』

これは教えて頂いたBBCのウェブサイトで、ワクチン製造に関するインタヴュー。免疫について、わかりやすい説明と感じた。
https://www.youtube.com/watch?v=Gb5rEY3LIVc

やはりBBCのニュースでオックスフォード大学のワクチン開発のことが伝えられた。23日に欧州初の臨床試験が始まったそう。
https://www.bbc.com/japanese/52407075

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4月15日、日経朝刊からドイツの対応について。
『「感染スピードを鈍らせるには学校閉鎖や大規模集会の禁止しかない。電気やガスは供給できるが、航空・鉄道は滞り、医療はパンク。消毒液やマスクの調達も難しくなる。感染終息には3年かかるだろう」
 まるで現状分析のようだが、実は7年前の2013年1月に連邦議会(下院)がまとめた報告書だ。世界規模のウィルス感染が起こったらドイツにどう影響し、政府はどう動くべきか。A4判30ページあまりの詳細なシナリオ分析は新型コロナを予言しているようだ。』

4月19日、日経朝刊から。
『台湾の新型コロナウィルスとの闘いは2019年暮れから始まっていた。・・・医師や感染症の専門家らは・・武漢市で発生した原因不明の肺炎に着目し、警戒の必要性に気づいた。病院の最前線で働く医師らの元には年明け早々、警告メッセージが届いた。
・・・・・
 新型コロナの感染拡大の可能性をいち早く察知し、緊急事態と捉えた台湾当局の初動は素早かった。武漢市当局が原因不明の感染症発生を認めた12月31日、武漢からの直行便に対してすぐに検疫を開始。・・・』

4月16日、日経朝刊に掲載された100年前のインフルエンザの流行について。
『欧米での大流行から4ヶ月ほどたった18年10月ごろから日本でも本格的な流行が始まった。国内では2度の感染爆発を迎えることになるが、「前流行」と呼ばれる時期だ。・・・前流行は翌19年の夏前には収束した。内務省の記録では患者は約2117万人、死者は25万7000人。当時の国民の4割が感染し、死亡率は1.22%だった。
 そして同年秋から「後流行」がやってくる。・・・後流行は20年夏に収束。患者は約241万人、死者は12万8000人だった。感染が前流行の1割に激減したのは多くの人が免疫を獲得したためといわれている。一方、死亡率は5.29%と4倍以上に跳ね上がった。・・・』

4月25日、日経朝刊から。
『新型コロナウィルスは何者かがエイズワクチンを開発する過程でつくり出した。・・・フランスのリュック・モンタニエ博士らがこんな主張を展開している。支持する研究者は皆無に近いが、ウィルスの正体はなお謎が多い。・・・新型コロナウィルスのゲノムの1%未満の短い領域に、HIVに由来する情報の断片が6つあった。その入り方に自然にはあり得ない特徴がみられ、人為的に挿入したと考えられるという。
・・・科学界の反応は冷たい。仏パスツール研究所や国立科学研究センターの研究者はこの説を相次ぎ否定した。他のウィルスの遺伝情報が入るのは自然界でよくあるという。長崎大の安田二朗教授もゲノムを見て「不定期に変異が起きており、人為的な改変とは考えにくい」と指摘する。・・・』

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4月9日の日経朝刊に掲載されたフランスの経済学者、ジャック・アタリ氏の記事から。
『誰も第1の優先事項とは考えていないようだが、ワクチンと治療薬にきわめて多額の資金を充てることだ。いくつか支援策は発表されているがばかげていると言わざるを得ないほど少額だ。この問題はワクチンや治療薬があれば解決し、なければ解決しない。それにより危機は3ヶ月で終わるかもしれないし、3年続くかもしれない。』

4月12日、日経朝刊、ビル・ゲイツ氏の記事から。
『新型コロナウィルスにとって国境は意味をなさない。私がこの点を指摘するのは、各国政府が自国の対応に専ら集中しているからだ。
 多くの低・中所得国をいま支援しなければ、感染者数と死亡者数が現在の水準を超える可能性は高い。このままでは数百万人が命を落とす危険性がある。
 先進諸国が今後数ヶ月で抑え込みに成功しても、このパンデミックがどこかで猛威を振るう限り、新型コロナウィルスが再び襲ってくることはある。この点こそ、この感染症との闘いにグローバルに取り組むべき理由である。』

4月14日、日経朝刊、生物地理学者ジャレド・ダイアモンド氏の記事から。
『新型コロナウィルスの封じ込めは世界各国が足並みをそろえないと困難だ。戦いに勝つには国際的な協力体制が要る。世界的な問題を解決するモデルになり、核や気候変動、水産資源の保護といった課題に国際社会が協調して取り組む契機になるのが最良のシナリオだ。』

4月15日、朝日新聞に掲載されたユヴァル・ノア・ハラリ氏の記事から。
『感染症は全世界が共有するリスクだと考える必要があります。たとえば日本からウィルスが消え、しかし、南米のブラジルや、ペルー、エクアドルで流行が続いているとしましょう。ウィルスが人類の体内にいる限り、突然変異する可能性がある。より致死的になったり、感染力が強まったりして、あなたの国に戻ってくる。そして、さらに深刻な流行を引き起こすのです』
『中国の湖北省武漢市では封鎖を解除し、人々が仕事に戻ろうとしています。今後数ヶ月のうちに各国が挑戦する課題です。中国人にはぜひ、湖北省であったことについて、信頼できる情報を提供して欲しい。その経験から、他の国々は学ぶことができます』

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4月27日、日経夕刊の記事から。
『英紙フィナンシャル・タイムズは27日、新型コロナウィルスによる死者数が、各国の報告数より約6割多い可能性があるとの独自の調査結果を報じた。死因に関係なく各国の3~4月の死者数を調べたところ、例年と比べた増加幅が新型コロナ死者数の公表値を大幅に上回った。新型コロナと確認されないまま死去した人が多数いる可能性を示唆した。』
NY州の抗体検査の結果を見ても、このフィナンシャル・タイムズの調査を見ても、発表されたデータがどれくらい実体を反映しているのか、わからない感じがする。

4月22日、日経朝刊から。
『新型コロナウィルスの感染拡大の防止に追われる日本とは対照的に、ドイツや米国は経済活動の一部再開へ進み出した。欧州連合は再開に踏み出す条件として①感染拡大の鈍化②大規模な検査能力③十分な医療体制 ー の3つを挙げる。・・・
 収束に向けて決定打となるワクチンや特効薬が開発されるまでは、感染をコントロールできる水準に抑えつつ、経済活動を再開していかなければ、深刻な雇用喪失や長期的な経済停滞に陥りかねないとの見方が欧米で広がる。検査充実などを条件に感染抑制と両立しながら経済を回していく狙いだ。』

4月27日の日経朝刊の記事から。
『・・・ドイツは20日から中小の商店を順次再開した。1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す「再生産数」が1未満になったことが決定打となった。
 トランプ米政権も16日、感染者が少ない地域から段階的に経済活動を再開していく方針を示した。全米の新規感染者の増加が4月中旬に頭打ちとなったためだ。
・・・
 一方、新興国では収束の見通しが立たないうちに貧困層の生活困窮などを理由に制限を緩和する動きが出ている。南アフリカのラマポーザ大統領は23日、3月中旬から実施している全土封鎖を5月1日から段階的に緩和すると発表した。暴動が発生するなど制限解除への圧力が高まっていた。
・・・「見切り発車」の緩和はさらなる感染の拡大につながりかねない。』

2ヶ月くらい先の世界がどのようになっているのか、予測がつかない。推移を注意深く見ていきたいと思う。

2020年4月 2日 (木)

3月31日の日経新聞から

3月31日の日経新聞夕刊1面に「製薬大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソンは30日、新型コロナウィルスの予防ワクチンの提供を2021年初めにも始めると発表した」という記事が掲載された。
幸運なシナリオは、日本で大きく感染の広がることなく、どうにか今年を過ごし、もしかして来年のどこかでワクチンの恩恵にあずかれるかもしれない、というものだろうか。

30日、東京都の会見で専門家が、2,3日で感染者が倍増することがないよう、固唾をのんで見守っている、と述べていた。(2,3日間で倍増すると、外国のような状況になる。)おそらく彼の言う通りで、このところの感染者数の推移を見ると、今の日本は確かにぎりぎりのところにいると思う。

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同じ3月31日の夕刊1面には「富士山大噴火で首都圏交通まひ」という記事もあった。1707年の宝永噴火と同規模のものが起こると、最悪の場合、3時間後にに都心で停電や鉄道の運休が発生、とある。以前読んだ鎌田浩毅著「富士山噴火と南海トラフ」にも、その規模の噴火で、電気と飲料水の供給が止まる、ということが書かれていた。3.11も経験したことのないものだったけれど、火山の噴火は遙かに大きな影響をもたらすらしい。
電気や水の供給停止は生活に直結するから、トイレットペーパーどころではない買い占め、パニックが発生すると思う。今、多くの人の行動を左右しているスマートフォンに加え、クレジットカード、ICカード、ATMなどの決済システムは、停電が長く続いても、変わらず使えるだろうか。
現在、日本での感染がぎりぎりのところに留まっているとして、もし火山の噴火や大きな地震、台風などの災害が起きたら、かなりまずい状況になると思う。

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3月31日の日経朝刊には「サピエンス全史」の著者、ユヴァル・ハラリ氏の寄稿文が載った。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57374690Y0A320C2000000/ 全文読むにはログインが必要です)
その冒頭から、

『人類はいま、世界的な危機に直面している。おそらく私たちの世代で最大の危機だ。私たちや各国政府が今後数週間でどんな判断を下すかが、今後数年間世界を形作ることになる。その判断が、医療体制だけでなく、政治や経済、文化をもかえていくことになるということだ。
・・・・・
新型コロナの嵐はやがて去り、人類は存続し、私たちの大部分もなお生きているだろう。だが、私たちはこれまでとは違う世界に暮らすことになる。・・・
・・・・・
今回の危機で、私たちは特に重要な2つの選択に直面している。1つは「全体主義的な監視」と「市民の権限強化」のどちらを選ぶのか。もう1つは「国家主義的な孤立」と「世界の結束」のいずれかを選ぶのか、だ。
・・・・・』

今回のウィルス感染で人とモノの動きが止まり、経済への大きな影響が連日報道されている。
どこかに書かれているわけではないけれど、日本経済新聞の前提は、経済成長は是である、ということだと思う。経済が伸び続ければ、記事は楽観的だし、今回のように大きなブレーキがかかると悲観的な論調になる。でも経済は、あるいは限定して、モノの生産と消費は、無限に成長し続けられるのだろうか。
モノが売れない、と言われて久しい。日本の多くの人はモノであふれた家に住んでいるから、売れないのだと思う。例えばクルマの生産は日本が世界に誇る技術だ。日本自動車工業会のHP(http://www.jama.or.jp/world/index.html)によると、2018年世界の四輪車生産台数は9570万7千台、2017年世界の四輪車保有台数は13億7341万台、とある。毎年1億台(!)近い四輪車が生産され、それに伴って莫大な雇用と消費が生み出され、お金が回っていく。でもこの小さな宇宙船地球号で、それはこの先10年、50年、100年と続けていけることなのだろうか。

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欲求が次から次へと押し寄せてくるのが人間というものなのかもしれない。ハラリさんが述べたように、いつか感染が収まった時(あるいはすでに)、世界は変わっていると思う。どのように人間がふるまっていくことが、決して大きくはない地球での生活に適うのか、そろそろ考える時に来ているのでは、と思う。
京都、龍安寺の蹲踞(つくばい)には「吾唯足知」(吾唯足ることを知る、ワレタダタルコトヲシル)とあるそうだ。(http://www.ryoanji.jp/smph/guide/grounds.html#g_lis02
龍安寺を再訪できる時が来ることを願うばかりです。

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2020年3月11日 (水)

3.11

9年前の今日、函館の市民会館にいて長く続く揺れを経験した。
幸い数日後に帰宅でき、東京のスーパーでトイレットペーパーを抱えて右往左往する人たちを見たとき、1970年代のオイルショック時に人々がトイレットペーパーを求めて狂奔する映像がよみがえり、目の前の現実と重なって信じられない思いがした。

先週、トイレットペーパーが棚から消えた、と報道され、震災当時を思い出した。(2011年3月14日の日記をご覧下さいhttp://ichirocello.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-550a.html

9年しかたっていないのに、身の周りで起きたことを書き留めておくのは意味がある、と思う。

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ウィルス感染に対する様々な対応を見て、4年前の日経新聞に掲載された記事のことを思い出した。2016年3月11日の日経新聞で組まれた「大震災から5年」という特集の中の、自衛隊統合幕僚長だった河野克俊さん(震災当時は統幕副長)の文章から、

『福島原発が危ないと最初に我々に知らせてくれたのは実は米軍だ。米軍は原子力空母を持ち、原子力に対する知識が豊富だ。当時、米原子力空母『ロナルド・レーガン』が三陸沖で活動していたが、原発周辺の情報収集にあたっていた艦載ヘリコプターが「原発事故があった」と母艦に知らせたようだ。
 私は当時のフィールド在日米軍司令官からの電話で、初めて原発から放射性物質が漏れていると聞いた。その時点では全く知らなかった。日本に多くの自国民を抱える米国は日本の原発対応にいら立っていた。日本の問題は米国の問題でもあった。』

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休みの度に海に行く。僕がどんなにあたふた行動しても、心をどんなに乱しても、海はいつも海で、水平線は水平線のままだ。
9年前のあの日、海が近い函館駅前のホテルに戻ると、夜の7時頃、停電で暗くなった建物の1階に、黒い水が音もなく上がってきた。函館にはずいぶん遅れて津波がやって来て、東北ほどは大きくなかった。海がいつもの海ではなく、そこから巨大な嵩の水が押し寄せてくるのは、どんなに恐ろしかっただろう、と思う。